「国際女性デー」に、キャリアオーナーシップ を考える。【イベントレポート】

パーソルグループでは、3月8日の国際女性デーに合わせて、2021年3月12日に女性のキャリアオーナーシップについて考えるトークイベントが開催された。主催は、パーソルグループ社員が有志で集まるコミュニティ「OPEN PERSOL」とキャリアオーナーシップリビングラボ※。「はたらいて、笑おう。」のビジョン実現へ向けた活動の一つとして、女性のキャリアの在り方や、実際にはたらく中で感じる悩みや課題について参加者でシェアし、どうすればより良くしていけるかをディスカッションするイベントである。 ゲストは、有識者の田中研之輔さん、鈴木絵里子さん。本記事では、ーソルキャリアの女性社員から寄せられた、リアルな悩みや疑問に関するQ&Aの様子をレポートする。


ダイバーシティ推進を促進・支援する有志コミュニティ「OPEN PERSOL」とは?

「OPEN PERSOL」では、有志のパーソルグループ社員が「複業」や「LGBTQ」などのDI&E※に関するテーマでコミュニティを立ち上げ、情報交換・イベント開催による情報発信などの活動を行っている。

目指すのは、多様性に富んだ社員一人ひとりに開かれた“共助”の場の提供。ダイバーシティ推進の対策を幅広く検討する中、制度の見直しやトップメッセージなど、トップダウンの取り組みだけではなく、社員自らが行動するコミュニティ活動によるボトムアップの両面からムーブメントをつくっている。

※キャリアオーナーシップリビングラボの詳細はこちら
※DI&E……Diversity, Inclusion & Equalityの略称。パーソルグループの多様性にあふれるメンバーの強みを活かすべく、ビジョン実現に向けた具体的な取り組みに着手している。詳細はこちら

パーソルキャリアの女性社員から寄せられた、リアルな悩みや疑問にゲストが回答

ゲスト:田中 研之輔(たなか けんのすけ)

法政大学教授。日本学術振興会特別研究員、メルボルン大学大学院政治学研究科客員研究員、カリフォルニア大学客員研究員などを経て、現職。キャリア開発を専門とし、キャリア開発に関する著作や登壇多数。

ゲスト:鈴木 絵里子(すずき えりこ)

マギル大学を卒業後、モルガン・スタンレーやUBS証券の投資銀行部門に勤務。ドローンベンチャーの日本法人立ち上げなどを経験し、現在はFresco Capitalのゼネラル・パートナー。著書に『これからは、生き方が働き方になっていく』(大和書房)。

Q1.何年先のキャリアを見据えて仕事をするべき?

質問者:小森 可南子(こもり かなこ)/サービス企画開発本部 サービス企画部プランニンググループ

【これまでのキャリア】
2017年新卒入社。人材紹介事業の製造業・建設業向け法人営業(RA/リクルーティングアドバイザー)を約3年間経験。2020年10月にキャリアチャレンジ制度(異動希望制度)を利用し、現在のサービス企画部へ。マーケットデータに基づいた「ジョブごとの報酬水準データ」を提供する新規サービス「Salaries」に企画担当として携わる。

【私が仕事で大切にしている価値観は……】
「学び」を大切にし、その「学び」を与えられる人になること。

小森 キャリアを考える際、何年先を考えて仕事をするべきでしょうか? 私自身はこれまで、そのときどき、その瞬間に、好きなことややりたいことを選んできたのですが……。

鈴木 何年、というのは人それぞれになります。質問したいのですが、例えば小森さんは普段どんなことを大切にしていらっしゃいますか?

小森 「学び」ですね。特にアウトプットの学びが大切だと感じます。アウトプットすることによって、周りからフィードバックをもらえて、その内容が自身の成長につながっていく。また、「学び」は誰かに与えることもできるのではないかと考えています。

田中 キャリアというのは、何年後までにどのような強みを育てたいかと考えることが大切です。小森さんが「学び」を重視するなら、それを基準に自身をどう成長させたいかを考えていくとよいでしょう。例えば私の場合、4層に時間軸を分けています。まず3年後の姿を明確に。10年後はぼんやりと。そこへ向けて、2週間と半年の2つのスパンでやるべきことを考え、PDCAを回しています。

Q2.ロールモデルを探し続けて、自己決定できないときは?

質問者:北岡 祐美(きたおか ゆみ)/dodaエージェント事業部 組織開発部・育成部

【これまでのキャリア】
2011年中途入社。人材紹介事業の法人営業(RA)として、ファイナンス領域・ヘルスケア領域・IT/インターネット領域を担当。現在はRAの育成、組織開発を兼務し、個の支援と組織の支援に関わっている。

【私が仕事で大切にしている価値観は……】
誰かの利であること。人のイキイキスイッチを見いだすこと。

北岡 人材育成に携わっているのですが、ロールモデルを探し続けて自己決定ができなくなっている方がよくいます。そういった方を後押しするには、どのような関わり方を目指すとよいのでしょうか?

鈴木 「自分らしく」だったり、「誰かロールモデルを」と頭だけで考えると、人と比べることに終始したり、悶々(もんもん)としたりしがちです。

田中 そのとおりですね。ロールモデルを探すことは「この人みたいにならなければ」という他者との比較につながる場合があります。自身のキャリアを考えることについては、比較しすぎないことが大前提です。

鈴木 その上で、例えば複業など、何かに新しくチャレンジをすることもその人たちにとっては大切かもしれません。誰かと比較するのではなく、活動の中で「自分自身はどんな人間なのか」という自己認知を深めていくのがおすすめです。どんな小さなアクションでも、起こしてみることがチャレンジの一歩だと思います。

田中 もっとやりやすいことでいえば、その方のやりたいことを10個とか100個とか、書き出してもらうのはどうでしょう。逆に絶対やりたくないことでもいいですね。そうやって可視化していくと、毎日のやるべきことが見えてくるかもしれません。

Q3.年代によってキャリアオーナーシップのために大切なことは変わる?

質問者:安保 優(あぼう ゆう)/タレントシェアリング事業部 i-common 独立役員紹介サービスグループ

【これまでのキャリア】
2015年新卒入社。i-common事業部に配属され、法人営業を約2年経験。新卒3年目で新規サービスの立ち上げ、4年目で新組織の立ち上げ、5年目で2度目の新規サービスの立ち上げを経験。7年目となる現在は、また新たなサービス立ち上げのために準備中。

【私が仕事で大切にしている価値観は……】
ご縁と運をつかむ努力をすること。

安保 自分のこれからのキャリアを想像するために、少し上の年代である40代、50代の女性とお話をすると、キャリアに対する考え方も少し違うように感じます。例えば「女性初の○○」といった第一人者として道を切り開いてきた方も多いようです。私たちのような20代、30代の女性のキャリアとはやはり異なるのでしょうか?

田中 「違う」と意識して問題ないと思います。女性が組織の中でごく少数だったり、女性として何かの第一人者であることが多かったりしたときと現在の状況は違うので、同じようにまねしようとしなくてもよいのではないでしょうか。活用できるテクノロジーも今の方がたくさんある。「違うのだ」と考え、自分たちは自分たちで、それぞれ「らしいキャリア」を考えればよいと思いますよ。

鈴木 そうですね。田中さんがおっしゃるように違うものですので、20代、30代のキャリアは、またこの世代の自分たちでつくると考えてみてもいいと思います。40代、50代の方が切り開いてくれた道があるから今があり、今みなさんがつくっているキャリアの在り方が、また次の世代のキャリアの在り方を変えることにもつながっていくはずです。

Q4.仕事・子育てとやりたい/やるべきことを両立するには?

質問者:山本 美香(やまもと みか)/事業戦略本部 カスタマー企画統括部 ブランドコミュニケーション部 PRグループ

【これまでのキャリア】
2019年中途入社。dodaのPR領域を担う部署で、PRの企画・運営や、商品・サービスなど、dodaに関するさまざまな情報発信を行う。

【私が仕事で大切にしている軸は……】
成長を続けながら、周りに貢献すること。

山本 仕事と子育ての両立の中で、やりたいこと、やらなければならないことはたくさんあるのに、時間は有限。ある意味で、「手放す」という選択も必要かなと感じています。そのこつがあれば教えていただきたいです。

鈴木 確かに、私も子育て中などは、どうしても何かを手放さなければならないことがあり、つらいと感じたことがありました。「仕方なく捨てる」という意識だと、それはストレスになります。やりたいことのために手放すと決めたものは、楽しく堂々と手放す意識も大事かもしれません。「自分が選んでそうする」と自信を持つことが、大切なのではないでしょうか。

山本 何かをやめるときは、仕方なく手放すという意識ではなく、自分で選択して前向きにやめるという意識が大切なのですね。

田中 子どもの希望や年齢によって配慮が必要ですが、そうやって選択したことなら、割り切って子どもに「私はこうしたい」と伝えてもいいかもしれません。ご自身の選択を共有しましょう。子どもだって、大人の予備軍です。親のやりたいことを理解してもらう。子どもが自分でできることはできるように促す。そういった共有をして、あなた自身は「子育てorやりたいこと」で択一するのではなく、「どちらも」両立することができると思ってみてください。

Q5.自分らしいキャリアを築いていくために、大事なことって? 

質問者:木原 ひとみ(きはら ひとみ)/転職メディア事業部 リクルーティングコンサルタント

【これまでのキャリア】
2004年新卒入社。国内中小~大手企業までのアルバイト・女性・中途領域の採用支援を行う。パーソル以外のキャリアの構成要素は“対話”“キャリア教育”“植物療法”“森”を中心において、すべての人が「自分を生きる」社会を構築すること。

【私が仕事で大切にしている価値観は……】
自分とつながり続けること。私が私であるという表現の探求と、それを社会につなげていくこと。

木原 お二人のようにキャリアを築き、やりたいことをやっておられるように、自分自身もそうしたいと考える一方で、お二人が特別だからできるのでは、と思ってしまう部分もあります。お二人のエネルギーの源はどこにありますか?

鈴木 この人はできるのに……と自分と他人を比較すると、悶々と悩むことにつながりやすいですよね。自己肯定感を高めることも必要だと思います。常に何かにチャレンジしたらすぐに素晴らしい結果を出せたり、わかりやすくキラキラした人生になったりするわけではありません。うれしいことや、やっててよかったと感じられる小さなことを積み重ねて、自己肯定感を高めていくことも大切です。

木原 そうですね。確かに、自分と他人を比べて一人で悶々と悩んでいると、次の一歩をどこで踏み出していいかわからなくなることがよくありました。

田中 そういった悩みが出るのは、目の前のことに集中し過ぎているときだと思います。もっと視野を広く。自分だけで悩まず、他の人と連帯し、悩みを共有することが大事。それから時間軸を伸ばして、「やりたいことを人生最期の瞬間までやるには」という意識も持ってみるといいかもしれませんね。

「自分で決める」を実践しよう。

イベントを通じて繰り返し聞かれたのは、目の前の選択肢を自らの意思で選ぶ大切さだ。

自分と他人を比較せず、短期的でも中長期的でも、これがやりたいのだ、これを選びたいのだと、自分で決めて進んでいく。それが自分らしくはたらくことにつながり、また「『はたらく』を自分のものにする力を」と、世の中へ呼び掛けていくことにもつながるはずである。