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大学院生だからできる自己成長のPR方法


大学卒業後、修士号や博士号の修得を目指して大学院へ進んだ人も多いのではないでしょうか。理工学系学部では、約40%の学部生が大学院へ進学しているという全国データもあります(文部科学省、学校基本調査)。そして大学院では、専攻した分野に関する研究や勉強に多くの時間を割いたことでしょう。その経験は、就活の自己アピールでもとても役に立ちます。

本記事では、大学院生だからこそできる自己成長のPR方法について解説します。

大学院生の自己PR時のポイント

大学院に進んだ理由を明確にする

まずは、なぜあなたが大学院への進学を決意したのかを思い出してみましょう。「もっと専門的に学びたかったから」「企業と共同研究がしたかったから」「学会で発表したかったから」などの理由が浮かんでくるはずです。このようなポジティブな理由を話すことで、あなたが信念をもって大学院進学を決めたことが採用担当者に伝わります。

四大卒と比べたときの経験値・知識の差をアピールする

修士であれば2年間、博士であればそれ以上の月日を研究や勉学に費やすことになります。大学院は学部の頃と比べて学びの質がぐっと上がり、4年間で学んだ知識を元により高度な学問を追究することになります。

どのような知識を活用し、何を試したのかなど、大学院で培った分析能力や解決能力を論理的に説明できるようしておきましょう。専門知識はもちろん重要ですが、どのように考えて課題解決したのかまで含めてアピールできると、大学院生としての経験値や知識の差を見せることができます

研究によって得たスキルをアピールする

大学院の研究過程で獲得したスキルも、アピールポイントになり得ます。例えば、複雑な問題の根本的な原因を究明するため5Why分析(原因に対してなぜ?なぜ?と5回繰り返し分析することで根本原因を発見する方法)をした経験は、研究によって得たスキルと言えるでしょう。

また、高度なシミュレーションソフトが扱えることや、プレゼンテーション能力などもアピールしやすいスキルと言えます。大学院での研究はユニークなことが多いので、自分では当たり前と思っていることが意外なアピールポイントになります。客観的に自分ができることを振り返ってみてはどうでしょうか?

文系と理系で自己PRの違いはある?

専門的な経験をアピールする点は同じ

文系と理系で、自己PRできるポイントに大きな違いはありません。両者とも大学院で何を学び、どのように考え、どんな研究を行ったかを論理的に説明しましょう。その際、専門的な知識や研究の成果だけでなく、研究途中でぶつかった課題や問題と、それを解決した際の手段や考え方についても説明できると良いです。

学部では体験することが難しい高度な課題に直面し、問題を解決したという経験は、社会に出ても活用できるスキルです。企業もそのような課題解決ができる人材を求めていることが多いため、自己PRとしても申し分ないでしょう。

強みとなるポイントが異なる場合はある

理系は研究や技術開発といった知識や経験が身につけられるため、そのようなスキルを求める企業では経験や成果がアピールポイントになるでしょう。しかし、理系に比べて、文系は大学院での研究や経験が直接的に企業での仕事に役立つ可能性はそこまで高くありません。そのため大学院で学んだことを応用し、問題解決力やコミュニケーション力といった、対応力や順応性などをアピールしたほうが効果的な場合もあります。

大学院生の強み・メリットを整理

エントリーシートや面接でしっかりアウトプットするために、大学院生の強みやメリットを整理してみましょう。

好きな勉強や研究に没頭できる

大学院でも授業はありますが、学部と比較して修了に必要な単位数は少なく、好きな勉強や研究に没頭できる環境があります。通常では購入をためらってしまう最先端の装置を使えたり、界隈のスペシャリストに会って意見交換したりなど、貴重な経験を積むこともできます。自分の好きな領域や興味のある研究に没頭できるうえ、学部ではできない経験を積めるのが大学院のメリットと言えるでしょう。

教授との距離が近くなれる

ゼミや研究室に配属されると、勉強や研究の進捗を報告したり、行き詰ったときに方向性を相談したりするなど、教授と活動をともにすることが多くなります。また、ゼミ合宿などに参加する機会もあるでしょう。学部の授業中に「もっとこの教授のもとで勉強したい」と思い、その教授のゼミや研究室への配属を志望する人にとっては、教授の近くで勉強ができるという意味で恵まれている環境にあります。

初任給が四大卒より高い場合がある

会社によっては、同じ新卒でも初任給が学部卒より2~3万円ほど高いケースがあります。基本給で差が生じるということは、ボーナスを含めた年収にするとより大きな差になる可能性があるということですしかし、すべての会社で初任給に差があるわけではなく、「新卒の初任給は一律」「能力に応じて変動」といったところもあるので、入社する会社の給与体系はチェックしておきましょう。

院生限定で「幹部候補扱い」の場合がある

大学院生であることが理由で、幹部候補扱いになる場合もあります。院生であることだけが選ばれる理由になるわけではありませんが、幹部になる(あるいは出世)ための必須条件になる企業も。大学院生であればあまり気にする必要はありませんが、大学院への進学で悩んでいる人は、企業によっては修士や博士であることで評価される場合もあるので、参考にしてみてください。

理系の場合、院卒でないと研究職に就けない場合も多い

研究職に就く条件が、大学院修了であることもあります。仕事として研究をする場合は、「企業で働く」「公的機関や大学で働く」という2つのパターンがあります。企業の研究職は営利目的なので、市場価値や競合他社の動向、顧客ニーズなどによって研究する内容が決まります。そのため、市場把握能力やコミュニケーション能力、専門知識を持つ修士以上の学歴を持つ人が採用されることがあります。

一方、公的機関や大学では、商品化ではなく学問の発展や人・社会の豊かさにつながるような基礎研究を長時間かけて行うため、博士号取得者が採用される場合が多いです。いずれにしても研究職では高い学力が求められるので、修士以上の学歴を持っていたほうが採用される確率は高まります

大学院生が気にしておくべきポイント

上記までは大学院生の利点について説明しましたが、ここでは大学院に進むべきかどうか悩んでいる方に向けて、大学院に進んだ際に気にしておくべきポイントを挙げておきます。

経済的な負担が大きい

金銭面は大学院に進む際に一番気になっている点ではないでしょうか?当然、大学院に進むとなった場合も学費がかかります。大卒で社会に出ればそこから働いて給与を得ていくことができますが、大学院生の場合はそこから2~4年さらに学費として出費が嵩みます。加えて、大学院での研究や勉強がハードになると、アルバイトなどをしている時間がなくなってしまう可能性もあります。

当然大学院で学んでいるその間の生活費もかかるため、経済的な負担が発生することは念頭においておくべきでしょう。

大卒に比べ社会人経験が遅れてしまう

大学院生は大卒に比べ、社会人経験が2~4年遅れが出ます。この差が生まれても大学院に進む価値が見出せる可能性は十分にありますが、スピード感が早い業界においては、たった数年でも取り巻く環境が大きく変わる可能性もあります。大学院での学びを活かし、研究職や技術職に就くといった就職を考えない場合は大学院に進む意味を考え直してみても良いではないでしょうか。

就職先が限定的になる可能性も

大学院での研究が専門的になるほど得られる知識やスキルも限定的になり、それを活かせる業界や企業の選択肢が狭まっていく可能性はあります

大学院生が自己PRでやりがちなミスや注意点

研究内容の結果だけを伝える

よくやってしまう自己PRのミスとして、「研究内容の結果だけを話してアピールできたと思ってしまうこと」があります。研究室で教授に結果を報告する際や、学会発表の際はそれで良いですが、企業面接における自己PRとしては不十分です。研究の成果も重要ではありますが、面接官はそれが聞きたいわけではありません。さらに、研究内容がエントリーした企業や職種とあまり関連性がない場合、検討外れな自己PRになる可能性もあります。

自己PRでは、課題を達成する道中で起きたであろうさまざまな問題を取り上げ、どのように対処・解決したのかをアピールできるようにしましょう。この際、人(一緒に解決へ導いたチームメンバーなど)、時間(解決にどれくらいかかったか)を含めて話すと、企業としては働いている姿をイメージしやすく、高評価を得られます。

専門用語を多用してしまう

コミュニケーションの基本は、相手の知識や立場を踏まえて自分の意見や考えを伝えることです。大学院で学んだ専門的知識や高度な研究内容は、それに触れたことがない人にとっては理解しにくいものです。そのため、相手と同じ視点、同じ知識レベルでコミュニケーションできるかが重要です。聞き手の知識があなたと同レベルでないことを前提とし、研究内容を伝える練習をしてみてください。良い練習方法のひとつとして、何も知らない家族や友達に説明して理解を得られるか試してみるのも良いでしょう。

四大卒と差がないエピソードトークをする

自己PRでは、大学院生ならではのエピソードトークをしましょう。でないと、「大学院へ進学した意味はあったの?」と思われてしまう可能性があります。また、大学院進学者を即戦力として期待する企業も多いです。これらを踏まえると、トーク内容としてはプレゼン力やコミュニケーション能力、マネジメント能力、分析力や問題解決能力などにつながる話が適切でしょう。どれも働くうえでは重要な能力です。

これらの中から、あなたが話しやすいと思うテーマについて、具体的な経験を元にまとめてみましょう。「何をしようとしたか」「どのように考えたか」「どれくらいの時間で、誰と、どのように成し遂げたか」をあらかじめまとめておくと、伝わりやすい内容になります。

まとめ

大学院へ進学すると、学部のとき以上に自分で考えて行動することが多くなります。自己PRの際は、あなたがどのような考えで行動したのかを分かりやすく伝えるようにしましょう。

また、普段の研究発表のように話してしまうと、自己PRにならないことがあります。この記事でご紹介したやってしまいがちなポイントを振り返り、魅力的なアピールができるようにこれまでの経験をまとめてみてください。

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