アルバイトとインターンの特徴
アルバイトの特徴
はたらいた時間に対して報酬を得る目的で従事する
アルバイトは、基本的には収入を得ることを目的に従事します。「日給○○円」「時給○○円」といったように、働いた時間に応じて給料が支払われます。あくまで収入を得るための手段と考える人が多いと言えるでしょう。
仕事内容も、基本的にはそこまで頭を悩ますようなものは多くありません。もちろん、中にはアルバイトに対する期待が正社員並みに高かったり、マニュアル以上の行動を求められたりする場合もありますが、基本的には例外と考えられます。
学生だとサービス業が多い
学生がアルバイトをする場合、サービス業が多くなります。レストランでの接客やコンビニエンスストアの棚卸し業務などが挙げられます。接客は幅広い層のユーザーに対してコミュニケーションや提案をすることが求められる業務のため、コミュニケーション能力を磨くことができるでしょう。
サービス業以外には、塾講師や家庭教師、警備、イベント関係のアシスタントなど、多種多様な仕事があります。一概には言えませんが、傾向としてアルバイトは所定の業務範囲内で稼働することが多く、責任の範囲も限定的です。与えられた業務や役割を遂行することが求められていると言えます。
インターンの特徴
アルバイトが収入を目的としていることが多いのに対し、インターンは収入を得ることを主目的とはしていません。また、インターンは実際に行う業務もアルバイトとは異なるケースが多くあります。
企業や業務に対して理解を深める目的で行われる
インターンは就業体験を通して、業界や企業、そして社会人として求められる役割に対して、理解を深める目的で行われます。期間は数日から長期にわたるものまでさまざまですが、インターンを行うことで、学生のうちに「模擬体験」として企業や業務への理解を深められるのがメリットです。
就職活動を進める上では自己分析も大切ですが、業界や企業のことを知るという作業も同じくらい重要です。自身が興味のある業界や企業を見つけるためにも、インターンは有用と言えるでしょう。
学生のスキルアップ目的にも活用される
スキルアップを目的としてインターンに参加するケースも多くあります。どのような企業で行うかにもよりますが、メンバーとの折衝から調整能力や課題解決能力が身に付くこともあれば、業務の中でプログラミングスキルなどを身に付けられる場合もあります。
インターンでは、社会人とのコミュニケーション方法やビジネスに必要なスキルを学べるでしょう。
プログラムが長期と短期で分かれている
長期インターンは、1~3カ月以上継続して行うものを指します。「週に3日以上」「1日4時間以上」といったアルバイトにも近い形で、インターン先の企業に勤務します。長期インターンでは労働の対価として、給与が発生することがほとんど。実務に近いタスクを任されるなど、実践的なビジネススキルを習得できるのがメリットです。
また、ベンチャー系の企業であれば経営層との距離が近いため、会社の運営について理解する機会があるかもしれません。将来的に起業を目指す学生であれば、またとない経験を得ることができるでしょう。ただし、長期インターンは拘束時間が多くなることもあり、学業との両立で苦労するかもしれません。あらかじめスケジュールを考えておくとよいでしょう。
一方の短期インターンは、数日から1週間程度のものを指します。企業にもよりますが、プログラム内容は直接的な業務ではなく、1つのテーマに対してワークショップやグループディスカッションなどを行い、ビジネスやサービスのあり方・作り方などを学ぶ機会としているケースが多いようです。
長期インターンと比較して拘束時間が短く、学生の長期休暇期間中に開催されていることも多いため、企業研究や自己分析に利用しやすいと言えます。ただし、実際に利益を生み出す業務ではないことから、短期インターンでは給与が発生しないこともあります。
ビジネス系の業務が多い
学生が実際に従事する業務として、アルバイトはサービス業が多いと先述しましたが、インターンは営業や事務といったビジネス系の職種が多いです。そもそも、インターンの目的は「学生が社会や業界、企業を知ること」。そのため、インターンとして募集している職種は、学生向けのアルバイトに比べて多様と言えます。
「学生ならでは」の視点や考えを自社の経営に活かそうと、リサーチを兼ねてインターンを受け入れている企業もあります。よくある例としては、新商品やサービスの開発やプロモーションが挙げられます。若者向けの商品開発や提案について、学生と企業がインターンという仕組みを使って協力するのは「ウィンウィンの関係」と言えそうです。
企業が解決したい課題を持っているケースが多い
「学生の視点が必要」という意味では、企業が解決したい課題を学生が持っていて、その解決の手段としてインターンを活用するという場合もあります。例えば、「SNSの運用がうまくいっていない」「メディアの立ち上げに際してライターが不足している」「新規サービスのアイディアが枯渇している」などです。
SNSの運用については、企業担当者よりもSNSに触れる機会が多い学生のほうが、より柔軟で効果的な施策を提案できる可能性があります。大量に記事を投稿したい場合、執筆するためのリソースを社内に求めるのが難しい企業も少なくありません。企業が求める資質と学生のニーズが合致すれば、卒業後にそのまま入社する、といった可能性もあるでしょう。
学生だけでなく、募集する企業にとってもインターンはメリットがあります。連続性のある業務の中から新しいものを考えることは難しいため、学生の新鮮な目線を加えることで、思いもよらない発想が生まれ、それにより課題解決や新たな事業展開が生まれることも考えられるからです。
アルバイトとインターンの違い
学生の中には、「アルバイトとインターンは同じようなものでしょ?」「何が違うのかよく分からない……」という方もいるのではないでしょうか。
確かに、アルバイトとインターンは「働いて対価を得る」という意味では同じです。しかし、両社では概念、つまり参加する目的や業務内容が大きく異なります。それぞれ見ていきましょう。
目的が異なる
学生から見て、アルバイトは労働に対する報酬が目的ですが、インターンは業務や業界、そして社会全体を理解することがメインとなります。
大学生ともなれば、部活動費や生活費、交際費など、お金が必要な場面が増えることでしょう。そういった事情もあって多くの学生はアルバイトをしますが、アルバイト選びの基準の多くは時給や勤務時間。もちろん仕事内容を重視する学生もいますが、基本的にはアルバイトの目的は収入を得ることと考えている方が多数派でしょう。
一方のインターンは、ビジネスを体験し、自身が成長したり、社会性を身に付けたりするために行います。「お金をどれくらい稼げるか」よりも、「何を学べるのか」「どのような仕事ができるのか」といった観点がインターン選びの軸となります。
業務内容が異なる
アルバイトはマニュアル通りに仕事することが多いですが、インターンは自身で考えて動く業務がメインとなります。
アルバイトの場合、基本的には与えられたことをこなせば問題ありません。そのため、その人がどのような能力を持っているかはさほど給与に反映されず、時給、つまり「どれだけ働いてくれたか」を基準に給与が支払われます。企業を変えるような独創的な発想や行動よりも、期待される役割や業務をきちんと遂行することが望まれるのです。
一方のインターンでは、思考する必要がある業務や個人のバリューを発揮することを期待される役割が多いです。それは、学生にとってインターンの目的が、キャリア形成の一環であることが関係しています。インターンでは配属した部署やサービスなどで発生している課題に対し、論理的に解決策を考えたり、PDCAを回して改善を繰り返したりといった、難易度の高い業務を体験できるかもしれません。
アルバイトとインターンどちらがおすすめ?
似て非なるアルバイトとインターンですが、どちらを選択するのがよいのでしょうか?
どちらも経験しておくのがおすすめ
どちらにもメリット・デメリットがあるので、一概にどちらがよいとは言えません。自身の目的に合わせて選択することが重要です。時間に余裕があれば、どちらも経験しておくことをおすすめします。
アルバイトは採用ハードルも低く挑戦しやすい
アルバイトは、安定した収入を得ることができる点、働く企業や業務内容の選択肢が広い点がメリットです。長期インターンは採用枠がかなり限られており、希望する企業で働けるかどうか分かりません。経験してみたい仕事がアルバイトを募集しているなら、積極的に応募してみるのもよいでしょう。アルバイトであれば採用基準も高くなく、採用後も高度な技術や大きな成果も要求されないため、挑戦しやすいと言えます。
インターンは難易度こそ高いが実務経験が積める
一方のインターンでは、学生であるとはいえ、難易度の高い業務を任されたり、成果を要求されたりするケースも少なくありません。そのため、就活期における企業研究に役立ったり、自身のスキルを高めたり、将来のことを考えるきっかけになったりするでしょう。特に長期インターンの場合、成果次第では即戦力と認められ、内定につながることもあり得ます。
このように、アルバイトとインターンでは特徴や得られるものが異なります。
自身の目的に合わせて選択するべき
インターンは、学生のあなたが将来目指すキャリアに必要なスキルやマインドを、身をもって体験しにいく場所です。逆にアルバイトでは、対価である給与を毎月得ることが主目的になるケースがほとんど。両方を満たせる求人があれば理想的ですが、基本的には自身が働くことで何を得たいのか、その目的に合わせて選択しましょう。
まとめ
アルバイトもインターンも、それぞれメリットとデメリットがあります。就活や将来のためを考えても、一概にどちらのほうが優れているというものではありません。働く目的をしっかり考え、自分に合ったものを検討しましょう。