外資系企業とは?特徴やメリット/デメリット、向いている人など解説


外資系企業と聞いても、なんとなく「海外に関係する企業」というくらいのイメージしかなく、定義や日本企業との違いをきちんと理解できていない方は多いかもしれません。

外資系企業は日本の企業とさまざまな違いがあり、向いている人もいればあまり向かない人もいます。本記事では外資系企業の定義を確認したうえで、特徴やメリット・デメリット、向いている人について解説します。

外資系企業とは?

「外資系企業」という言葉は広く知られていますが、定義を正確に理解している方は意外に少ないかもしれません。まずは外資系企業の定義と、日本の企業との主な違いについて見ていきましょう。

外資系企業の定義

外資系企業という言葉の定義は各法令などにより異なりますが、以下では一般的な定義について確認していきます。

外国企業の資本が入っている会社のこと

外資系企業とは、外国の資本が入っている企業のことです。外国の資本とは「企業に投資されているなかの日本円ではないお金」のことで、多くの割合を外国資本が占めている企業を外資系と呼びます。ここで言う「多く」がどの程度なのかについては、経済産業省が「外国資本が30%以上含まれる企業」を対象に外資系企業動向調査を行っていることから、「30%以上」が一つの定義になると言えるでしょう。

外国企業の日本法人のみとは限らない

外資系企業の形態は多岐にわたります。一般的には、外国企業が日本で直接会社を設立する場合の日本法人がありますが、この他にもさまざまな形態が存在します。例えば、日本企業と外国企業が共同出資して新たな会社を設立するケース特に外国企業の出資比率が高い場合、その企業は外資系企業として分類されることがあります。

また、外国企業が日本の企業を買収した場合も当てはまります。そのケースでは経営の主導権が外国企業に移るため、会社の制度やカルチャーが大きく変化することもあるでしょう。とはいえ、戦略的な要因により買収後も日本企業が経営の主導権を維持する場合もあります。

日本の企業との主な違い

外資系企業と日本の企業では、言語や報酬、評価制度などに多くの違いが見られます。

社内言語の違い

社内の公用語が英語であるケースもあり、そういった外資系企業では語学力が必要になることもあります。特に社内でのポジションが経営陣に近くなるにつれて本国の社員とのコミュニケーションが発生するため、英語力が必要になるでしょう。ただし、外資系企業でも日本国内向けの事業を展開している部署では、英語が必須でない場合もあります。

報酬体系の違い

日本企業は月給制をとりますが、外資系企業では年俸制を取る企業が多いと言えます。年俸制とは1年間の報酬をあらかじめ決定し、それを12等分して毎月支払う方法です。年俸に加えてインセンティブを出している企業も多く、成果に応じた追加報酬を得られる可能性もあります。

評価制度の違い

日本企業では年功序列制を採用している企業が多いですが、多くの外資系企業は実力主義(成果主義)です。年齢や性別に関係なくパフォーマンスが評価されるため、成果を出せれば誰にでも昇進や昇給のチャンスがあります

配属スタイルの違い

外資系企業の多くはジョブ型雇用です。ジョブ型雇用は、企業内でのポジションや部署に合わせて該当するスキルや経験を持った人材を採用・配属する形式のこと。適材適所ですぐに成果を上げることを目的としたスタンスです。

一方、日本では新卒一括採用の文化からメンバーシップ型雇用を採用している企業が多くあります。有望な人材を一度に多く採用してから配属を行い、その後のパフォーマンスに応じて配属先を変えていくスタイルなため、勤続年数が長くなる傾向があります。

必ずしも当てはまらない企業がある点に注意

ここまで日本企業と外資系企業の違いを説明してきましたが、すべての企業にこれらの特徴が当てはまるわけではありません。例えば、近年ではジョブ型や実力主義を導入する日本企業も増えてきています「日本企業はすべてメンバーシップ雇用や年功序列」と決めつけてしまうと、視野が狭まり、満足のいく就活ができないかもしれません。

必ずしも上記の特徴が外資系のみとは限らないという点は認識しておきましょう。

外資系企業の特徴、メリット

外資系企業で働くことで、日本企業ではあまりないメリットを体験できる可能性があります。以下、外資系企業の特徴とメリットを見ていきましょう。

報酬が高めに設定されている

一般的に、外資系企業は報酬が高めです。それは実力主義をベースとしているため、優秀な人材には高い報酬を支払うスタンス、あるいは実際の成果に応じてインセンティブを付与するといった面から報酬が高くなっていることが理由と考えられます。さらに、世界各地で事業展開を行っている外資系企業の場合は、資本力が高いことも影響していると言えそうです。

グローバルな挑戦がしやすい

外資系企業は外国に本社があるため、純粋な日本企業に比べてグローバルな仕事に関われる機会が多くあります。日常的に国内と国外を行き来したり、日本にいながら多国籍の社員と一緒に仕事をしたりするなど、世界に対して目を向けやすい環境があります。

実力・結果主義のキャリアアップ

外資系企業の多くは終身雇用制ではなく実力主義を採用しています。年齢や社歴などに関係なく、成果を出せるかどうかが評価基準。そのため、スキルのある人はどんどん給与も上がり、評価されやすいと言えます。成果を出すことにこだわれるモチベーションがある人にとっては、非常にやりがいのある環境です。

ダイバーシティへの取り組みが積極的

ダイバーシティとは多様性を意味する言葉で、年齢や性別など異なる属性を持つ人々が共存する状態を指します。さまざまなバックグラウンドを持つ人材が同じ業務に関わり、主張や尊重をし合っていくことでより価値の高い成果を創出できるという考え方です。

外資系企業にはさまざまな国籍のメンバーが所属しているため、多様性を重視することも求められます。そのような中で仕事をすることで、自身の価値観をアップデートできるでしょう。

個人主義な働き方をしやすい

外資系企業は個人主義の考え方を持っており、それぞれがどれだけの仕事を行うかを明確にしています。そのため自身の仕事に集中し、より大きな成果を出すことにリソースを割けるというのがメリットです。仕事のメリハリをつけやすく、仕事と休みをしっかりと分けたワークライフバランスを確立させることも可能です。

外資系企業のデメリット

外資系企業は日本の企業と異なる特徴を持つため、働くうえで注意したほうがよい点もあります。

言語の壁にぶつかる可能性がある

外資系企業では、社内公用語や本国の上司との会話が英語であることも少なくありません。上司に限らず、外国人の同僚との会話や、本社とのリモート会議、メールなどで英語を使う機会も多くあります。そのため、英語がまったくできないと言葉の壁にぶつかる可能性があります。

特に英語に苦手意識を持つ人にとっては、高いハードルであると言わざるを得ません。

異文化コミュニケーションが求められる

外資系企業には多様な人材、多国籍な人材がいます。そのためコミュニケーション文化の違いによる障壁も日本企業よりは多く、日本では重視される「空気を読む」という文化が伝わらず、意思疎通がうまくいかない――といった事態にもなりかねません。

さまざまな国籍の人と働く場合、言語のみならず、ビジネス(商習慣)や物事の考え方が異なることをきちんと受け入れるとともに、日本の文化を是とすることに固執せず、歩み寄る姿勢が大切です。

業務量やクオリティが高水準で求められる

外資系企業では日本企業よりも比較的高い生産性でパフォーマンスを出すことが求められるため、プレッシャーも大きいと言えます。成果を出せれば評価につながりますが、その逆も起こり得るため、プレッシャーに打ち勝つバイタリティが欠かせません

高い専門性を持っていることが前提となる

外資系企業では、ジョブディスクリプション(職務記述書)による職務定義が明確なため、特定領域における専門性が求められます。ジョブ型雇用で成果主義というスタンスであるため仕方ない部分ではありますが、要求される知識量やスキルレベルに満たない場合は当然評価されません。

評価制度がドライであることが多い

日本では解雇規制があるため、外資系企業といえども従業員を簡単に解雇することはできません。とはいえ、アメリカほどではないものの、部門の統廃合により部署の人員まるごと解雇されるケースもあります。最近では、テック系企業でこの流れが続きました。評価制度もドライであることが多いため、会社から高評価を得られないと解雇されるなど、雇用の安定性は高くありません。

外資系企業に向いている人の特徴

就活するうえでは、自分の「向き・不向き」も考慮すべきでしょう。以下では、外資系企業に向いている人の特徴について解説します。

コミュニケーション能力が高い

積極的な意思疎通や主張、また相手への尊重といったコミュニケーションスキルは、個人主義の基本スタンスがある外資系企業においても重要です。外資系企業では異なる文化圏の人材が集まっていることも多く、価値観や考え方も大きく違うケースがあります。そのような中で、積極的に主張・調整できるコミュニケーション能力を持った人は向いていると言えます。

自発的な行動ができる

外資系企業では丁寧に教育されるのではなく、即戦力としてパフォーマンスを発揮することが求められます。そのため、自分の仕事に主体性をもって、効率的に進められる人は外資系企業に向いています。

各自に任された仕事はしっかりとこなしつつも、人からの指示や意見をただ待つのではなく、自分の考えをもとに行動することが大切です。

グローバルな環境で活躍したい

外資系企業は国境を越えたビジネス展開が日常であり、グローバルな環境でのキャリアを望む人にとって魅力的です。異なる国々や文化と接する機会が豊富であり、新たな視点やアイデアを獲得し、自己成長を促進する環境が整っています。また、異なる市場でのビジネスを経験することで、広範なスキルセットを磨くチャンスも与えられますグローバルな環境でチャレンジしたい人にとって、外資系企業は理想の選択肢と言えるでしょう。

英語や外国語が得意

外資系企業では高い語学力が必要です。英語が主流ですが、企業によっては中国語やドイツ語など、さまざまな言葉がビジネスで用いられます。

外資系企業では、同僚や取引先と外国語で交流するシーンも多いです。円滑に仕事をするためにも、英語や各種外国語が得意なほうが向いていると言えるでしょう。

まとめ

風土や働き方、評価制度など、外資系企業と日本企業にはさまざまな違いがあります。日本企業と比べると報酬が高い傾向にあり、グローバルな挑戦がしやすいというのも外資系企業の魅力です。

「語学力に自信がある」「実力主義の中で自分を試したい」といった場合は、外資系企業を検討してみるのもよいでしょう。

パーソルキャリアの新卒採用エントリーはこちら!

パーソルキャリアは“人々に「はたらく」を自分のものにする力を”というミッションのもと、「doda(デューダ)」をはじめとする国内最大規模のHRサービス等、はたらく人と組織に関わる幅広い領域のサービスを展開している会社です。

社員一人ひとりが”キャリアオーナーシップ”を持って自分のキャリアを自ら切り開き、大手ならではのリソースを駆使しながらもベンチャーのような裁量権を持って顧客の本質的な課題を解決をしています。

  • ビジネス総合、プロダクト企画、エンジニアなど希望する職種コース別に採用選考を実施中!
  • 気軽に就活対策、企業研究ができるイベントを多数開催中!

 

新卒採用サイトの説明画像