大学生活では、SNSを使って情報収集や交流をすることも多いでしょう。しかし、TwitterやInstagram、FacebookなどさまざまなSNSがあるため、どういったときにどれを使えばいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。SNSを利用する際は、プライバシーの確保や情報の漏洩に注意が必要です。また、SNS中毒になって勉強や人間関係に支障をきたすケースもあるので、「適度に利用すること」の重要性も意識しておきましょう。
本記事では、SNSと大学生の関係について見たうえで、利用する際の注意点について解説します。
SNSと大学生活の関係
SNSについて、「SNSについてよく聞くけど、使ってないから実際よくわからない」「SNSを使うと、大学生活は具体的にどんな感じで充実するの?」「SNSを使うことにリスクはないの?」と感じる方もいるかもしれません。
まずは、SNSと大学生活の関係について見ていきましょう。
SNSとは?
SNSとは、Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略称です。サービスに登録した利用者同士がインターネット上でがつながれる仕組みのことを指します。友人や著名人、共通の目的や趣味などを持った人のアカウントを見つけてフォローすることで、気軽に交流することが可能です。
SNSは大学生にとって欠かせないツールになっている
多くの大学生にとって、SNSはもはや日常生活に欠かせないツールと言えます。リアルタイムな連絡はもちろん、友人の近況やサークル活動の開催有無などをチェックできたり、就職活動の情報収集や人脈作りなどに活用できたりするのが魅力です。大学や教授によっては、SNSを活用して授業の予定を連絡しているケースもめずらしくありません。
SNSの活用で大学生活が充実する
SNSは情報収集やコミュニケーションツールとして非常に有益です。大学内での情報を収集する場合は大学公式のSNSアカウントや学生団体のアカウントがあり、学生生活に関する情報や、大学内でのイベント情報が発信されているものをチェックするのに活用できます。
また、授業やサークルなど、共通の話題がある人たちとつながることで交流を深められます。他にも地域や興味・関心ごとにコミュニティは多数あり、自分と共通の趣味や目的を持つ人たちと新しい関係性を築くことができます。
SNSを利用していると、話題作りにも事欠きません。「おすすめ」として出てくる動画を暇つぶしに見たり、トレンドをキャッチできたりするので、さまざまな場面で大学生活に役立つでしょう。
使い方に気をつけなければリスクも大きい
SNSでは、個人情報流出や依存症、ソーシャルハラスメント、フェイクニュースといったリスク面が取り沙汰されるケースも増えています。
特に、個人情報については細心の注意が必要です。たとえ住所や本名などを公開していなくても、アップした写真の位置情報から自宅や学校の場所を特定される危険性があります。背景に映る看板や、自分の瞳に映ったものから場所を特定されたという事例もあるため、プロフィールや投稿の中に自身を特定できる情報は書き込まない、写真を掲載する際には周りの風景にも気を付ける、といった対策が欠かせません。
誹謗中傷やプライバシー侵害といった、トラブルも多く発生しています。顔の見えない相手だからといって、好き勝手に発信しないことも重要です。
大学生におすすめのSNSプラットフォーム
続いて、大学生におすすめのSNSプラットフォームを見ていきましょう。
LINE
LINEは大学生に限らず、日本人の大多数が利用していると言われるツールです。携帯キャリアを介さずにグループで通話ができたり、リアルタイムでメッセージや多彩なスタンプや絵文字を利用してコミュニケーションを取ったりすることができます。
1対1のコミュニケーションや、グループラインといった特定メンバー間での連絡用、オープンチャットのように一つのコミュニティに不特定多数が参加する使い方もあり、連絡から情報交換まで幅広く活用できるアプリです。
Instagramは、写真や動画の共有に特化したSNSです。さまざまな情報を視覚的に取得できるため、テキストベースのSNSに比べてより直感的に情報伝達できるのが特徴です。特にファッションや美容、旅行や音楽、料理といったコンテンツに強いSNSなので、これらのトレンドを追うのに適しています。
大学生におすすめのInstagram活用方法は、自分の趣味や関心がある分野のユーザーアカウントを複数フォローし、多角的に情報を収集することです。これまで知らなかった楽しみ方を知ったり、刺激やインスピレーションを受けたりもできるでしょう。写真や動画をアップし、自分の美的センスを発信していくことも楽しみ方の一つです。
Twitterは140文字以内の短い投稿(ツイート)でコミュニケーションを図れる、リアルタイム性の高いSNSです。
日本はもちろん世界中で多くのユーザーが使っているため、さまざまな情報を手軽に収集できる点が魅力。また、リアルタイム性の高さから、鮮度の高い情報を仕入れやすいため、学術情報を含めニュースやトレンドをいち早く知ることができます。
大学や学部、専攻に特化したアカウントや、就職活動に役立つ企業アカウント、先輩や同級生の個人アカウントなどをフォローしておくことで、有益な情報をキャッチアップしやすくなるでしょう。さらに、大学以外でのつながりを作るのにも便利です。普段生活していると会えないような経営者などのビジネスパーソンと交流することもでき、自分の交友関係や価値観が広がるきっかけとなり得ます。
ただしユーザーが多い分、情報過多になりやすいので、フォローするアカウントを選別することも重要です。
TikTok
TikTokでは、数秒から10分程度の短い動画を配信できます。動画のジャンルは幅広く、ライフハック、動物、ダンス、美容、歌などのテーマが多く投稿されています。動画用のテンプレートもアプリ内に用意されているため、気軽に動画を投稿できる点も魅力です。
上記で挙げたSNSでも動画投稿は可能ですが、TikTokは動画に特化したSNSであるため、動的な表現を見たり投稿したりして楽しむツールです。ダンスや歌といったエンターテイメント性の高いコンテンツが多いことから、学生生活に役立つ情報を収集するというよりは、見ることを楽しむ側面が強いと言えます。そのため、時間つぶしなどに活用している人も多い印象です。
Discord
Discordは、テキスト、ボイス、ビデオでコミュニケーションを行うツールです。もとはゲーマー向けにリリースされましたが、現在は大学での情報共有をはじめ、幅広いシーンで受け入れられています。授業の課題やグループワークでのコミュニケーションにも適しているツールで、ビジネスにおいてはリモートワークでの打ち合わせやプロジェクト管理などにも利用されています。ゲーム、アニメ、音楽、スポーツなど、Discord内にはさまざまなコミュニティが存在し、自分の趣味や興味に合った場所を探すことも可能です。大学生の場合、自分が所属するサークルや研究グループでDiscordを利用することもおすすめです。
Facebookは基本的には実名で登録・利用します。そのため、他のツールと比べると実生活との結びつきや、実際の交流関係との関係性が深い点が特徴と言えます。他のSNSに比べてまったく知らない相手と急につながることは少なく、友人や、友人の友人などとつながるケースが多いと言えます。
グループ機能もあるので、大学のゼミや同じ趣味を持つ人たちと集まることも可能です。細かくプライバシー設定ができる点も特徴的で、「一つの情報をどこまで公開するか」などを選択・決定できます。
Facebookは企業の情報収集ツールとしても活用できます。経営者の中には、Facebook上に有益な情報を流しているケースも少なくありません。理想とする経営者からの質の高い情報は、就職活動やその後の人生においても役立つでしょう。
SNSのプライバシー設定とセキュリティ対策
SNSを利用する際に気を付けたいのが、プライバシー設定とセキュリティ対策です。そもそも、なぜ個人情報を気にし、プライバシー設定をきちんとしなければならないのかをきちんと理解し、適切に対応しましょう。
個人情報の保護とプライバシー設定の重要性
まず考えておくべき点は、SNSで公開した情報は不特定多数の人が閲覧できるという点です。SNSで氏名や年齢、住所、電話番号などの情報を公開した場合のリスクを、認識しておかなければなりません。
住所を公開すると、それを見た人があなたの自宅周りをうろついてきてきたり、ストーキングを行ったりするかもしれません。また、電話番号を見た人から振り込め詐欺などのターゲットにされるリスクもないとは言えないでしょう。
そのような被害から自身を守るには、第一に個人情報保護とプライバシー設定の重要視を認識する必要があります。
各SNSのプライバシー設定方法
プライバシー設定の具体的な方法はSNSごとに異なりますが、今回はLINE、Instagram、Twitterをアプリで使用している場合の設定方法について見ていきましょう。
LINEの設定
LINEでは、他ユーザーとつながりを作るにはIDやQRコードを伝える必要があります。しかし、IDが流出すると不特定多数から友達登録の申請が来る可能性があるため対策をしておきましょう。プライバシー管理から「友達以外からのメッセージ受信拒否」「IDによる友達登録を許可」などの設定により、想定していない相手からの接触を拒否することができます。
Instagramの設定
Instagramでは、自身の投稿を「フォロワー以外非公開」にすることが可能です。アプリを起動したら右下のアイコンをタップし、続いて右上のハンバーガーボタンと呼ばれる横三本のアイコンをタップ。「設定とプライバシー」から設定できます。
Twitterの設定
Twitterでは、通称「鍵アカ」と呼ばれるフォロー/フォロワーにのみ閲覧権限を付与できる仕組みがあります。「プライバシーと安全」の中の「オーディエンスとタグ付け」から非公開設定ができます。
アカウントの運用に際して特に怖いのは、「乗っ取り」の被害に遭うことです。乗っ取られるとアカウントに登録している個人情報をすべて取られてしまうリスクがあるため、以下で紹介する二段階認証を設定しておくことがおすめです。
セキュリティ対策:パスワード管理と二段階認証
セキュリティ対策としては、パスワード管理と二段階認証が有効です。パスワードとは、事前に設定した数字や文字、記号などを組み合わせ、ログイン時に入力することでセキュリティを確保するもの。なお、「パスワード」と「パスコード」は概念としては同一ですが、文字数や種類が限定されるものをパスコードと呼ぶケースが多いようです。
二段階認証とは、本人であることの認証を2段階経ないとツールを利用できない仕組みのことです。具体的には、スマートフォンのSMSに認証コードを送り、その認証コードをもって所定のツールへのアクセスを可能にするといった方法があります。複数のアカウントやデバイスでSNSを使いたい場合に有効な仕組みです。
不審なリンクやアカウントに対する注意
SNSを利用していると、不審なリンクやアカウントを見つけることがあるかもしれません。見つけた場合、興味本位でのぞき見ることはやめましょう。
不用意な行動をとると、ウイルスに感染したり、詐欺の被害に遭ったり、アカウントが乗っ取られたりするかもしれません。少しでも怪しいと感じたら、むやみに関わらないようにするのが賢明です。
自分の知り合いなど信頼できる相手であるか、企業公式や公認されているアカウントであるかといった点に気を付けておくと安全でしょう。
SNSでのマナーとコミュニケーションのコツ
SNSを初めて利用する際に気を付けたいのが、マナーやコミュニケーションについて。SNSでは直接対面せず、文字だけや音声、動画などでコミュニケーションを行うため、対面のコミュニケーションとは異なるマナーにも注意が必要です。
オンラインコミュニケーションの基本ルール
基本として、オンラインならではの言い回しや伝え方への配慮が不可欠です。相手の表情がわからないため、できるだけ具体的に、受け取る側が誤解なくわかるような言葉や画像を用いる必要があります。
また、相手との関係性においては、絵文字やスタンプを利用し、なじみやすい印象を与えることも効果的です。ビジネス上でフランクすぎるコミュニケーションはNGとされるケースもありますが、公開する相手に応じて適度に使用しましょう。
SNSにおけるネットマナーとは
SNSは自由に書き込むことが可能ですが、マナーを守らないとトラブルに発展する恐れがあります。相手の了承なく勝手にタグ付けして個人情報を投稿したり、自分以外の人が映り込んでいる写真を許可なく掲載したりする行為は、避けたほうが無難です。プライバシー侵害や、情報漏洩により相手を危険に晒す行為ととらえられ、損害賠償請求をされる可能性もあると認識しておきましょう。
また、LINEなどで直接メッセージを送る際には、相手の都合も考慮しましょう。例えば、深夜にしつこくメッセージを送ると迷惑になります。このように、他人のプライバシーや状況には十分配慮する必要があります。
コメントやリアクションの適切な使い方
SNSでのコメントやリアクションは、適切に使わないと相手との関係性が悪化するリスクもあります。ネガティブなコメントによって相手を不快にさせてしまったり、投稿内容の本位と異なる自分勝手な思い込みのコメントにより嫌われてしまったりするかもしれません。
基本的に、短いテキストや画像のみなどの断片的な情報だけでは、感情や考えていることを正しく伝えたり、理解したりすることは困難です。自分の考えを押し付けることなく、相手の気持ちや立場をよく考えて使うようにしましょう。
SNSでの誹謗中傷やいじめへの対処法
昨今はSNSを使った誹謗中傷やいじめも問題になっています。SNSでの誹謗中傷やいじめは被害者のメンタルヘルスに大きな影響を与えるだけでなく、法的な問題に発展することもあります。加害者にも被害者にもならないためには、正しい理解と適切な対処が必要です。
まずは、自身が被害者にならないよう、適切な設定を通してプライバシーを守りましょう。不適切な投稿に対しては、SNS上で相手に注意をすることも有効です。もし相手が反省し改善するようであれば、それ以降、その相手との間で不快な思いをすることはなくなるでしょう。
SNS運営会社には、違法な投稿や利用規約に違反する投稿を削除する責任があります。そのため、通報すれば適切な処置をとってくれることもあります。また、重大・深刻な場合には、警察に相談することも必要です。
もし被害に遭ってしまった場合は、文面をスクリーンショットしておくなど、いじめや誹謗中傷となる証拠を集めておきましょう。いじめられたという事実がわかれば、どういったものでも「まずは保存」です。
そのうえで、学校や保護者、いじめ専門相談窓口への相談を検討しましょう。また、SNSでは悪質な投稿について削除依頼を出すことも可能です。SNSを提供する公式サイトの問い合わせフォームなどから、依頼することができます。
SNS利用に伴うメンタルヘルスへの影響と対策
最後に、SNS利用に伴うメンタルヘルスへの影響と対策について確認しておきましょう。
SNS依存症とその影響
SNS依存症とは、常にSNSに投稿したり、他の人の投稿に反応したりせずにはいられなくなる症状のことです。SNS依存症になるとSNSが生活の中心となってしまい、他のことが手につかなくなったり、SNSに投稿するために危険な行為をしてしまったりするリスクがあります。SNSのせいで、家族や友人との関係が悪くなってしまうかもしれません。
軽ければ自分で完治を目指せる場合もありますが、重い場合には医師の指導や治療が必要なケースもあります。
オフラインとオンラインのバランスを保つ方法
対面的なオフラインとSNSなどのオンラインは、「どちらがよくてどちらがダメ」ということはありません。両方のバランスを保つには、常にオフラインコミュニケーションを意識することが大切です。「家族全員がリビングにいるのに、SNSでオンライン上の人とばかり連絡を取っている」「友人と食事をしている最中にスマホばかりいじっている」という場合は、まずは目の前の相手との会話を重視する意識を持ちましょう。
メンタルヘルスを保つためのSNS利用法
SNSに依存せず、メンタルヘルスを保つために、まずは各SNSを利用する目的をはっきりさせましょう。また、「いいね」やコメントの数は気になるものですが、一喜一憂しないことも大切です。
背伸びをし過ぎず、身の丈に合った投稿を行い、自然な生活の範囲で楽しむようにしましょう。
まとめ
SNSは大学生の生活に欠かせないツールです。SNSを有効活用することで大学生活は充実し、その後の社会人生活にいい影響を与えることも少なくありません。
一方、SNSではセキュリティやメンタルヘルスにおいて注意したい点も多々あります。適切な使い方を理解し、バランスよく使用しましょう。
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