大学生活で第二外国語を選択する際、フランス語は人気の高い選択肢の一つです。美しい響きと豊かな文化背景を持つフランス語ですが、習得難易度が高いとも言われることが多い外国語です。本記事では、フランス語学習のメリットや将来性、そして習得難易度について詳しく解説します。
フランス語学習のメリットと将来性
フランス語は、第二外国語として選択する学生が多い言語の一つです。その魅力や将来性について、詳しく見ていきましょう。
話者人口が比較的多い
フランス語は世界で2億人以上が話す言語で、主要言語としている人口だけでも1億人を超えます。フランスだけでなく、カナダのケベック州、スイスの一部やベルギーなどのヨーロッパ諸国、そしてアフリカの多くの国々でも広くフランス語は使われています。フランス語を学べば、世界中の多くの人々とコミュニケーションを取れるようになるでしょう。
また、インターネットの世界でもフランス語は存在感を示しています。Webサイトの言語別割合で見ると、フランス語は上位に入っており、オンライン上でもフランス語の需要が高いことが分かります。
フランス語が公用語の国も多い
フランス語は、29カ国で公用語として認められています。特にアフリカでは、多くの国がフランス語を公用語としており、セネガル、コートジボワール、カメルーンなどが挙げられます。
これらの国々は経済成長が著しく、今後ますます国際的な注目を集めることが予想されます。フランス語を習得することで、これらの新興国とのビジネスチャンスを掴めるかもしれません。また、国連やEUでもフランス語は公用語として使用されるなど、国際機関でもフランス語は重要な言語の一つとされています。
観光で役に立つ
フランスは世界で最も人気のある観光地の一つです。エッフェル塔やルーブル美術館など、多くの人々を魅了する観光スポットが数多く存在します。フランス語を話せれば、フランスの文化や歴史をより楽しめるでしょう。
また、フランス語圏の国々を旅行する際にもフランス語は大いに役立ちます。例えばモロッコやタヒチなど、フランス語が広く使われている観光地も多くあります。これらの地域を訪れた際、フランス語で現地の人々とコミュニケーションを取ることで、より充実した旅行体験ができるはずです。
ビジネスでの将来性は限定的
ビジネスの観点から見ると、フランス語の将来性はほかの言語と比べて限定的かもしれません。フランスは世界有数の経済大国であり、ルイ・ヴィトンやシャネルなどの有名ブランドを多く輩出していますが、国際ビジネスの場では英語が主流となっていることは事実です。そのため、ビジネスにおいてはフランス語だけ話せても十分とは言えないかもしれません。
とはいえ、フランス語圏のアフリカ諸国との取引や、フランスの企業とのビジネスでは、フランス語能力が重宝されることがあります。特に、文化や芸術、ファッション、料理などの分野では、フランス語の知識が有利に働く可能性が高いでしょう。
フランス語の特徴
名詞に性別がある
フランス語の大きな特徴の一つは、ドイツ語やスペイン語と同じく名詞に性別があることです。これは日本語や英語にはない概念で、初心者は少し戸惑うかもしれません。名詞は男性名詞と女性名詞に分かれており、それに応じて冠詞や形容詞の形も変化します。
例えば、「本」を意味する「livre」(リーブル)は男性名詞で、「un livre」(1冊の本)となります。一方、「テーブル」を意味する「table」(ターブル)は女性名詞で、「une table」(1つのテーブル)となります。
さらに、形容詞も名詞の性別に合わせて変化します。「大きい」を意味する形容詞「grand」(グラン)を使う場合、男性名詞なら「un grand livre」(大きな本)、女性名詞の場合は「grand」が「grande」(グランド)に変化し、「une grande table」(大きなテーブル)となります。
こうした性別の概念は、文法的な一致を重視するフランス語の特徴を表しています。
発音しないアルファベットがある
フランス語の発音規則は、初心者にとってはやや複雑に感じられるかもしれません。その理由は、書かれているアルファベットの一部を発音しないという特徴にあります。
例えば、単語の最後に来る子音字は多くの場合、発音されません。「petit」(小さい)という単語は、最後の「t」を発音せず、「プティ」のように発音します。先ほど触れた「grand」(大きい)も、最後の「d」は発音せず「グラン」となります。
また、複数形を表す「s」も通常発音しません。「les livres」(複数の本)は「レ リーブル」のように発音し、最後の「s」は聞こえません。
ただし、次の単語が母音や無音の「h」で始まる場合、これらの通常発音しない子音を発音することがあります。これを「リエゾン」と呼びます。例えば、「les amis」(友達)は「レ アミ」ではなく「レザミ」と発音し、「s」が聞こえます。
これらの規則は、フランス語の音の流れをスムーズにし、独特のリズムを生み出しています。
鼻母音がある
フランス語の発音で最も特徴的なものの一つが、鼻母音です。これは、日本語や英語にはない音で、多くの学習者が習得に苦労する部分です。
鼻母音は、口からだけでなく鼻からも空気を出して発音する母音です。主な鼻母音には以下のようなものがあります:
- [ɑ̃]:「an」「en」「em」などの綴りで表されます。例:「enfant」(アンファン:子供)、「temps」(タン:時間)
- [ɔ̃]:「on」「om」の綴りで表されます。例:「bon」(ボン:良い)、「nom」(ナン:名前)
- [ɛ̃]:「in」「im」「ain」などの綴りで表されます。例:「vin」(ヴァン:ワイン)、「pain」(パン:パン)
これらの音を正確に発音するには、口の形や舌の位置、そして鼻から空気を抜く感覚を掴む必要があります。例えば、「bon」(良い)と「beau」(ボー:美しい)の違いは、鼻母音の有無にあります。「bon」は鼻から空気を抜いて発音しますが、「beau」は口だけで発音します。
鼻母音の習得には時間がかかりますが、これらの音を使いこなせるようになると、よりネイティブに近い発音ができるようになります。
フランス語の習得難易度
フランス語は多くの人にとって魅力的な言語ですが、その習得には一定の努力と時間が必要です。ここでは、フランス語の習得難易度について詳しく見ていきましょう。
英語に比べて難しい
フランス語は、日本人学習者にとって英語よりも難しいと言われています。その理由はいくつかありますが、その一つにフランス語は英語とは異なる文法構造を持っていることが挙げられます。例えば、「赤い車」は英語では「red car」ですが、フランス語では「voiture rouge」(ヴォワチュール ルージュ)となり、形容詞の位置が逆になります。
また、フランス語には英語にはない文法概念もあります。代表的なものが冠詞の使い方です。英語の冠詞は「a」や「the」程度ですが、フランス語では定冠詞、不定冠詞、部分冠詞があり、それぞれ男性形、女性形、複数形があります。これらを適切に使い分けるのは、初心者にとっては特に難しいです。
さらに、フランス語の発音は英語よりも規則的ですが、日本語話者にとっては馴染みのない音が多いです。特に、Rの発音や鼻母音は習得に時間がかかります。
動詞変化が多く習得に時間がかかる
フランス語の動詞変化は、多くの学習者にとって大きな壁となります。英語の動詞変化が比較的シンプルなのに対し、フランス語の動詞は人称や時制、法によって形が大きく変わります。
例えば、「話す」を意味する動詞「parler」(パルレ)を見てみましょう。現在形だけでも、「je parle」(私は話す)、「tu parles」(あなたは話す)、「il/elle parle」(彼/彼女は話す)、「nous parlons」(私たちは話す)、「vous parlez」(あなたたちは話す)、「ils/elles parlent」(彼ら/彼女らは話す)と変化します。
さらに、過去形、未来形、条件法、接続法など、さまざまな時制や法があり、それぞれで動詞の形が変わります。不規則動詞の場合は、これらの変化がさらに複雑になります。
発音も習得まで時間がかかる
フランス語の発音は、その美しさで知られていますが、同時に習得が難しいとも言われています。日本語にない音が多く、特に以下の点が難しいとされています。
まず、「R」の発音が挙げられます。フランス語のRは喉の奥で発音する独特の音で、日本語や英語のRとはまったく異なります。この音を正確に出すには、口の形や舌の位置を意識的に調整する必要があります。
次に、鼻母音の習得も課題となります。鼻から空気を抜きながら発音する音は、日本語にはないものです。「an」「on」「in」などの音を正確に区別して発音するには、かなりの練習が必要です。
また、リエゾンやアンシェヌマンといった音のつながりも、フランス語らしい発音には欠かせません。これらは、単語と単語の間の発音を滑らかにつなげる技術で、自然なフランス語の発音には必須です。
フランス語はアクセントやイントネーションも、日本語とは大きく異なります。フランス語では通常、単語の最後の音節にアクセントが置かれますが、これに慣れるのにも時間がかかります。
まとめ
初心者にとって、フランス語学習は比較的難しいと言えるでしょう。しかし、話者人口の多さや公用語としての地位、観光での有用性など、フランス語にはさまざまなメリットがあります。文法や発音の特徴を理解し、習得の難しさを乗り越えることで、新たな文化や考え方に触れる機会を得られるはずです。本記事を読んでフランス語に魅力を感じた学生の方は、ぜひ第二外国語として選択してみてはいかがでしょうか。
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