マインドマップとは?活用方法やメリットを大学生向けに解説


この記事では、マインドマップについて解説します。マインドマップの基本的な使い方や歴史、マインドマップの活用方法、そしてXmind、Coggle、Miro、Mindmeisterといった人気のマインドマップツールについても紹介しているので、マインドマップのメリットをしっかりと理解し、有効活用につなげましょう。

マインドマップについて

マインドマップとは?

マインドマップとは、情報を視覚的に整理し、アイデアや概念を関連づけてアウトプットしていくためのツールです。基本的な構造は、中心に主要なアイデアやテーマを置き、そこから放射状に枝分かれするようにアイデアや関連キーワードを紐付け、情報を整理し可視化するために使います。

マインドマップを活用することは、アイデア出し(ブレスト)の精度や記憶力の向上、情報の振り返りにも有効です。このように、アイデアの整理や視覚化、クリエイティブな思考を促すためのツールとして、マインドマップはビジネスや教育、個人の目標設定といったあらゆる場面で活用されています。

マインドマップの歴史

マインドマップの歴史は、考案者であるトニー・ブザンによって1970年代に始まりました。トニー・ブザンは、人間の脳が情報をどのように処理・記憶するかについて研究を行っていたイギリスの心理学者および教育者です。そして、脳の自然な「放射状の思考プロセス」に基づいた表現方法であるマインドマップを開発し、公に紹介したのをきっかけとして、ビジネスや教育シーンなどさまざまな分野で普及していきました。

当初は紙やボードなどの物理媒体を用いてアウトプットを行っていましたが、パソコンが普及した現代では、PC上でマインドマップが作成できるツールが豊富にあり、より多くの人が使いやすいツールへと進化しています。

マインドマップの基本的な使い方

マインドマップを作成する際は、たくさんの情報やアイデアを書き出せる大きな紙や、専用ツールを用意しましょう。加えて、紙を使う場合は複数の色のカラーペンを用意するのがおすすめです。その上で、どのように書き出していくか、作成方法を解説していきます。

中心のアイデアを設定する

中心にテーマを置く

マインドマップを作成する際は、まず中心に、メインのテーマやアイデアを言語化したものを配置します。メインテーマがマインドマップの開始点となり、すべての思考がここから放射状に広がっていく形です。また、テーマは単語~1フレーズ程度で済むような、短いものがよいでしょう。

色を使って視覚的に目立たせる

中心に置くテーマは大きく目立つように書き、色やイメージを使って視覚的に主張させましょう。そのように焦点を明確にすることで、考えが記憶に残りやすくなり、効果的にマインドマップを活用できます。

さらに後述する各ブランチの階層ごとに色分けを行うことで、脳内のイメージを具現化し、より視覚的に分かりやすいアウトプットができるようになります。

主要な枝を展開していく

キーワードを線でつなげる

マインドマップは中央のテーマから、それぞれの関連ワードを紐つけるように放射状に線を伸ばして使います。その線をブランチ(枝)と呼びます。マインドマップの中心にあるアイデアやテーマから放射状にブランチを伸ばし、それぞれに直接関連する主要なキーワードやサブテーマを書き加えていきましょう。

ブランチは曲線で書く

ブランチを書く際は、直線ではなく曲線を使いましょう。マインドマップは脳内の自由な発想やイメージを具現化するために使うツールであり、曲線的なアウトプットのほうが自然な脳内イメージにより近づけることができます。

階層を意識して作る

中央のテーマから伸びる1階層目のブランチをメインブランチ、1階層目のブランチからさらに伸びているブランチをサブブランチとして書いていきます。それぞれのブランチの数に明確な制限はありませんが、多くても6本前後をめどに書き出していくことで、きれいなマインドマップが作成できます。

また先述しましたが、1階層目のブランチおよびサブテーマは必ず色分けを行いましょう。6つに枝分かれしているのであれば、6色を使い分けてアウトプットすることで脳内のイメージを具現化しやすくなります。

つなげる・広げる

関連性の協調

異なる枝同士のアイデアやキーワードを見比べて、関連性のあるものは線や矢印でつなげましょう。そうすることで、思考の中にあるアイデアの関係性や構造が可視化され、さらに詳細なマインドマップを作成できるようになります。

拡張と調整

マインドマップにおける情報の書き足しに、制限はありません。アウトプットしている最中に新たなアイデアやテーマ、関連するキーワードが出てきたら、マインドマップに書き足していきましょう。細かいやり方にとらわれずに拡張をし、最終的に思考の整理とクリエイティブな発想の役に立つマインドマップを作れるのが一番です。

マインドマップのメリット

視覚的に情報を整理できる

マインドマップを使うことで、脳内の情報を視覚的に整理し、思考をまとめることができます。アイデアごとの関連性や関係性を明確にもできるため、脳内の全体像を可視化できるのがメリットです。これにより、複雑なプロジェクトやアイデアの構造を一目で把握できるため、効率的な意思決定や問題解決に役立ちます。また、色やイラストを用いることでより直感的に情報を捉えられるようになり、創造性が刺激されるでしょう。

アイデア発想を促進する

マインドマップは、アイデアを発想していく力を育てるためのツールとしても有効です。自由な発想かつ自由な形式でアイデアを書き足していくことができるため、クリエイティブな思考がしやすくなります。さらには、アイデアを自在に組み合わせることもできるため、新しい視点や解決策を見つけられるかもしれません。このプロセスは、チームでのブレスト(ブレインストーミング)や個人の創作活動において特に有効で、多様なアイデアを生み出す土壌となります。

学習効率の向上

マインドマップは、学習の効率化に対しても有効です。脳内の情報を図式化することで、記憶に残りやすくなる効果があります。脳が1日で記憶できる量には限界があるため、吸収した情報がこぼれていってしまわないためにアウトプットを行うイメージです。アウトプットしたマインドマップを見返すことで、学習した内容の復習ができ、深い理解へとつながります

また、マインドマップを用いることで、情報の関連性を視覚的に捉えられるため、学習内容の統合的な理解も促進されるでしょう。これは特に、複雑な科目や多岐にわたる情報を扱う際に有効です。

コミュニケーションの改善

マインドマップは、チームメンバーやクライアントなどとのコミュニケーションの改善にも役立ちます。アイデアや計画を視覚的に共有することで、認識のズレを減らし、より効果的な議論ができるようになります。

プレゼンテーションや会議でマインドマップを使用すれば、聞く側も情報を追いやすくなるため、より深い議論ができるでしょう。また、チームプロジェクトにおいては、各メンバーの責任範囲やタスクの進捗を一目で把握できるため、プロジェクト管理の効率化にも寄与します。

これらのメリットを考えると、マインドマップは個人の創造性を高めたり、学習や仕事の効率を向上させたりするだけでなく、チームのパフォーマンスを向上する強力なツールにもなり得ることが分かります。

大学生のマインドマップ活用方法

マインドマップでノートやレジュメの情報整理

マインドマップは、ノートやレジュメの情報整理をするにあたって非常に効果的です。授業や講義で学んだ内容をマインドマップ形式でノートに書き出すことで、情報の関連性や構造を一目で把握できるようになります。これにより、学習内容の体系的な理解が促進されるほか、復習による記憶の定着も助けられます

視覚的な表現を用いることで、複雑な概念や理論を簡単に整理できるため、後で見返したときの理解が容易になります。重要なポイントやキーワードを強調することで学習の焦点が明確になるため、試験勉強やレポート作成にも非常に役立ちます。

論文やレポート作成のプランニング

マインドマップは、論文やレポートの作成において、プランニング段階で大きな役割を果たします。研究の目的や仮説、主要な議論点、参考文献などの要素をマインドマップにまとめることで、論文の全体構造が明確になり、文章作成の方向性が定めやすくなります。この方法はアイデアの整理だけでなく、研究のギャップや新たな研究の方向性を発見するのにも有用です。

また、論文の各セクションに対する詳細なプランを立てる際にも、マインドマップが活躍します。論文のポイントを視覚的に整理することは論理的な流れの確保につながるため、より効果的な論文を書けるようになるでしょう。

グループワークでの活用

ブレストや複数人での情報整理など、グループワークにおいてもマインドマップは優秀なツールです。ホワイトボードや大きな紙にマインドマップを描くことで、チームメンバー全員がアイデアを視覚的に共有し、議論を深めることができます。この方法は、プロジェクトの目標設定やタスクの分配、問題解決の戦略立案など、さまざまなシナリオに適用することが可能です。

また、各メンバーの考えや提案が明確になり、効率的で生産的なアウトプットができる効果も見込めます。特にグループワークでは多様な視点やアイデアが交わるため、マインドマップを用いることでそれぞれの情報の整理がしやすくなり、メンバーの理解へとつながるでしょう。プロジェクトの進捗状況や各メンバーの責任範囲を、視覚的に追跡するのにも役立ちます。

マインドマップのツール4選

1.Xmind

Xmindは、使いやすさと機能の豊富さで知られるマインドマップツールです。多様なテンプレートの利用やカスタマイズが可能で、マインドマップのほかにもロジックツリー型や魚骨型、組織図型といったさまざまな表現を用いて図や表の作成が可能です。加えて、チャートや図、画像なども簡単に追加ができるため、自身のイメージを可視化しやすい点が魅力です。

以下で紹介する、ほかのマインドマップツールと最も異なる点は、アプリケーションをデバイスにインストールして使用できる点でしょう。これにより、オフラインでマインドマップの作成ができるようになります。ただし、チームメンバーをはじめとする他者に共有するにはファイルデータそのものを共有する必要があり、オンラインでの同時作業はできません。その点で、チームでのブレスト作業にはやや不向きといえるでしょう。

Xmindには無料版と有料版の2つがあり、ファイルや画像の挿入など、細かなカスタマイズをしたい際は有料版の利用が必須になります。しかし、無料版でも十分なクオリティのマインドマップが簡単に作成できるので、マインドマップツールを初めて使う方は、無料版から始めてみるのがよいでしょう。

2.Coggle

Coggleは、操作性や協力性、そしてシンプルな使用感に重点を置いたマインドマップツールです。ブラウザ上で直感的な操作や入力ができ、カラフルな見た目でデザイン性も優れています。複数ユーザーでのリアルタイム共同編集ができるため、個人だけでなくチームでの利用も可能です。

Coggleにも無料版と有料版が存在します。無料版では3つまでプライベート用のマインドマップが作成できるほか、ウェブ上への公開が問題なければ、無制限に作成することもできます。逆に、無料版で4つ以上マインドマップを作成すると一般に公開されてしまうので、重要な情報を扱う場合には注意が必要です。

3.Miro

Miroは、ブラウザ上でオンライン利用ができるマインドマップツールです。有料版にて無制限のキャンバスが提供されているため、チームのブレストや個人のアイデアなど、マインドマップを自由に作成できるのが特徴。また、ほかのツール同様に、ワイヤーフレームやフローチャート、ストーリーボードといった多様なビジュアルツールも展開されているのも魅力の一つです。いずれもリアルタイムの共同作業機能があるため、遠隔地にいるチームメンバーとも簡単にアイデアを共有し、プロジェクトを進めることができます。

無料版では3つのボードが作成できます。アカウントの作成も簡単で、手軽に活用できるので、マインドマップの使い勝手を確かめるために活用してみましょう。

4.Mindmeister

Mindmeisterは、ユーザーフレンドリーなインターフェースを備えたマインドマップツールです。操作性も簡単で、アイデアを追加していくたびにブランチを整えてくれるため、脳内のイメージをきれいに可視化できます。Mindmeisterにもリアルタイムの共同編集機能が備わっているので、チームメンバーとのアイデア共有やフィードバックの交換も簡単です。

無料版ではマインドマップを3枚まで作成できますが、ほかのツールと同じように、有料版にすることで無制限に利用できたり、マップを印刷できたりといったメリットが増えます。個人利用の範囲からビジネスまで幅広く使えるツールであるため、アイデアの発想やプロジェクトの計画、プレゼンテーションの作成など、多様な用途に対応できるでしょう。

まとめ

マインドマップを活用することで、アイデアの発想を促進し、学習効率を向上させることができます。脳内イメージが定まらない場合に活用すれば、頭の整理や効果的なアウトプットへとつながります。 また、チームでのブレスト時にアイデアを記録することでの理解の促進や、コミュニケーションの改善にも寄与するため、チームやビジネスシーンにおける活用も期待できます。マインドマップの基本から応用までを理解し、自身の目的に合ったツールを探してみてください。

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