大学生に知ってほしい、新しいはたらき方と市場価値の高め方

社会は日々めまぐるしく変わり、当然、自分自身の考え方も少しずつ変わっていく。その中で、自分の進む道を決めることが難しいと感じる人もいるだろう。キャリアとは、どのように築くものなのか。どうやって、自分なりのはたらき方を見つければいいのか。新たなはたらき方である「ビュッフェキャリア」を提唱する、正能茉優に話を聞く。


正能 茉優(しょうのう まゆ) 中途入社 2年目

テクノロジー本部  サービス企画統括部

大学在学中に地域の商材を女性・若者目線でプロデュースする株式会社ハピキラFACTORYとしての活動を開始。株式会社博報堂、ソニー株式会社を経て、2020年7月パーソルキャリア株式会社入社。ジョブごとの報酬水準を企業に提供する新規サービス「サラリーズ」の事業責任者を担う。現在は大学院で経営学を学びながら、岸田内閣一部施策の有識者委員や、慶應義塾大学大学院特任助教、テレビやラジオのコメンテーターも務める。

※本記事の内容は、2月8日に実施したオンラインイベントの内容を編集したものです。

はたらくとは、価値を生み、世の中をハッピーにすること

―― まずは、正能さんの考える「はたらく」について、教えてください。

正能 私が考える幸せなはたらき方は、好きな仕事を、好きなバランスで、好きな量やっていく「ビュッフェキャリア」です。自分自身、パーソルキャリアに所属しながら、自分でも会社を持って、大学院で助教もして、社外取締役をしている会社もあって……とビュッフェスタイルでさまざまな仕事をしています。「本業はどれですか?」「どこに軸があるのですか?」とよく人から聞かれますが、それらすべての仕事をひっくるめて、私の「はたらく」なのです。

―― 大学生の中には「はたらく」について、明確なイメージを持てない方も多いと思います。そもそも正能さんにとって「はたらく」とは、どういったことですか?

正能 私の考える「はたらく」とは、何かしらの価値を、誰かしらに生み出していることです。言い換えると、多くの仕事の場合、その価値をもたらした証しとして、1円でも1万円でも1億円でも対価をもらう・お金を動かすのがはたらくということになるかと思います。

また私の場合は、この価値を生み出す対象として「社会」を意識していることが多いですね。仕事をした結果として、お金を稼ぐだけでなく、社会が前向きになったらいいなと考えています。自分がはたらいたことによって、日本や世界が少しでもハッピーになる。私のはたらくには、この「社会を前向きに動かす」ということがとても重要なのです。

―― なるほど。「はたらく」については、人によって幅広く答えがありますよね。プライベートをよりよくするためのもの、タスクをこなすようなもの、家族を幸せにするためのもの、など……。

正能 そうですね。私にとっては先に挙げた2点が軸にありながら、そのプロセスではタスクをこなすこともありますし、自分が幸せにしたい社会の最小単位として、家族というものも存在する。そういった考え方ではたらいています。

キャパシティを把握しながら、食べたいものを食べるようにはたらく

―― 並行してさまざまな経験をされていると思いますが、キャリアはどういうふうに決めてきたのでしょうか?

正能 冒頭に少し触れましたが「ビュッフェキャリア」という考え方を大切にしています。簡単に言うと、ビュッフェのように好きなものを好きなバランスで、心地よい量、手にとるようなはたらき方です

― 「ビュッフェキャリア」という考え方は、どのようにして生まれたのでしょう?

正能 私は大学在学中にハピキラFACTORYとしての活動を始め、卒業後から今日までずっと、経営者でありながら、会社員でもあるというはたらき方をしています。私が社会人になった当時は今ほど「副業・兼業」や「パラレルキャリア」といった言葉も浸透しておらず、私のように複数の仕事を持っている状態は一般的ではありませんでした。

そこで、周りの人にこのはたらき方をどう伝えてみようかと考え、思いついたのが「ビュッフェキャリア」という考え方でした。

―― キャリアをビュッフェに例えて、知ってもらおうとする工夫だったのですね。

正能 はい。自分の食べたいものをあれこれ選んでくるやり方でもいいし、カレーが好きならずっとカレーを食べ続けていてもいい。いつもはカレーだけの人が、たまにはケーキにいってもいい。1つの仕事を勤め上げるのも素敵だし、いくつもの仕事を同時に掛け持ちすることも素敵。そういう自然な仕事の在り方を伝えたかったのです。

―― すごく面白い考え方ですね!一方、実際にやってみるのは難しさを感じる人もいると思います。ビュッフェキャリアを実践するにあたりコツはありますか?

正能 実践で何より重要なのは、自分のキャパシティを知ること。食欲だって個人差があって、ビュッフェでは、自分の食欲に合わせて食べる総量を考えますよね。仕事も同じです。どんな仕事を、どれくらいするのが、自分には合っているのだろうとぜひ考えてみてください。たくさんできそうな人は最初からどんどんやりたいように動けばいいし、自信がなかったらまずは1社で少しずつ量を調整していくのもいいやり方だと思います。

―― まずは自分のことをよく知っていないといけないのですね。

正能 そうですね。ただ、特に学生さんの場合、今の段階で決め切ってしまうことも避けたほうがいいと思います。それは、社会に出たら、思わぬ出会いや興味がきっと待っているからです。カレーをたくさん食べるぞと思って社会に出たら、これまで知らなかったビーフストロガノフという料理に出会って「そっちも食べてみたい!」となることがあるかもしれないですよね。それくらいの心持ちでいるのがいいかなと。

― なるほど。たしかに、学生のころは見えなかった景色というのもありますね。

正能 加えてビュッフェキャリアを実践するにあたりもう一つ大事なことは、どんな文化を持つ会社ではたらくのかです。こちらがどんなにビュッフェが食べたくても、ラーメン屋さんで「ビュッフェ食べさせてくれ」というのは難しいので、やはり企業側に受け入れる文化・土壌があるかを確認するのは大切だと思います。パーソルキャリアのように企業が個人のやりたいことを応援してくれるのか、よしとしてくれるのかそういったところを見るのもビュッフェキャリアを実現する上では重要です。

市場価値は組み合わせのオンリーワンで上げる

―― 最後に、キャリアを選ぶにあたっての市場価値についてお聞きしたいと思います。キャリアについて考え始めると耳にする「市場価値」ですが、それってどんなことなのでしょうか?

正能 ミレニアル世代・Z世代の考えるはたらく目的として、「楽しく生活がしたい」という欲求と「経済的にも豊かになりたい」という欲求の両方がありますが、それらを両立しようと思うと、自らの市場価値を上げることはとても重要です。分かりやすく言えば「自分の1時間の価値」をどう上げるのかということですね。

―― 正能さんは市場価値を高めていくために、意識していることはありますか?

正能 これは明確に、3つの戦略があると思います。ファーストワンになるか、ナンバーワンになるか、オンリーワンになるか。ファーストワンは、まだ誰もなし得ていないことを実現したり、まだどこにもないものを発明したりする人になることです。ナンバーワンは、その分野の1番になること。オリンピックで金メダルをとったら、選手引退後も、選手以外のキャリアが複数あったりしますよね。1番になった人には、選択肢があります。

しかしここで考えたいのが、ファーストワンやナンバーワンになることは、かなり難しいということ。誰もやったことがないことなんて世の中には多くないし、金メダルなんてそうそうとれない。

そんな弱気で現実的な私がとることにしたのはオンリーワン戦略です。オンリーワン戦略の可能性は、一つのキャリア単体ではオンリーワンではなくても、その組み合わせ次第でオンリーワンをつくり出すことができるというところにあると思います。私が思う特に価値が上がりやすい組み合わせは「違和感のある組み合わせ」ですね。

―― 違和感のある組み合わせ、ですか。

正能 私は「なのにキャリア」と呼んでいるのですが、「XなのにY」という違和感のあるキャリアの組み合わせを生み出すのです。自身の経験で言えば、私が大学生でハピキラをやっていたときには「女子大生なのに社長」という組み合わせでしたが、大学卒業時に考えていたのは「Xなのに社長」というキャリアのXに、何を当てはめればオンリーワンの存在になれるのかということでした。

―― 他にはない組み合わせをすれば、オンリーワンになりやすいのですか?

正能 変わっているだけではただの「変わり者」になってしまうので、なんらかの価値が生まれそうな、想像しやすい組み合わせが重要でしょう。例えば、「広告代理店マンなのに社長」だった新卒時代には、所属していた広告代理店からすれば、「この人は起業経験があるから事業目線でアイデアを出せるかも」と期待してもらえるし、自身の会社と一緒に事業を行う人からは「大手企業を経験しているからビジネスの基本的な進め方を知っている」と期待してもらえる。そうした価値を想像できる、かつ違和感のある組み合わせが、価値あるオンリーワンの存在になるのではないでしょうか。

―― なるほど。とても参考になるお話をありがとうございました!

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