日本の「はたらく」をアップデート! パーソルキャリアが見据える未来とは

パーソルキャリアの新たなミッション「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」が策定されてから1年。これまでパーソルキャリアはどのように変化し、また今後どのように進化していくのか。各事業部のトップを担う4人の執行役員に、それぞれが見据えるパーソルキャリアの未来について話を聞いた。


喜多 恭子(きだ きょうこ/写真中央右)

執行役員 転職メディア事業部 事業部長 doda編集長

1999年株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)入社。派遣・アウトソーシング事業、人材紹介事業などを経て、アルバイト求人情報サービス「an」の事業部長に。中途採用領域、派遣領域、アルバイト・パート領域の全事業に携わり、2019年に執行役員・転職メディア事業部事業部長に就任。20年6月よりdoda編集長も兼任。

村澤 典知(むらさわ のりとも/写真中央左)

執行役員 CMO兼CPO経営戦略本部 本部長

大手自動車メーカー、外資戦略コンサルティング会社を経て、2018年パーソルキャリア入社。プロダクト&マーケティング本部長などを経て、現職。パーソルホールディングス株式会社と連携しながら、グループビジョンの実現とミッションの推進を加速させる「はたらく未来図構想」の構築を担当。

大浦 征也(おおうら せいや/写真右端)

執行役員 dodaエージェント事業部 事業部長

2002年インテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。人材紹介事業に従事。複数の部門の総責任者、営業本部長、事業部長などを歴任。17年より約3年間、転職サービス「doda」の編集長を務め、19年10月より現職。社外にて一般社団法人人材サービス産業協議会(JHR)キャリアチェンジプロジェクト、ワーキンググループメンバー、公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル(SHC)理事としても名を連ねる。

柘植 悠太(つげ ゆうた/写真左端)

執行役員 サービス企画開発本部 本部長/テクノロジー本部 本部長

2006年インテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。人材紹介事業の法人営業を経て、事業企画部門で主要事業の事業戦略立案・運用を推進。その後、企業戦略部門の立ち上げを経て、デジタル技術活用における基盤整備、主要事業に対するテクノロジー活用、新規事業開発などを担当、ミッション推進をテクノロジードリブンでリードする。

一人ひとりのあらゆる「はたらく」を応援する

―まずは、それぞれが担当する事業について教えてください。

喜多 転職メディア事業部は、パーソルキャリアの中で最も歴史のある転職情報サイト「doda」を運営しています。企業の求人広告を掲載し、そこへ転職希望者がエントリーする形のビジネスです。情報提供などを通して双方の活動をサポートしながら、「はたらく個人」と「人材を採用する企業」の成長を支援しています。

大浦 dodaエージェント事業部は、人材紹介のセクションです。昨今、人材紹介にもさまざまな形態が出てきましたが、企業と転職希望者の間にキャリアアドバイザーと営業が入り、採用・転職を支援することには変わりません。人が間に入ることの価値にこだわっている事業ですね。

取材当日は、内定式を実施。役員陣は「PERSOL」のオリジナルTシャツを着用し、内定者を歓迎した

柘植 私はテクノロジーを駆使して、各事業の支援をしています。役割は大きく分けて2つ。1つは、エンジニアやデザイナーといったスペシャリストが集まるテクノロジー本部で、既存事業を進化させています。もう1つは、サービス企画開発本部。新たに掲げられたミッション推進のために、新規サービスを生み出す専門集団です。

 村澤 私にも2つの役割があり、1つは経営戦略本部として売上と利益を追求しながら、ミッション推進を目指しています。もう1つが、MIRAIZ構想本部。パーソルグループ全体で転職サービスを含めたさまざまなサービスを連携させ、1つの大きな「はたらく」に関するプラットフォームを構築しています。

パーソルキャリアの組織体制図

―「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッションが策定されて1年。どんな変化が起きていますか。

大浦 目標に向けてやることが明確になりましたね。単に転職に成功する人数を追うのではなく、転職する方々がどんな気づきを得て、入社日のスタートラインに立っていただくかが重要です。そのためには、お客さまのことをどこまで知らなければならないのか、また転職希望者をどういう状態にすることが求められるのか、個人側も法人側も含めて非常にイメージしやすくなりました。以前と比べると、日々の業務に対してかなり納得感を持って仕事ができるようになっていると思います。

喜多 私たち転職メディア事業部が営業で接するのは法人のお客さまに限られるのですが、BtoBからBtoCまで意識を広く持てるようになりました。もちろん、以前もユーザーである個人を見据えていたものの、どうしても目の前にいらっしゃる法人のお客さまに集中しがちなところがありまして。あらためてミッションに「個人」の存在が前面に出てきたことで、法人のお客さまの声だけではなく、常に転職希望者を意識した発想が浸透してきています。

拓殖 その発想もあって、「doda」ではアプリの開発もどんどん進んでいますよね。従来メディアがアプリになるだけで、スマホ上で利用者の目につきやすくなり、通知機能などでアクセスを促すこともでき、レスポンスも高まるなど、提供できる価値の選択肢も飛躍的に広がりました。

喜多 日々の営業でも、法人のお客さまが掲載を躊躇される情報であっても、「ユーザーにとって必要であれば載せるべき」という提案が以前より行いやすくなりました。ミッションによって、ためらうことなく自分たちがやるべきことをできるようになったのは非常によかったと思います。

柘植 新たなミッションには、「転職」ではなく「はたらく」というキーワードが入っていますよね。転職なら既存事業を磨き込めばいいのですが、「はたらく」は「転職」だけではありません。そう考えると、足りないものだらけです。その一方で、当社は「はたらく」に関する膨大なデータを長年蓄積してきました。そこにテクノロジーが入り込めば、できることはたくさんあるともいえます。

村澤 もともと各事業には大きなポテンシャルがありましたが、ミッションによってその意識がギュッと束ねられました。今後、ますます組織としてのシナジー(相乗効果)が生まれてくると思います。

ミッションが押し進めるテクノロジーとの融合

 ―テクノロジーとの連携はかなり進んでいるようですね。

柘植 そうですね。今ではテクノロジーのチームが各事業部に入り込み、「パーソルキャリアだからできること」をテーマに、新たなサービスをどんどん作っています。

大浦 エージェント事業では、お客さまの声を聞く中で、提供したいと思う価値の幅がさらに広がっています。事業部内に設置した柘植さんのテクノロジーチームが、それらをタイムラグなくキャッチして、新たなサービスやプロダクトを生み出しています。既存サービスも同様で、自己理解を促すシステムを装着したり、世の中にある膨大な情報を整理して提供したりと、日々進化しています。

喜多 ともすると、私たちは目の前にいらっしゃるお客さまの“今の声”を聞き過ぎてしまい、数年後を見据えながら事業外の領域にまで思考を及ぼしにくい時がありました。その際でも、テクノロジーチームからは、ミッションに純粋に基づいた提案をもらえます。私たちも、テクノロジーの専門家が身近にいると、できるかどうか分からなくても「こんなことがしたい!」といった相談もしやすいですし、全く違う角度から意見をもらえるので、この体制はとてもありがたいですね。

大浦 エージェント事業には人が深く介在するので、直接対面でなければなかなか聞き出せない情報が数多く生まれます。例えば、本人が言語化しにくい希望や、本人でも気づいていない素質などは、人の力によってこそ引き出されるものです。それは今後も変わらないでしょう。エージェント事業の中心はマッチングですが、引き出された情報を基に、どういう企業に、どのような方をご紹介するか。どのような転職希望者に、どういう案件をご紹介するか。これらのマッチングには、テクノロジーの力をかなり借りていますね。

喜多 逆に、「doda」のような転職情報メディアは人が介在しないので、その中でいかに法人と個人をマッチングするかが重要になります。例えば、どういったメッセージを発信すれば、どのようなターゲットに届くかなどについては、テクノロジーによる分析が大いに役立っています。今後はさらに分析を進めて、「doda」を通じて入社した方が、ターゲット通りの方だったのか、期待通りに活躍しているか、あるいはどんな風に企業を変えているか。そういったところまで探って、マッチングの精度をさらに高めていきたいですね。

大浦 チェスの世界でも、ケンタウロスといわれる人間の思考とAIを駆使するプロ棋士が一番強いそうですが、人の力に頼ってきた事業であればあるほど、テクノロジーを掛け合わせることでアップデートできる可能性も非常に大きいと思っています。

拓殖 実はこの10年20年の間に、世の中では転職が当たり前になりましたが、私たちのビジネスモデル自体は大きく変わっていませんでした。テクノロジーチームには、従来とは少し違う思考を持つメンバーがいます。彼らの発想が、固定概念や前例をスッと飛び超えて、新しい価値観や時代を切り開くようなサービスを生み出していく。技術には、そういう力があると思っています。

近い将来、日本の「はたらく」に変革が訪れる

―5年後には、皆さんどのような未来を描いていますか。

村澤 これからは会社や組織に頼るのではなく、個人の時代です。個人でキャリアを自立的に考えることが大切であり、そのほうが「人生ハッピーだよね」という価値観を、世の中の人々にもっともっと理解していただき、浸透させたいですね。

喜多 新たなミッションも確立して、転職という枠組みから解放された今、私たちの事業をさらに進化させていきたいと思っています。おかげさまで、転職といえばパーソルや「doda」を想起してもらえるようになりました。そのイメージを転職だけにとどめず、「『はたらく』といえばパーソルだ」という状態にもっと近づけたい。今は私たちの活動領域を大きく広げられるチャンスだと感じています。

柘植 私も同様に、「いつもパーソルがそばにいる」、そんな状態にしたいですね。パーソルにつながっていると、いい情報を提供してくれる。気づきやきっかけを与えてくれる。常にその人のはたらく情報がインプットされているから、進むべきキャリアに対してアドバイスを与えてくれたり、いいタイミングで転職の案内が来たりする。個人が主体となる世の中で、パーソルのサービスを使い、自分の「はたらく」を考えながら歩むことができる。深く関わる時もあれば、ゆるくつながっているだけの時があってもいい。でも、いつもそばにいる。そんな存在になれたらいいなと思っています。

村澤 テンプスタッフの派遣サービスや「doda」だけでなく、「i-common(アイコモン)」ではフリーランスの支援もしていますし、今後は副業・兼業の支援サービスも増えてくると思います。実はパーソルには、すでに複数の「はたらく」という選択肢がかなりそろってきています。今は個々のサービスが独立していますが、それらをうまく連結させることができれば、転職希望者にとって最適な選択肢を、最適なタイミングで提供できるようになるでしょう。そうすれば、いつもそばにいる、「はたらく」といえばパーソル、という存在に近づけるはず。その可能性は十分にあると思います。

大浦 近い将来、どこかのタイミングで、日本の「はたらく」に変革が訪れると思っています。日本型雇用が抜本的に変わる。雇われる感覚もなく、転職の後ろめたさもない。学歴、年齢のフィルターも取っ払い、副業・兼業も当たり前になる世の中です。別の言い方をすれば、自らのキャリアを主体的に考えるキャリアオーナーシップが当たり前になる。パーソルキャリアがその旗振り役となって、世の中をもっともっと良い方向へ変えていきたいですね。

村澤 キャリアオーナーシップを意識する人が増えれば、前向きに仕事を楽しむ人が増えて、人材の流動化も進みます。それはまさに私たちのミッションである「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」を推進することにほかなりません。いわば、日本の「はたらく」をアップデートする。パーソルキャリアなら、それができると思っています。