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「5年後・10年後の自分」とは?面接で伝えるための例文付き


就活の面接では「あなたは5年後、10年後にどうなりたいですか?」と問われることがあります。少々抽象的な質問で意図が読めず、どのように答えたらよいか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。また、1年後にはたらいている姿もイメージできないのに、5年後、10年後は想像もつかないと思ってしまうかもしれません。

本記事では、採用担当者が面接で「10年後の自分」「5年後の自分」に関する質問をする理由と、その問いに対する考え方や面接での伝え方などを例文付きで解説します。5年後、10年後の自分について考えを深めたい時にぜひご覧ください。

企業が5年後、10年後の自分を質問する4つの理由

キャリアビジョンを知るため

面接で「5年後、10年後の自分」について質問をするのは、あなたのキャリアビジョンを知りたいと考えているからです。つまり、将来自分がしたい仕事や、身につけたいスキル、就きたいポジションなど、どのようなキャリアプランを持っているかを確認したいということです。これに答えるためには、5年後、10年後のなりたい姿を具体的に説明し、どのように必要な能力や経験を獲得するのかを話せるようにしておく必要があります。なりたい姿の例としては、一つのことを極めてその分野のスペシャリストになりたい、あるいは幅広い知識や経験のもとチームをまとめるゼネラリストになりたい、などです。

熱量持って取り組めるかを知るため

5年後、10年後の自分について聞く場合は、会社をどのくらいの理解しているか、熱量を持っているかを知りたいと考えていることもあります。企業としてはできるだけ長く働き、会社へ貢献してもらいたいと考えています。そのため、就活時のモチベーションをどれだけ長い期間保ってくれるのか、業務への興味関心がどれだけ本気であるかを確認したいということです。

今は熱量高く取り組めるとしても、数年後にはまったく別のことに興味関心が移っている可能性がある、というような印象を持たれないように業務の発展性をイメージして考えましょう。

仕事に対する理解度を見るため

仕事の具体的な業務内容を正しく理解できているか、確認することが理由の場合もあります。志望する企業の業務や事業方針を適切に理解していれば、5年後、10年後の姿を具体的に説明できるだろうという意図です。しかし、将来を正確にぴたりと当てる必要はまったくありません。志望する企業を含めた関連業界が5年後、10年後にどのように変化していくのか、仮説を立てた上で、企業や自分のためにどのようなキャリアが必要なのか考えましょう。

④企業との相性を見極めるため

採用担当者はできるだけミスマッチを防ぎたいと考えています。あなたの将来像がどんなに素敵でも、企業の目指す未来と食い違っている場合、相性はよくないと判断せざるを得ません。さらに、あなた自身も自分のしたいことができずに、肩身の狭い思いをすることになるかもしれません。

例えば、あなたが早く裁量権を得て仕事をこなしていきたいと考えている一方で、企業は10年かけて人材を育成していく方針であれば、あなたと企業で考え方が異なるため、すれ違うことは必然です。採用担当者は「5年後、10年後の将来」の質問を指標とすることで、企業で実現できることとあなたの実現したいことを比較し、隔たりがないか確認しようとしています。

5年後と10年後の質問に違いはあるのか

期間の違いを意識

それぞれの期間で明確な違いはありませんが、キャリアビジョンや業務内容によって5年後、10年後の自分のなりたい姿は変わってくるでしょう。例えば、既存社員の経験から、ある企業では5年後は若手として一人で仕事ができるようになる、10年後は部下ができて中堅社員としてマネジメント能力が必要になる、などと予想できます。このようなキャリアプランを描いた上で、それぞれの時系列を意識した回答ができるとよいでしょう。

重要なのはキャリアプランを立てているか

上記でも説明しましたが、道筋の通ったキャリアプランが立てられているかが重要です。完璧なキャリアプランである必要はありませんが、5年後10年後の自分だけでなく、さらにその先の人生、ライフプランと仕事がどう結びついているか、とロジカルに物事を考えられていると良いでしょう。

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5年後、10年後の自分の考え方

自己分析をしてキャリアの軸を考える

将来を考えるためには、現状の把握が欠かせません。将来のなりたい姿が決まっている人は、現状とのギャップを埋めるため、決まっていない人は将来したいことを決めるために、自己分析は非常に有効な手段です。これまでの経験や考え方を振り返り、自分の強みや弱みを整理することで、理想のキャリアが見えてきます。キャリアの軸は人によってそれぞれ異なり、正解はありません。キャリアを考える上で「これだけは譲れない」とあなたが大切にする価値観を明確にすることで、将来を語れるようになっていきます。

企業研究をする

企業説明会に参加する

自分の価値観が企業の方針と一致しているか確認するためには、企業の情報を収集する必要があります。そこで、情報収集のために企業説明会に参加してみましょう。企業が求める人材やキャリアのロールモデルなど、有益な情報を得ることができます。実際にはたらいている社員と交流できる機会でもあり、直接質問をするチャンスもあるはずです。ぜひ積極的に参加しましょう。

採用サイトや企業のHPを見る

採用サイトや企業ホームページを見ることでも、企業の情報は得られます。特に企業の方針や事業領域、今後拡大していく事業、縮小していく事業などについて定量的に分かりやすくまとまっていることが多いでしょう。就活で将来について話す際には、これらの具体的な数字を含めながら自分の考えを伝えると、とても説得力のある話をすることができます。

OB・OG訪問をする

OB・OG訪問とは、興味のある業界や企業ではたらいている先輩を訪ねることで、実際の業務内容や社内の雰囲気などの情報を得て、業界、企業研究に役立てることです。仕事のやりがいや苦労を当事者から聞くことで、業界や企業をより深く知るだけでなく、自分のはたらく姿をより具体的にイメージできるようになります。「5年後、10年後の自分」を説明する際に重要である具体的な仕事内容やポジションについて、HPやWebサイトでは得られない実体験が伴った情報を取得できます。

③人生の目標を考える

5年後、10年後の自分を考えるためには、自分の人生においての目標が見ているとイメージがつきやすいです。

収入・年収

例えば、将来結婚をし、家を買い、車を持つというライフプランだとしたら、いつまでにどのくらいの収入があれば良いかの試算が可能です。必要な収入や年収がある程度見えてくれば、その収入を得ることができる職種や、仕事におけるポジションも絞り込みができるようになります。あとは、自分のライフプランにおいて、いつまでに達成していたいかを逆算すれば良いだけです。

ただ一点注意したいこととしては、「5年後10年後の自分」という質問に対し、年収や収入を軸に話を展開することはできるだけ控えましょう。働くモチベーションとして重要な要素ではありつつも、志望動機として印象は良くありません。

ポジション・職種

チームリーダーとなってプロジェクトをリードしていくポジションに就きたい、部長になって経営に携わりたいなど、自身の描く、働く姿を目標にするのも良いでしょう。職業や業務内容をしっかりと理解できているほど、働く姿をイメージしやすくなるため、企業研究を納得がいくまで行なっておくことをおすすめします。

④自身のキャリアを歩むために企業で成し遂げたい目標を短期・長期で考える

目標が大きいほど、到達するステップもまた多くなります。自分が望むキャリアを実現するためには、企業で成し遂げたい目標を短期目標と長期目標に分割して考えましょう。面接で聞かれる「5年後、10年後の将来」は長期目標にあたり、それを達成するための目標が短期目標となります。期間は内容によりますが、月や年単位であることが多いようです。このように長期目標を分割して短期目標として考えれば、目標達成までのステップを明確にすることができます。

また、長期・短期どちらの場合でも目標設定をする際には「SMART」という考え方がよく用いられます。SMARTとは下表のSpecific、Measurable、Achievable、Related、Time-boundの頭文字で構成されているフレームワークです。この5つの要素を満たすことを目安として目標を設定してください。

要素説明
Specific
(具体的に)
誰にとっても分かりやすく、明確であること。
目標が具体的であれば、目標から逆算して行動を決定しやすくなります。
Measurable
(測定可能な)
達成度を測定できること。
定量評価できる目標にすることで、達成度を客観的に把握できます。
Achievable
(達成可能な)
達成可能であること。
目標と理想は異なります。理想達成の難易度が高すぎる場合、モチベーション低下につながるため、達成できる目標であるかを考えましょう。
Related
(関連している)
なりたい姿に関連していること。
特に短期目標を設定する際には、最終的に目指している目標と強く関連していなければなりません。
Time-bound
(期限付きの)
達成する期限を決めること。
「なるべく早く」などのあいまいな表現は避けて、明確な期限を定めましょう。期限がない目標は「いつかやればよい」と考えてしまい成果を出すことが難しくなります。

⑤目標を達成するためにすべきことを逆算して具体化する

目標を設定できたら、達成に向けて計画を立てる必要があります。その際には目標から逆算して「やること」を具体化していきましょう。これは「逆算思考」と呼ばれることがあります。逆算思考とは、目標達成に必要な「要素A」、要素Aに必要な「要素B」、要素Bに必要な「今やること」のように、時系列を現在から目標までのプロセスで考え、やるべきことを具体化する方法です。

逆算思考のメリットは、次にやることが具体化されているため、自分の立ち位置を把握しやすく、達成感が得やすいことです。注意点としては、計画が崩れるなどのイレギュラーには弱く、一つ崩れると最初からスケジュールを見直すなどの大掛かりな改修が必要になる点でしょう。

5年後、10年後の自分の答え方と例文

5年後、10年後の自分について答える際は以下の要素を盛り込むことで、簡潔に伝えることができるようになります。

  • 具体目標
  • 意欲・モチベーション
  • 目標達成に必要なスキル
  • 目標に向けて取り組むこと

5年後の自分の回答例

5年後には、開発部でサービス開発のチームリーダーを担当し、プロジェクトを成功に導き御社に貢献したいと考えています。

そのためにもまずは、エンジニアとして実践経験を積み1日も早く一人前になり、その後も多くのプロジェクトに参加して経験を積みながら、リーダーとして必要なスキルを身につけていきたいです。

理由としては、学生時代の部活において部長を任された際に、難易度の高い目標設定を行い、チーム一丸となって達成することができたことがきっかけです。リーダーとしてチームを鼓舞する目標設定や、メンバーを巻き込む力には自信があるため、ぜひ御社でもこのスキルを貢献したいと考えています。

5年後、10年後の自分を伝える際に気をつけること

実現性のない目標は避ける

大きな目標を立てて、達成に向けてまい進することは重要ですが、納得してくれる人は残念ながら多くありません。目標には常に「どうやって達成するか」という手段が必要です。目標が大きすぎると手段がないこともあり、机上の空論になってしまうため、説得力のある話はできないでしょう。特に目標を人に伝えるときは、実現性が担保できていて納得してもらえるような論理になっているかを確認してください。ここでも「SMART」の考え方は役に立つでしょう。

5年後、10年後が最終目標ではない

就活の面接で聞かれる「5年後、10年後の将来」は、当然ですが最終目標ではありません。現在20代であれば、10年後でも30代であり、多くの人がそれから先もさまざまなキャリアに進んでいきます。あくまで近い将来の目標であることを認識して、質問に答えるようにしましょう。短期目標と長期目標は、20年、30年先の「超長期目標」につながるように「5年後、10年後」の目標を考えてみるとよいでしょう。

まとめ

「5年後、10年後の将来」に関する質問は「自己PR」や「学生時代に力を入れたこと」などとは異なり、未来について答えなければならないため、即興で話すことは難しいかもしれません。だからこそ、採用担当者もこの質問をするということを踏まえ、自身の考えを十分に準備してから面接に臨みましょう。

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