現代社会のビジネスにおいては事業家、実業家、起業家、経営者といった言葉が頻繁に使われますが、これらはそれぞれどんな役割を意味するのでしょうか。また、これらの役割はどのように異なるのでしょうか。
事業家とは、新しいビジネスチャンスを見つけ、それを活用して成功する人のことを指します。本記事では、実業家、起業家、経営者との言葉の違いや事業家になる方法について解説します。
事業家とは?
事業家の定義
事業家は、新しいビジネスモデルや市場の機会を探求し、それを商業的な成功に導く役割を担う人を指します。ビジネスの世界で革新的なアイデアを生み出し、それを具現化する能力を持っている人を事業家と呼ぶケースが一般的です。
事業家の主な業務
企業の経営
事業家の重要な業務の一つは、企業経営です。企業の経営とは、会社の方針を定め、組織の全体的な運営を監督し、戦略的な意思決定を行うこと。事業家は経営においてリーダーシップを発揮し、企業の目標達成を指揮します。また、企業文化の構築やブランドイメージの管理、そして利益の最大化を目指してリソースの効果的な配分を図ったり、市場の変化や競合の動きを監視しながら企業戦略を適切に調整したりする能力も求められます。
事業の推進
事業家はその名の通り、事業の推進も担います。事業の推進とは、新しい市場の機会を探求し、事業を拡大し、そして競争力を保つことを目的とした活動のこと。事業家は、マーケットリサーチやマーケティング戦略の策定、そして新しいビジネスパートナーシップの確立など、事業の成長と拡大に向けた多くのアクションを主導します。さらに、事業の成果を測定し、評価するためのパフォーマンス指標を設定したり、必要に応じて戦略を修正したりしなければなりません。
新規事業の開発
新規事業の開発は、新しい市場を見つけ、新しい製品やサービスを開発し、それを市場に導入することです。事業家は、新規事業のアイデアや可能性を評価し、市場調査を行い、製品開発のプロセスを主導します。そして、新規事業の立ち上げに必要なリソースを確保し、マーケティングと販売戦略を策定します。
従業員のマネジメント
企業経営に伴い、従業員のマネジメントも発生します。具体的には、適切な人材を採用・獲得し、育成し、ポジションや役割を与え、そして適切に評価する責任を果たさなければなりません。効果的なチームの構築は事業の成功に不可欠であり、従業員のモチベーションを維持し、職場の環境を良好に保つことも重要です。
資金調達
事業家は、ビジネスの運営と拡大に必要な資金を調達するという役割も持っています。調達した資金は、新しいプロジェクトの立ち上げ、製品開発、マーケティング活動、そして事業の拡大に必要なリソースに投下されます。
自社サービスの営業活動
営業活動は、顧客との関係を構築し、製品やサービスの販売を促進するために不可欠です。企業の収益を増加させ、長期的なビジネス関係を確立し、そして企業の市場での地位を強化するために重要なアクションと言えます。
これらの業務は事業家が日々行っているもののあくまで一部であり、事業家の能力と努力によって企業経営が成功するか否かが大きく左右されるのです。
実業家、起業家、経営者との違い
実業家
実業家とは
「実業家」という言葉はビジネスの世界でしばしば聞かれる言葉ですが、定義するとすれば「主に既存の事業を運営・拡大し、維持する役割を果たす人」となるでしょうか。実業家は、企業の日々の事業運営を管理し、長期的な成功と安定を目指して戦略を立てる役割です。
事業家と実業家の違い
事業家と実業家の主な違いは、アプローチにあります。事業家は新しい事業やプロダクトの立ち上げをメインとしている一方で、実業家は既存のビジネスの運営と拡大に焦点を当てているケースが多いと言えます。実業家は、企業の安定した運営と長期的な成功を目指し、効率的な運営と収益性の向上を追求しているのです。
とはいえ、事業家と実業家はほぼ同じような意味合いで使われることが多いため、一般的に明確な違いがあるわけではないと考えておきましょう。
起業家
起業家とは
「起業家」は、新しいビジネスアイデアを持ち、それを実現する(立ち上げる)役割を担う人」を指します。彼らは市場のニッチ(隙間)や顧客の悩み・課題を見つけ、新しい製品やサービスを開発し、それを市場に展開します。ビジネスプランの作成、資金調達、マーケティング戦略の開発など、ビジネスの多くの側面に関与していく存在です。
事業家と起業家の違い
事業家と起業家にはいくつかの違いがあります。事業家は主に事業の運営、拡大、および改善に焦点を当てますが、起業家は革新性のあるアイデアをビジネス化することが主なミッションです。
また、起業家は一般的に高いリスクを取ることが求められ、新しい市場や技術に投資するケースも少なくありません。印象としては、起業家のほうがよりチャレンジングなポジションを取っていることが多いと言えるでしょう。
経営者
経営者とは
経営者は、企業や組織の運営・管理に関わる人物です。彼らは、組織のビジョンとミッションを明確にし、それを基盤に経営戦略を立て、1年後、3年後、5年後などのマイルストーンに合わせて目標を設定します。組織の財務健全性、人材の管理、業務プロセスの効率化、そして市場戦略など、多くの重要な側面に責任を持つ存在です。
事業家と経営者の違い
事業に焦点を当てているのか、経営や組織運営全体に焦点を当てているかが事業家と経営者の違いです。事業家は、革新的なアイデアや新しい市場の機会を探求する傾向がありますが、経営者は組織の効率と生産性を向上させ、安定した運営を確保することに焦点を当てています。
ただし、多くのケースにおいて事業家と経営者も似たような意味合いで使われています。基本的に、「経営者」は言葉の定義が広い役割となっており、経営者の中でも事業に強みのある人物は事業家と呼ばれることが多いです。
事業家になる方法
自身で起業する
事業家になるには、自身で起業して事業を運営していくケースが一般的です。起業にはリスクが伴いますが、同時に高いリターンを得られる可能性もあります。事業家を志す場合は、まず起業することを目標にしましょう。
社内で昇進して経営幹部になる
既存の企業で働きながら昇進し、最終的に経営幹部のポジションに到達する形でも事業家になれる可能性があります。経営の経験は、将来的に自身のビジネスを立ち上げるか、または他社で経営幹部のポジションに就く際に非常に有益です。リーダーシップ、コミュニケーション、戦略的思考など、事業家として成功するために必要なスキルを磨くことができるため、まず就職を考えている学生の方は社内での昇進を目指しましょう。
新規事業の立ち上げ責任者を経験する
新規事業の立ち上げ責任者を経験しておくことも重要です。新規事業を立ち上げることで得られるスキルや経験は、事業家を志す際にも役に立ちます。立ち上げが成功し、責任者として事業拡大の舵取りを行うポジションに立てれば、それはすなわち事業家であると言って差し支えないでしょう。
まとめ
この記事を通じて、事業家、実業家、起業家、そして経営者それぞれの主な役割について理解できたでしょうか。それぞれの言葉に細かい違いはあるものの、大きな枠組みではいずれも同じ意味を持っています。言葉の定義にとらわれず、より大きな事業を興して社会に対して影響力を与えていくという挑戦的なマインドを持つことが、事業家や経営者を目指す上では大切です。本記事が、大学生の皆さんの参考になれば幸いです。
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