新ミッションの誕生秘話を大公開!パーソルキャリアが求める「ミッションを推進できる人材」とは?

新ミッションの誕生秘話を大公開!パーソルキャリアが求める「ミッションを推進できる人材」とは?

2020.11.18 CULTURE

「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」。2019年10月1日、パーソルキャリア株式会社は新たなミッションを策定、施行した。このミッションは、いったいどのように策定されたのか。また、会社が求める「ミッションを推進できる人材」とは、どのような人を指すのか。当社の役員陣に直接話を聞いた。


峯尾 太郎(みねお たろう/写真中央右)

代表取締役社長

1970年生まれ(50歳)。中央大学理工学部卒業後、1994年株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)入社。2002年同社執行役員、10年常務執行役員を経て、16年4月に代表取締役社長就任。

 

瀬野尾 裕(せのお ゆう/写真中央左)

取締役執行役員

1973年生まれ(47歳)。法政大学工学部卒業後、人材サービス企業を経て、2000年にインテリジェンスに入社。同社派遣事業部長、および複数のグループ会社役員などを経て、18年からパーソルキャリア取締役執行役員。

 

原野 司郎(はらの しろう/写真右端)

取締役

1955年生まれ(65歳)。同志社大学文学部卒業後、1980年株式会社学生援護会入社。2003年同社常務取締役。06年インテリジェンスとの統合後、執行役員を経て、16年4月インテリジェンス取締役執行役員就任。17年6月より、株式会社ベネッセi-キャリア代表取締役社長(兼任)。

 

神田 充教(かんだ みつのり/写真左端)

執行役員・人事本部 本部長

1971年生まれ(49歳)。東京大学法学部卒業、INSEAD MBA修了。P&Gジャパン、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社、株式会社ファーストリティリング、アスクル株式会社、株式会社ストライプインターナショナルを経て、2019年2月パーソルキャリア入社。4月より同社執行役員就任。2017年に厚生労働省イクメンプロジェクト イクボスアワード2017特別奨励賞受賞。

 

パーソルキャリアのwillを実現できるミッションづくり

-まずは、新たなミッションを策定するまでの経緯を教えてください。

峯尾 以前から別のミッションは掲げていたものの、経営方針や事業展開とのつながりが十分ではなく、しかもそれが完璧かと問われれば、「うーん」と少し悩んでしまうところが正直ありました。というのも、当時は世の中の企業が定めているミッションの大半が、そのようなものだと思い込んでいたんです。一方で、不安や危機感を覚えていたのも事実。企業の規模も大きくなり、今ではホールディングス全体で4万人以上の社員を抱える大企業です。私たちが経営にどのような意志を込めるかによって、社会情勢や雇用にも影響を与える立場になりました。われわれはその立場に見合った視座の高さを保てているのか。そう自問したときに、次のレベルへステップアップする必要があると感じたことが、ミッション改定のきっかけですね。

 

取材当日は、内定式を実施。役員陣は「PERSOL」のオリジナルTシャツを着用し、内定者を歓迎した

 

原野 峯尾が抱えていたモヤモヤ感は、私を含め役員陣も皆感じていたと思います。全社が一丸となってパーソルキャリアとしてのwill(意志)を実現させるためには、誰に対してどのような価値を提供するのかを明確に示すミッションが必要なのではないか。そう感じていたところに、峯尾からミッション改定の相談があり、その場で合意しました。

 

神田 いいタイミングでしたよね。まさに同じ違和感を覚えていたので、改定には大賛成でした。ただ、パーソルキャリアだけでなくホールディングス全体、ひいては日本の雇用にも影響を及ぼす可能性のあるミッションです。われわれが心から納得できるものでなくてはなりません。そのため、課題整理やコンセプト設計のフェーズでは、外部の知見を借りつつも、最終的なアウトプットは社内で作成することにしました。こうしてプロジェクトが始動したのが、確か1年半ほど前のことです。

ミッションとは、全方位からパーソルキャリアを導くための旗印

-ミッション改定の取り組みから実際に決定するまでの道程は、順調に進んだのでしょうか?

峯尾 いやぁ、険しい道程でした……。始動したのはいいものの、いったいどこから手をつけて、どう策定していけばいいのか。言葉として掲げるだけではなく、「はたらく」ことに対する価値観自体を変えていけるような視点を持つためのミッションでありたい。事業や会社を牽引するためのミッションとは、果たしてどのようなものなのか。何度もディスカッションの場を持ちながらも、答えが見つからない日々の連続。議論が煮詰まったときには、実現したい社会を絵に描いてみるなどして、さまざまな方面から理想とするミッションの言葉を模索しました。

 

議論の際に書いたスケッチ

 

原野 この苦境を打破するきっかけをいただいたのが、とある企業で元代表を務めた方でした。その方から、「ミッションをどのように捉え、どんな役割を持たせているか」について伺う機会があったんです。その話を伺う中で、「心の底から信じられるミッションは、全社員を牽引するエネルギーの根っこになり得る」と肌で感じたのです。この感覚が得られたのは、とても大きかったですね。

 

瀬野尾 そして、ミッションが牽引してくれるのは「理念」という側面だけではありません。「提供価値や財務面、あらゆる面で、会社の指針となるものこそがミッションである」ということを気づかせていただきました。つまり、ミッションの推進を目指していけば、自然と企業としても成長でき、社会に対しても良い影響を与えられる。それが、私たちが打ち立てるべき新しいミッションの姿なんだと、役員の間で共有できました。

時代が変化し、主役が法人から個人へと変わっていく

-「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」という言葉には、どうやってたどり着いたのでしょうか?

峯尾 「あらゆる面でパーソルキャリアを牽引していく旗印に」というテーマを立てて、実際にミッションの制作に移り、議論を進める中で「キャリアオーナーシップ」をコアコンセプトに置くところまで決定しました。これは、役員陣全員が納得した「Give people the power(人々に力を与えよ)」という言葉が元になっています。この言葉が出てきたときに「まさにこれじゃないか!」と。

 

原野 「give」の部分が特にしっくりと来ましたね。「与える」「提供する」「後押しする」というのは、まさにパーソルキャリアの役割そのもの。その背景には、時代の変化もあります。人口が減少し、労働力不足はどんどん進行しています。労働人口が減る分、一人に掛かる期待も大きくなり、個人の価値が高まりつつあるのが現代です。個人の価値が高まれば、自然と個人と企業の関係も対等に近づいていきます。会社に縛られる終身雇用の慣行も崩れ始め、自分らしく働ける環境を求めて転職することが当たり前の社会がやってくる。そんな活き活きと働ける人生をサポートしていくことが当社の役割であり、それを分かりやすく言語化したミッションにしようと決めました。

 

 

神田 ただ、「与える」では、やや上から目線過ぎるかなぁと。そこで、コアコンセプトとして決めていた「キャリアオーナーシップ」と「Give people the power」をミックスして、あえて「与える」という言葉を削除した結果、「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッションがようやく完成したんです。ここまで来るのには、なかなか大変でしたが、この新しいミッションには心から納得しています。

 

峯尾 「ていねいに言語化できたな」という感覚がありましたね。ただ、対社会という観点から見ると、新ミッションを私たちが掲げるだけでは足りないんじゃないかと。そう考えて、ホールディングスに対しても、策定の背景やそこに込めた想いなどを、時代の変化といった話も交えながら説明しに行ったんです。とはいえ、法人向けの事業もあるので、個人に寄り添った新ミッションという切り口では反発されるんじゃないかと、内心ヒヤヒヤしていました(笑)。でも、最終的にはホールディングスの合意を得られただけではなく、グループビジョンも新たに「はたらいて、笑おう。」へ刷新したことで、当社の新ミッションとも強いつながりが生まれました。

新ミッションでスタートラインに立つ

-策定したミッションを推進するために行った、具体的な対策はありますか?

瀬野尾 ミッションは無事に策定できたものの、もちろんこれで終わりではありません。むしろ、ここからがスタート。峯尾の話にもあったホールディングスへの働き掛けに始まり、社内でもミッションを浸透させるための対策を次々と打っていきました。まずは、ミッションに紐づいた人事制度を新たに設計し、評価基準にも反映させることで、日々の業務でもミッションを強く意識できるように環境を整備しました。人事制度だけではなく、行動規範や業務指標も日々磨き続けています。

 

原野 ミッションを策定した後、その推進に向けて、どこまで徹底させられるか。その過程にこそ、ミッションを定めた本当の意義が表れると思っているんです。そこまでやらなければ、「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」与えることなんてできないじゃないですか。絶対にお飾りのミッションにはしない、という強い信念を持って、推進に向けた取り組みを徹底しています。

 

神田 各種制度の整備と同じように重要なのが、採用と育成。ミッションを推進し、体現していくのは社員本人にほかなりません。どんな人を採用して、どう育成していくのかは、ミッション推進に直結しているんです。そこで、採用時に応募者に対して最も強く求めるのが「矢印の向き」です。自分ではなく、相手や社会に対して目を向けているか。「自分がこうありたい」ではなく、「社会をこうしたい」がモチベーションになっているか。そうした「give」の精神をもって矢印を外に向けられる人材を積極的に採用していきたいと強く思っています。

自分の能力を過信せず、成長する姿勢があるかがポイント

-ミッション推進と人材について、もう少し深く教えてください。

峯尾 外向きの矢印とともに、当社が採用で重視しているのは「グロースマインドセット(成長型マインドセット)」です。辛い思いをするかもしれない、叱られるかもしれない。「それでも成長したいから、一歩踏み出そう」と思えるスタンスを本人が持っているかどうか、ということです。別に、やみくもに火事場に突っ込んでいけ、というわけではありませんよ(笑)。厳しく思えるフィードバックや手痛い経験も、柔軟に受け止めて成長の糧にしていこうよと。無我夢中で成長する姿勢があるかどうか、ということですね。

 

神田 見方を変えれば、重要なのは入社時点での能力だけではない、とも言えます。現在という「点」ではなく、将来まで見据えた「線」の時間軸で捉えたポテンシャルを評価したいと考えています。長い視野で見ると、入社直後から結果を出せる人よりも、一歩一歩着実に、しかし絶対に前へ進むスタンスを取る人のほうが成長できる。そんなスタンスを持った人が、当社にとっての「優秀」な人材なんです。繰り返しますが、成長のモチベーションが自分ではなく、社会に向いている人こそが、パーソルキャリアのミッションを推進してくれる人材だと考えています。

 

 

瀬野尾 自分たちが「give」する側であるのは大前提ですが、当社で働く社員一人ひとりが「はたらくを自分のものにできているか」ということも大切です。そのほうが楽しく働けるし、結果的に成長にもつながりますしね。そのためのポイントが「自分で決める」。会社に従順なサラリーマンでいるべき、という価値観はすでに時代遅れです。どんな場面でも自分で選び、決定することから逃げていては、キャリアオーナーシップを育めない。日本のGDP(国内総生産)や日本人の幸福度が上がらないのも、自分で決定権を持てていないことが原因の根幹としてあるんじゃないかなと思っています。

 

峯尾 当社では、一人ひとりが自分で決められるように後押ししていくとともに、社員が自分のキャリアを自らデザインしていける環境をつくる。必要であれば、制度や体制、事業もどんどん進化させていくつもりです。時代も個人の在り方も、すさまじいスピードで変化していくなら、それらにフィットした価値を提供し続ける。そのためにも、今は「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッション推進に、本気で向き合い続けています。

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