起業を目指す学生の中には、「経営学」という学問が役に立つのか疑問に思っている方も多いでしょう。この記事では、大学生が起業のために経営学を習得すべきかについて解説していきます。また後半では、起業に役立つ大学・学部の選択や履修すべき講義についても紹介していきます。
起業に経営学は必要?
起業の一環として学習しておくべき
起業を目指す場合、経営学は習得しておくに越したことはありません。経営学を専攻していない起業家も多くいますが、MBA(経営学修士)を修了している起業家の割合は高く、事業の成功率を上げるために一役買っているとも言えるでしょう。
経営学は会社経営の基礎となる学問なので、学んでいないよりは学んだほうが、起業・経営を円滑に進められるのは間違いありません。大学院まではいかなくとも、学部生時代は起業を意識して授業を履修し、知識を身につけておく事が、起業を目指す大学生ができる行動の第一歩といえます。
起業には明確な目標も必要
起業する上で必要なのは、学んだ知識だけではありません。特に大事なのは、何かを成し遂げたいという明確な目標です。若い内に起業を目指す人は、勉強もしつつ目標を見つけるところから始めると良いでしょう。
仮に目標が見つからなかったとしても、経営学を学んだ経験は無駄にはなりません。将来目標が見つかり起業したくなったときに大きな力となるほか、会社員として働き経験を積んでいく過程でも役に立ちます。
MBA修了は起業の力になる
MBAとは経営学修士(Master of Business Administration)の略称で、学部よりも専門的に、ビジネスに関わるテーマを学べます。
大学院への進学は、金銭・時間の面で大きなコストが掛かるものの、修了することで得られるものはとても大きいです。経営に必要な基礎知識のほか、研究を通して、自身が興味のある分野への専門的な能力、知識をしっかりと身につける事ができます。また、リーダーとしての素質の獲得にもつながり、経営者に必要な一通りのスキルが得られます。
なお、文科省の調査によると、「実際にMBAを修了した人」や「MBA修了者がいる企業」は、経営系大学院を高く評価する傾向にあります。MBA不要論を唱える人は数多くいますが、データを見る限りでは一定のメリットがあるといえます。
起業を成功させるには経験も重要
多くの起業家は、自ら動いて得た知識を基に起業を成功させている場合がほとんどです。経営学を学んだだけで成功するわけではない、ということは肝に命じておきましょう。経営学を学び、必要なスキルを身につけたら、あとは試行錯誤を繰り返し、事業を成功に導いていくのが起業家の道といえます。
大学の講義の中には、実践を想定した演習を行えるものもあります。実際の事業とは勝手が違う部分も多いですが、事業の経験値としては大なり小なり蓄積されます。何より、リスク無しで事業の練習ができる機会となるので、大学生のうちにぜひ受講しておくと良いでしょう。
学校や学部の選択は重要?
出身大学にこだわる必要はない
起業家という広いくくりで見た場合、出身大学はさまざまです。各大学が排出した起業家の人数は、学生数が多い大学ほど多い傾向にあり、必ずしも特定の大学を出たことで起業が成功するわけではありません。東大や京大といった難関国立大は学生数に対して排出人数は多いと言われていますが、単に起業を目指すのであれば出身大学に過度にこだわる必要はないでしょう。
経営に役立つ講義は、特殊な大学を除き、多くの大学で設置されています。自分が履修できる講義を大学シラバスなどで調べておくと良いでしょう。
学部も他学部履修や聴講でOK
進学する学部についても、特別に重要視する必要はありません。経営に関連する講義には、他学部の学生でも履修・聴講できるものが多くあります。
また、起業に必要な知識は経営学や経理などの専門的な知識に限りません。どの学部に入ったとしても、特定の分野を深くまで学習し、専門的な知識が身につけば起業するための力になります。
起業を目指す上でおすすめの学問・講義
経営学の基礎系講義
経営学の基礎となる講義は「経営論」や「経営学基礎」などの名前で設置されていることが多いです。名前の通り、経営学を学ぶ上で必要な基礎知識を身につけられるので、起業を考えている人はぜひ履修しておきましょう。
会計・簿記
企業経営を行う上で、会計処理や簿記の知識は欠かせません。特に起業したてのときには他人に任せることが難しく、自身でこなすことになる場合も多いです。仮に業務を任せられる人がいるとしても、会計や簿記といったお金の知識は経営を考える上でも必須となるので、身につけておくべきといえます。
また、経営演習や研究会など、のちの学習を進める上で必須となる場合もあるので、忘れずに履修し習得しておきましょう。
企業法・商法
ビジネスをする上で、経営者が把握しておくべき法律は多岐にわたります。知らずに問題を起こしてしまった場合でも、責任を問われるのは会社のトップである起業者自身です。そうならないために、起業を目指す人は最低限の法知識を学生のうちに習得しておくのがおすすめです。
まずは、「企業法」や「会社法」といった大枠となる講義を選択すると良いでしょう。基礎的な内容なので、大学1~2年生の内に履修できる場合が多く、基礎を通じて法律を読む力がつけば、ほかの法律を理解する上でも役に立ちます。
また、「税法」や「取引法」「会計法」など、細かい分野ごとに設置されている講義もあるので、必要に応じて履修すると良いでしょう。
情報処理(プログラミング)
起業を目指す分野にもよりますが、いわゆるIT系であればプログラミングを学んでおいて損はありません。主な業務はエンジニアが担当するとしても、起業者自身に知識があれば業務がスムーズに進みます。
サービスをまるごと構築するような凄腕プログラマーを目指す必要はありませんが、流れを理解し簡単なコードを書けるぐらいまでは習得しておくと、トラブルを未然に防ぐことができます。また、起業したてのときは経営者自身がプログラムを書くことも珍しくないため、しっかりと能力をつけておいても損は無いでしょう。
プログラミングを習得する講義は、学生のレベルに応じて幅広く設置されていることが多いです。まったく分からずついていけない場合や、逆に初歩的すぎて時間の無駄になってしまう場合もあるので、よく確認して自分の能力にあった講義を選択しましょう。
経営演習・研究会(ゼミ)
経営に必要な基礎知識が一通り身についたら、あとは演習系の講義や研究会で深く学んでいくのが良いでしょう。学習できる内容は、大学や講義によってさまざまなので、シラバスや教授、先輩の話などでよく情報を収集して選択しましょう。
なお、経営系の研究会や演習となると、大学・学部によっては設置されていない場合も多いです。大学3年生以降で起業を真剣に考えるようであれば、経営系の学部への転部や大学院への進学、あるいは実際に起業して実践しながら身につける、などを検討してみましょう。
まとめ
- 起業に経営学は役に立つ!
- 時間とお金に余裕があればMBA修了も目指したい
- 勉強するだけでなく経験を積むことも大事
- どの大学や学部にいても起業を目指すことはできる
大学生が起業を目指すなら、経営学を始めとする学問は一通り習得しておきましょう。ただし、実際に起業・経営を通じて得られる経験も大事です。どちらかに偏らず、バランス良く経験して、能力をつけることを目指しましょう。
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