泥くさくとも、自らの心が躍るほうへ。事業や組織の立ち上げに向き合い続ける原動力。

泥くさくとも、自らの心が躍るほうへ。事業や組織の立ち上げに向き合い続ける原動力。

2021.01.27 PEOPLE

大手企業と勝負し、超える。そんな若くて熱い想いで就職活動をスタートさせた澤村。ところが、紆余曲折を経て自身がパーソルキャリアという規模の大きな企業に入社し、組織や事業の立ち上げを担うこととなった。その方針転換の経緯や、数々の立ち上げ経験で得た学び、そこにかける想いを話してもらった。


澤村 俊剛 (さわむら としたか)

2014年 新卒入社
タレントアライアンス事業部 i-common統括部 事業推進部 事業企画グループ

経営資源で最も根幹にある「ヒト」を深く知りたいという想いから、2014年にパーソルキャリアへ新卒入社。以来、新卒採用部、「i-common」コンサルタント、事業企画へ配属され、すべての部署で一貫して、組織や事業の立ち上げを経験。現在は「i-common」のデジタル化や、兼業・副業領域における新規事業企画を担当している。

業界トップに入るより、業界トップになる方法が知りたかった。

 -早速ですが、なぜパーソルキャリアに入社したのでしょうか?

 澤村 学生時代の私は自分の力で大手企業と勝負し、超えてやると息巻いていました。というのも、日本経済の低迷や景気悪化の要因には、大手企業の経営に問題があると思っていたからです。

 -すごい熱量ですね! しかし、最終的には規模の大きなパーソルキャリアに入社しました。

澤村 それは父の言葉の影響です。「お前、大手と勝負したいとか言っているけど、そもそも倒すべき敵のことを知っているのか?」と言われて。確かに表面だけ見ていて、実は何も知らないなと気づきました。それじゃあ勝負に挑むことすらできないだろうということで、まずは中に入ってみることにしたのです。

-企業はたくさんありますが、その中でなぜパーソルキャリアに?

澤村 それも父の言葉ですね。うちの実家は、曾祖父から続く事業をやっているのですが、「経営資源って知っているか? ヒト、モノ、カネ、情報だ。ウチみたいに金もモノもなければ、情報も古いままの企業はある。でも、人がいない企業はどこにもないぞ。経営を知りたければ、まずはヒトについて知れ」と言われて、一理あるなと思ったのです。そのヒトがビジネスのコアである人材業界を通じてであれば、効率よく企業や社会、経済の成り立ちを理解できるかもしれない。そう思い、大手×人材業界という軸で企業を探し、当社にたどりつきました。

-入社の決め手は何だったのでしょうか。

澤村 社員の皆さんが、すごく人間くさかったことです。一人ひとりが実現したい社会像を強く信じている。そのためなら泥水をすすってでも前に進むぞ! という熱量を感じました。組織の力に頼らない気概もあって、ここなら個の力を磨いていけそうだと思えたのも決め手の一つです。あとは、規模が大きいので使えるリソースは潤沢でありながらも、業界トップではないというのも私にとっては魅力でした。1位の勝ちパターンを知るよりも、差別化戦略をはじめとした、強者になるための戦略を学びたかった。祖父や父の姿を見ていても、経営者には這ってでも前へ進まなきゃいけないときがあると感じていたからです。そんなリアルな経営を学ぶために、追われる側よりも追う側を選びました。世の中の99%は追う側といわれていますしね。

 1年目でいきなり新組織の立ち上げ。しかも初期メンバーはわずか5人。 

-大手企業に挑むために規模の大きな会社を選んだ澤村さんは、今までどんな仕事を担当されたのでしょうか。

澤村 部署や担当領域は少しずつ変わっていますが、一貫して新しい組織や事業の立ち上げに携わっています。

-1年目からですか?

澤村 1年目からです(笑)。入社後に配属されたのは、人事部の新卒採用部。ちょうど西日本に拠点を立ち上げるタイミングで、その初期メンバーとして配属されました。たった5人で新規拠点を立ち上げるというのが、社会人生活のスタートでした。

-任される澤村さんは大変ですが、任せる会社側もすごいですね。

澤村 そうですよね。パーソルキャリアは、ミッション推進に向けて新たなサービスやプロジェクトをどんどん始動させているフェーズなので、こういった機会は比較的多くあると思います。当時、ナビサイトに頼らない新卒採用の在り方を確立するというミッションがあったので、パーソルキャリアという会社を知ってもらうために、あらゆる大学やゼミを回りました。ゼミ講義の枠をもらって、講師として授業も担当して。

-会社員でありながら、学生に講義で教えていたわけですか。

澤村 はい。何度も通って、やっと機会をいただくことができました。それだけ苦労して勝ち取った機会ですから、頭をフル回転させて臨みました。学生が求めているのは会社説明による一方的な情報の提供ではないと考え、あえて会社の看板は出さずに、キャリアに対する考え方の棚卸しや、集団面接のシミュレーションなど、学生にとって就職活動に役立つことだけをていねいにインプットしました。

-どんな学びや成果を得ましたか?

澤村 短期的な成果に直結したかといえば、評価は難しいでしょう。しかし、学生がきちんと自分に向き合い、納得した会社や仕事を選べる世界を実現するというのは、当社が目指しているミッション※の方向性そのものです。そうしたビジョンを上辺だけのものにせず、積極的に提案できるところが、当社の強みではないでしょうか。
社内でも学生と直接向き合える部署は希少です。これらの経験は、今でも私の貴重な財産となっています。

※ミッション…パーソルキャリアは『人々に「はたらく」を自分のものにする力を』というミッションを掲げ、すべての事業・サービスをその推進のために開発・提供している。
参照:https://www.persol-career.co.jp/corporate/mission/

 顧客の特許情報を3年分すべて読破。夢中になるうちに、少しずつ道が開けた。

 -異動して、次は「i-common」のコンサルタントになられたのですよね?

澤村 はい。最初に任されたのが、西日本拠点の立ち上げです。「i-common」は、経営課題を抱える企業に、上級役職者や専門家を紹介するコンサルティングサービスで、当時はまだメンバー30人ほどの社内ベンチャー状態で、西日本での知名度はほぼゼロでした。その拠点立ち上げを3人でスタートしました。

-今度は3人ですか(笑)。できるという確信はあったのですか?

澤村 できるかどうかは、そもそも念頭にありませんでした(笑)。サービスの可能性を信じていたので、とにかくお客さまに知ってほしいという気持ちしかなかったです。しかし、無駄に使えるリソースは1ミリもないですから、一点集中で一つずつ壁を突破していくしかない。そこで私が考えたのが「オセロの四隅戦略」です。

-オセロの四隅戦略、ですか。

澤村 はい。上司にプレゼンしました。「人数も時間も限られています。分散しては勝てません。集中して落とすべきところを落としましょう。オセロで勝つときって、四隅を取りますよね。とにかく真ん中には一切時間を使いません。『あの会社と取引しています』と言ったらみんなに通じる、というところを開拓してみせます。そこだけを担当させてください!」って。5,000億円以上の売り上げがある関西の会社に絞り、信じられないぐらい入念に下調べをしてアタックしました。

-信じられないぐらい下調べしたのですね(笑)。

澤村 はい、比喩ではなく本当にです! 製造業を主に担当していたのですが、とにかく携わる会社の特許情報を3年間分、端から端まで目を通しました。私は文系学部出身なので、最初は単語の意味が分からず、特許資料の80%ぐらいは理解できませんでした。話す機会をいただけても、当社のサービスの説明はあまりしていません(笑)。それよりも、担当する会社の製品やサービスについて語り合い、この技術が社会にどれだけ貢献しているか、また、さらに良くなるためにはこのような方策が必要ではないかという戦略を自分なりに話していたら、いつの間にか信頼していただけるようになりました。

大手で事業開発をする最大のメリットは、リソースの潤沢さ。

 -現在担当されているのは「i-common」の新規顧客開拓なのでしょうか。

澤村 今は新規事業の開発をしています。西日本拠点の顧客獲得に関しては、オセロの四隅戦略で基盤もでき、営業社員も20人を超えて何とか軌道に乗りました。そこで、退社して今度は自分で事業を起こそうと思っていた矢先に、事業部長に「ポジションをつくるから、事業を起こしたいならパーソルキャリアでやらないか」とお誘いを受けました。

-わざわざポジションをつくってまで引き止められたのですね。

澤村 ありがたいですよね。もちろん失敗を含め、今まで組織を立ち上げてきた経験や実績を評価してくれたのかなと思いますが、社員一人ひとりのことをきちんと見てくれている。そして、志向性に合った機会を提供してくれるのも、当社らしさだと感じています。

-そんな会社の期待に応えたいという思いで会社に残ったということですね。

澤村 そうです。社内でやりたいことができるなら、自分でゼロからやるよりも、リソースをたくさん使うことができます。これが規模の大きな会社で事業開発を行う最大のメリットではないでしょうか。「事業を立ち上げたい=ベンチャー」と考える人が多いかもしれませんが、資金や顧客基盤、コネクションやソリューションなどにどうしても制限がかかってしまい、結局やりたい事業ができないというケースもあります。リソースが潤沢ということは、目的に対しての選択肢が広いという意味でもある。もちろん、大規模ならではの難しさもありますが、その分、目指せる山も高くできると思います。

機会に飢えている人と一緒に、泥水をすすりながら這い上がりたい。

-今はどのような事業を開発しようとしているのか、教えてください。

澤村 はい。「i-common」はタレントアライアンス事業部に所属しています。私たちの事業部は、雇用にとらわれないはたらき方を実現する企業と人々のためにサービスを提供する部署です。ですから、副業や兼業など、これから日本でメジャーになっていくと予想される領域も、当事業部の範囲となります。また、「i-common」は来年10周年を迎えますが、時代に合わせてサービスをアップデートすることにも取り組んでいるところです。

-雇用にとらわれない、新しいはたらき方を実現するためのサービスのアップデートや、新規事業の立ち上げ。難しそうに思うのですが、そうした困難かつ未知の領域に踏み込んでいくモチベーションはどこから湧いてくるのでしょうか。

澤村 そもそも長期的な市場の動きを予測しながら、戦略を考えること自体が大好きです。それに加えて、まだ眠っているけれど貴重な才能を誰もが活かせる社会にしたいという想いがモチベーションになっています。

-そうした想いを抱くようになったきっかけはあるのでしょうか。

澤村 私自身がその一人だったのです。中学受験に合格して進学校に入ったのですが、すぐに帰宅してから朝方まで、徹夜で10時間ぐらいゲームをやって、授業中に寝ているような毎日でした。当然、成績もみるみる落ちていき、ついていけない状態に。ですが、いろいろな人に助けてもらい、這い上がるチャンスをもらいました。その機会を活かして成果を上げたら、また次の場がもらえて……という積み重ねで、今の自分があると思っています。周りで支えてくれた人々には、本当に感謝しかありません。誰であろうと、信頼して任せていただいたからには、絶対にその期待を超えたい。これだけは昔から変わらないモットーです。

-それで、将来は自分が機会を与える側になりたいと考えたのですね。

澤村 そうです。私が経験したようなアップサイクルは、まず1回目のチャンスが来ないと回り始めない。とはいえ、自分で機会をつくれる人ばかりではないと思います。ですから、どんな人でも最初の一歩が踏み出せて、その一歩から次の機会が生まれる社会にしたい。会社の中でもそういう事業に携わっていきたいですね。個人としても、エンジェル投資家※のような立場で機会を与えられる人を目指しています。

※エンジェル投資家…事業を始めようとするアーリーステージの起業家に対して出資を行う個人投資家

-なるほど。そうした支援ができれば手段は問わないと。

澤村 はい。提供機会を最大化することが目的なので、手段にこだわりはありません。また、支援というよりは、その相手と「一緒に冒険させてもらう」というイメージで捉えています。同じ目線で泥水をすすって、一緒に這い上がって行きたい。そもそも当社に入社したのも、泥くささに惹かれたから。「サポートするよ」なんて他人行儀に言うよりも、自分もチームの一員となったほうが、絶対に楽しいじゃないですか。

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