2022.02.15
インターンシップで新規事業開発に取り組み、徹底的に「Why?」向き合った3人の大学生が、事業づくりを目指す学生に伝えたいこと。
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吉住 海斗 (よしずみ かいと)
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山下 輝 (やました ひかる)
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陸 君彦 (りく きみひこ)
パーソルキャリアの課題解決への強い想いが反映された取り組みの一つが、事業創造人材育成型選抜インターンシップ「BRIDGE」です。2021年度の「BRIDGE」で個人プラン優秀賞に輝いた3名の参加者に、参加して感じたことを聞きました。
「BRIDGE」とは?
「BRIDGE」とは、学生が抱える社会への違和感を、ビジネスで解決するための事業創造人材育成型選抜インターンシップ。 「Why you? ―なぜ、あなたが取り組むのか?」というコンセプトのもと、強烈な原体験からくる課題解決への熱い想いを持った学生たちが参加。インターンシップ前の2か月間で作る「個人ビジネスプラン」と、インターンシップ当日にチームメンバーとともに作る「チームビジネスプラン」の2種に挑戦。新規事業開発を手がけてきた社員たちが、事前・事後含め数ヶ月にわたって学生の事業創りに伴走します。
Profile
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吉住 海斗 (よしずみ かいと)
明星大学経済学部在学。児童養護施設で育った経験から、児童養護施設のはたらき方を改善するサービスを立ち上げ、クラウドファンディングで資金を集め法人化。学生ながら、代表として活動している。
明星大学経済学部在学。児童養護施設で育った経験から、児童養護施設のはたらき方を改善するサービスを立ち上げ、クラウドファンディングで資金を集め法人化。学生ながら、代表として活動している。
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山下 輝 (やました ひかる)
順天堂大学スポーツ健康科学部在学。5歳からサッカーを始め、高校時代は部員数200名を超えるサッカー部のキャプテンを務める。現在はサッカー部のコーチや、ボディビルダーとしての活動を行う。
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陸 君彦 (りく きみひこ)
京都大学経済学部在学。大学の勉強の傍ら、在日中国人として感じている疑問や問題意識から、中国のことをもっと知ってもらうための活動をしている。大学内外にて講演会などを実施し、対象は学生から記者などの社会人までと、その活動は幅広い。
Index
社会に対して抱いていた違和感から、「BRIDGE」に参加。
まずは、「BRIDGE」に参加した経緯について教えてください。
陸さん
もともとはパーソルキャリアの別のインターンシップに応募していたのですが、「君は「BRIDGE」のほうが向いているよ」と人事からアドバイスをもらいました。というのも、僕は自分自身の「中国」というルーツから、日本の内なるグローバル化を進める事業を行いたいという想いがあったためです。
山下さん
僕も学生時代の経験が原点にあります。部活動経験の価値を最大化するサービスをつくりたいと思い、「BRIDGE」に応募しました。自分自身、幼少期からサッカー一筋で、「いつかこの経験が役に立つから」と周りから言われ続けてきたのですが、その考えはどうも抽象的で、具体がなくて…。そこに違和感を抱いていたんです。
吉住さん
僕は2人とは少し違っていて、自分が手掛けているサービスの法人化に向けたクラウドファンディングをしていた時に、パーソルキャリアの人事と知り合ったのがきっかけでした。それまでは就活もしていなかったし、パーソルキャリアのことも知らなかったのが正直なところです。しかし、「BRIDGE」に込められた想いを聞けば聞くほど、参加したい気持ちが高まって、すぐに応募しましたね。
「BRIDGE」に参加するための選考の合格率は2%といわれています。狭き門である「BRIDGE」への参加権を獲得したあとは、人事とマンツーマンでビジネスプランを練ります。それぞれどのような企画を立案したのでしょうか?
陸さん
アジア各国出身のビジネスパーソンを誘致して行う、組織開発プログラムを企画しました。僕は国籍が理由で嫌がらせを受けた過去があるのですが、対話を重ねることでその嫌がらせがなくなったことがあります。その経験から、まずは交流することが大切だと実感していました。そこで、さまざまな出自を持つビジネスパーソンとの交流によって日本国内における人種差別の解決に貢献したいと思っています。
山下さん
僕は、運動したい社会人と部活動経験の豊富な学生を結びつけて、フィットネスを行うサービスを企画しました。コロナ禍で部活動ができず、鬱になってしまった友人を「筋トレしようぜ!」と誘い続けたことで彼が回復していく様子を見て、運動のサポートをしてもらうことは大きな価値を生むと気付いたことが、企画のきっかけになりました。
吉住さん
僕の場合は、それぞれの児童養護施設が掲げる想いへの共感を軸に職場を選べる、求人情報サイトを企画しました。僕自身が児童養護施設で育った経験があり、「児童養護施設ではたらく大人が幸せでないと、そこで暮らす子どもたちも幸せになれないのでは…」という考えを持っていたため、なんとかして児童養護施設のはたらき方をよくしたいという目標があったんです。
約2か月にわたり、メンターと二人三脚で企画のブラッシュアップ。
インターンシップ当日は新規事業に関わる社員が付きっきりでサポート。
長い時間をかけて企画を作り込んでいったと聞きました。メンターと企画を進めていく中で、印象に残っていることはありますか?
陸さん
新規事業を手掛けてきた社員が、インターンシップ当日に付きっきりでいてくれたんです。起業経験もなく、インターンシップに参加したこともなかったのですが、議論の進め方やどう収益化すべきかなどを学び、大学の学問での頭の使い方とビジネスの頭の使い方は似ていると気付けました。「これまでビジネスとは無縁だった自分でも、人とは違う価値を発揮できるかもしれない!」と思えて、大きな自信につながりました!
山下さん
「BRIDGE」当日より2か月ほど前から、人事のメンターが長期的にサポートしてくれたのがすごく助かりました。特に週1回のペースでメンターの方と打ち合わせを重ねる中でもらった、「まずは行動しよう」というアドバイスは、今も胸に残っています。そのアドバイスをもとに、実証実験として運動を始めようと思っている社会人の方々に実際にサービスを使っていただいて、「月いくらなら利用しますか?」などヒアリングすることができました。
吉住さん
僕もメンターが常に気に掛けてくれたのが、本当に支えになっていました。放り出しそうになったときも、何時間も相談に乗ってくれたり、電話でアドバイスをくれたり。それに、ただアドバイスやジャッジをするだけではなく、僕に「君はどうしたい?」と聞いてくれるのが嬉しかったですね。「BRIDGE」当日に出会った社員の皆さんも、僕の原体験や想いに向き合ってくれて、さらにその先の考えを示してくれました。僕たちの可能性を信じてくれていたんだと思います。だからこそ、僕は「自分の想いに正直でいよう」と思えるようになりました。ここまで事業に対する想いを大事にさせてくれたのは、一種のカルチャーショックに近かったですね。これからも想いドリブンで生きていきたいです。
大切なのは、「なぜその事業をやるか」ということ。
「BRIDGE」にて個人ビジネスプランをプレゼンし、優秀賞に選ばれた皆さんは、後日その事業化に向けて執行役員へ提案する機会も用意されたんですよね。それを踏まえ、どんなことを感じましたか?
陸さん
学生として、ではなく社会人と同じレベルで厳しく見てもらいました。その分ごまかしが全然利かなかったです。そこで感じたのは、事業の内容以前に、なぜその事業をやるのかという理由が大切だということでした。お金儲けから始めるのではなく、解決したい課題への想いや大義がまずあって、その手段としてビジネスが存在するんです。
山下さん
「想いに勝ることなし!」だと痛感しましたね。自分の想いを否定する必要はないし、それを発信すれば、共感して応援してくれる人はたくさんいる。ビジネススキルがない自分でも、想いの強さがあったからこそプレゼンの機会をもらえたので、この気付きを忘れないでおこうと思いました。
吉住さん
確かにそうですね。とても向き合ってくれたので、僕は自分の原動力が何なのかを深く知れましたし、自己理解にもつながりました。長い企画プロセスの中で、向き合わなきゃいけないことが山ほどあったんです。目を向けたくないような自分の欠点も指摘してくれたので、自分の考える自分と、他者から見える自分が擦り合わさった感覚です。人間として、もっともっと成熟したいなと思いました。
3人が事業創造を志す学生へ伝えたいこと。
最後に皆さんから、後輩たちへメッセージをお願いします。
陸さん
ぜひ「BRIDGE」に飛び込んでみてほしいですね。たとえ、そのアイデアが人前では言いづらいことだったとしても、カタチにしたいという想いを持ってチャレンジしてみることで、きっと道は開けると思います。
山下さん
自分はこの領域が得意だとか苦手だとか、そういう固定概念を取っ払って挑んでほしいです! 思い込みを捨てることで、何に課題意識を持つのか、なぜそれを解決したいのか、に向き合える。その想いを起点に事業をつくっていくことが大切だと思います。
吉住さん
「BRIDGE」の最大の魅力は、一人ひとりの想いに向き合って応援してくれる点だと僕は思っています。スキルや経験ではなく、その人の想いを重視して意見をくれる。ここまで全力で応援してくれる「BRIDGE」は、学生を表面的な言葉で釣るようなインターンシップとはまったく違います。自分の大事にしたいことを守りながら、成長していくことができる。逆を言うと、本気になれない人には合わないと思います。なので、実現したい理想がある人は、ぜひ「BRIDGE」に挑戦してみてほしいですね。
※年次・所属部署は取材当時のものです。