大学の学部の特徴と選び方について解説!


高校生活を過ごす中で、「大学選びに迷っている」という方も多いのではないでしょうか?大学は全国に800以上あり、それぞれにさまざまな学部があるため、「自分がどの学部に行けばよいのか」「それぞれの学部にどういった特徴があるのか」は大学受験前によく調べ、考えておく必要があります。

本記事では、大学の学部選びの重要性や主な学部の特徴、学部の選び方について解説します。

大学の学部選びの重要性

大学を選ぶ際には、入学をゴールと認識してしまうかもしれません。しかし、大学入学前よりも入学した後のほうがずっと長いです。大学の学部選びが今後の人生に大きく影響を与える場合もありますので、しっかり向き合って決めるようにしましょう。

まずは、学部選びの重要性について解説します。

少なくとも4年間専攻することになる

大学ではその学部の専門分野だけを学ぶわけではありませんが、単位認定や必修・選択科目などは学部の専攻分野がメインです。そのため、4年制大学の場合、少なくとも4年間は自身が選んだ学部に関する授業を学ばなくてはなりません。

大学の授業ではただ授業に参加すればよいというわけではなく、テストや論文、実験、ゼミなど、主体的に取り組まなければならないものも多くあります。

4年間は非常に長いので、まったく興味がない学部に入ってしまうと、授業の内容が身につかなかったり、単位を取るのに苦労したりするでしょう。

選んだ学部でキャリアに影響が出る可能性も

必ずしも学部が社会人キャリアに紐づくわけではありませんが、学部で一定の基礎を学んでいないとスタートラインに立てない分野・職種も少なからずあります。例えば、医学部や獣医学部、薬学部などの専門性が高い学部の卒業生でないと希望する仕事に就けないケースもあります。また、メーカーの研究職は理系の募集が中心で、文系では就職が困難だったりもします。

自分が将来なりたい職業やどんな暮らしをしたいかなどをイメージした上で、そうなるために「大学で何を学ぶべきか」を考えることが大切です。

履修計画や転部・転科次第で方向転換はできる

結果として学部選びを失敗したとしても、入学後に方向転換ができないわけではありません。具体的には、入った学部での履修計画で可能な限り自分が学びたい分野を学んだり、転部・転科という手段を選択したりすることが可能です。

履修計画では、大学では他学部履修がある程度認められている場合があります。どの程度できるかは大学によりますが、履修して単位が取れるケースもあれば、単位は取れないが出席は可能など、パターンはさまざまです。

また、同じ大学の中で学部を変える「転部」や、学科を変える「転科」という選択肢もあります。転部や転科は大学によってできない場合もありますが、転部・転科すれば入学時とは異なる学部・学科に在籍できます。

履修計画の見直しや転部・転科の制度は大学ごとに異なるため、詳細は学生課に確認しましょう。

主な学部の一覧と特徴

長い大学生活の間、勉強の中心はどの学部に所属するのかによって大きく異なります。主な学部の一覧と、その特徴について確認しておきましょう。

文学部

文学部では「人間」を研究対象とし、本質を探っていきます。文学部といっても分野はさまざまで、言語、文化、哲学、歴史、考古などを学びます。

文学部で学ぶことは、同じ文系の法学部や商学部などと比較すると実社会に即しているものばかりではありません。そのため、「就職に不利」と言われることもあります。しかし、一般的な企業に就職するのであればさほど不利になることはありません。

むしろ、文学部は特定の分野に特化はしづらい反面、さまざまな職業に広く対応可能な学部とも言えます。

法学部

法学部というと「法律を丸暗記しなければならない」というイメージがあるかもしれませんが、それがすべてではありません。法学とは社会で起きている問題を法律に則って適切に解決すべく、その技術を習得する学問です。そして、法学部では法律に限らず、行政学、政治学なども学びます。

法学部は弁護士や検察官などの法律家を目指す学生も少なくなく、全体的にまじめな雰囲気です。また、成績の評価も出席数などは考慮せず、テストだけで判断される場合が多いのも特徴と言えます。

法学部を卒業した学生の就職先としては、公務員や一般企業、そして弁護士や検察官などの法律家が多いです。法律は企業経営にも不可欠なので、一般企業の業種は多岐に渡ります。

経済学部

経済学部では、家計から企業、国、そして世界までを対象に、ヒト・モノ・カネの動きを理論やデータを用いて分析します。経済学部では、経済理論、経済政策、経営学などを学ぶので、数字に強かったり、お金に興味があったり、起業に興味があったりする方には向いているでしょう。

経済学部を卒業した後は、銀行などの金融業界や商社・メーカーなどの一般企業へ就職するケースが多いと言えます。ただし、日本や世界の経済の動きや経営に関する知識などは幅広い業界で共通して必要とされるので、さまざまな業界へ就職しています。また、公務員や公認会計士、税理士などとして活躍する卒業生も少なくありません。

商学部

大学の商学部は、企業と消費者を結びつける商業取引について学ぶ学部で、ビジネス、マーケティング、会計などの分野をカバーしています。商学はビジネスと直結し、事業戦略や販売戦略などの企業活動と密接に関連しています。経済学部とは関連性がありますが、経済学が社会全体に注目するのに対して、商学は主に企業取引に焦点を当てています。

商学部を卒業した後は、総合商社や金融業界、メーカーなどに就職するケースが一般的です。また、一部の卒業生は国税庁などの公務員としても活躍しています。商学部で学んだお金の流れや経済に関する知識は、幅広い就職の選択肢を提供してくれるでしょう。

教育学部

教育学部はその名前が示す通り、教育に関する学問を学ぶ学部です。教育理論、心理学、教育方法などの分野をカバーしています。

多くの学生が、将来的に教員を志望して教育学部に進学します。教育学部と聞くと「教員免許を取得するための学部」というイメージがあるかもしれませんが、学科や課程によっては教員免許を取得できないケースもあります。教員免許を取得したい場合は、事前にしっかりチェックしておきましょう。

教育学部は、「人間」と向き合う学問です。そのため、人や教育に興味がある方には適した学部と言えます。先述したように多くの卒業生が教員になる道を選びますが、一般企業への就職も少なくありません

社会学部

社会学部は、さまざまな社会現象を科学的に分析し、それぞれの切り口から社会学、心理学、観光学、人類学などの分野を学ぶ学部です。社会と人間の関係性をテーマにした社会現象を多角的に研究しますが、個人から国家レベルまで幅広い範囲を対象とします。

社会学部にはさまざまな目的や考えを持つ学生がいることから、学部内の多様性が一つの特徴と言えます。社会学部で身につける力は多方面で活かせるため、就職先も多岐に渡ります。一般企業や公務員、NGOやNPOなど、幅広い分野で社会学部の卒業生が活躍しています。

理学部

理学部は自然科学に焦点を当てた学部で、物理学、化学、生物学、地球科学などの分野があります。自然現象や物質の本質を科学的に追求し、実験や観察を通じて理論を構築します。

理学部の特徴は、論理的思考や実験的なアプローチを駆使して問題を解決する能力を養うことにあります。数学やデータ解析も重要なスキルとして求められることから、卒業生は研究者やエンジニア、医療関係者など幅広い職業に進みます。また、最先端の科学技術や環境問題など、社会課題の解決に貢献する存在となることも期待されています。

理学部の学生は、学生時代に学んだことをそのまま生かせるような、化学メーカーや半導体メーカーなどに就職する傾向があります。他にも、金融業界やIT業界の一般企業はもちろん、教育業界も就職先として人気です。

工学部

工学部は物理学や化学、自然科学、数学などを基礎として、機械工学、電気電子工学、情報工学などを学びます。環境や経済などへの影響も考慮しつつ、ものづくりによってより豊かな社会を実現するための力を身につけられます。

理学部と工学部は似ていますが、自然現象を解明していく理学に対し、工学は理学の知見を活かしてものづくりを行う点が違いの一つです。

工学部卒業後の就職先としては、情報データを扱うシンクタンク、機械・電機関連・化学関連などの各種メーカー、ゼネコンなどの一般企業が人気です。他にも、公務員の技術職など、大学で学んだ専門知識が活用できる職種に就職するケースが多く見られます。

農学部

農学部のキーワードは「人と自然の共生」です。農業の維持発展を目指し、農業科学、生物科学、環境学などを学びます。農作物そのものや農作物が育つ環境の改善について研究したり、将来農作物を売るときのために経営学を勉強したりもします。

農学部は、実習が多いも特徴の一つです。植物や動物の適切な管理方法や、山に入って行う調査などを学ぶためには、実習が欠かせません。体力的に大変な面もありますが、同級生と協力しながら作業をするため仲は深まりやすいでしょう。

農学部を卒業した後の就職先としては、やはり食品メーカーなどの農学に関連する一般企業への就職が多いです。中には、農林水産業に入省する方もいます。

医学部

医学部では医学、看護学、薬学、歯科学などを学びます。医学部といえば「医師を養成するための6年制学部」というイメージが強いかもしれませんが、それ以外にも看護・保健・栄養・生命科学などを学べるところも少なくありません。

とはいえ、やはり医師を目指して医学科に通う学生は多く、医師免許を取得した後は大学付属病院などで研修医として勤務するケースが基本です。そして、この研修医の間に自分が進みたい診療科(内科・外科・皮膚科など)を正式に決める流れが多いと言えます。

芸術学部

芸術学部では、音楽、演劇、美術、デザインなどのクリエイティブな技術や技法を学びます。どの分野でもクリエイターを目指すための考え方やスキルを学ぶのはもちろんですが、ビジネスとして通用する芸術や、学問としての芸術も勉強できます。

芸術学部を卒業した後は、デザイン事務所やメディアコンテンツ制作、芸能、イベント関連の企業への就職が多いでしょう。教員や絵画教室の講師などになる道もあります。

大学の学部の選び方

今回紹介しきれなかった学部も無数にあり、大学の学部は多種多様です。最後に、後悔しない学部の選び方について見ていきましょう。

自分の興味の持てる学問を選ぶ

最も重要なのは、自分の興味・関心の対象となる学問を選ぶことです。「好きこそものの上手なれ」という言葉が示す通り、興味があるからこそ勉強もはかどり、将来好きなことを仕事にできる可能性が高まります。反対に、自分がまったく興味も知識もない学部に進学してしまうと、勉強が身につかず、日々の講義を苦痛に感じてしまうかもしれません。

自分が興味のあることは何なのか、そして興味のあることをより深く、広く学べる学部はどこかを考えてみましょう。

将来のキャリアを見据えた学問を選ぶ

必ずしも学部が将来のキャリアに影響するわけではありませんが、一定の連続性はあります。法律関係に進みたければ法学部、教員になりたければ教育学部、医者になりたければ医学部を目指すことが自然な選択とも言えます。

もちろん、「いきなり将来と言われても困る」「現時点では特に何も目指していない」という方も少なくないでしょう。その場合は、幅広い分野を学べる学部や、将来の選択肢が比較的広い学部を選ぶと、後悔するリスクを減らせるかもしれません。

合格難易度(偏差値)で選ぶ

同じ大学でも、学部によって偏差値は異なります。そのため、どうしても行きたい大学がある場合は、偏差値が他学部に比べて低めの学部を選択するのも手です。学部選びは大学生活を影響づける大切な要素ですが、就職する際は「どこの学部か」よりも「どこの大学か」のほうが重視される側面もあります。

昔から憧れている大学にどうしても入りたい場合、戦略として合格しやすい学部を選ぶのもよいでしょう。

苦手な分野を選ぶ場合は覚悟が必要

好きで得意な分野の学部に入学すれば、入学後の講義も理解しやすく、単位取得にもそこまで苦労しないものです。しかし反対に、例えば理系科目全般が苦手なのに工学部を選ぶとなると、入学後に基礎レベルにおける周囲との差が浮き彫りになり、苦労することも考えられます。

自分を鍛えるチャレンジとしてなら悪くないかもしれませんが、あらかじめ覚悟しておく必要はあるでしょう。

まとめ

大学の学部選びは、大学生活の数年間だけでなく、場合によってはその後の就職や人生に影響を及ぼす非常に大切な選択です。

今回紹介した学部の特徴や選び方などを確認し、後悔がないようにじっくり検討しましょう。

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