就職活動の説明会や面接などで、スーツではなく「ビジネスカジュアル」を指定されることもあります。しかし、いきなりビジネスカジュアルと言われても、何を着ていけばよいのか分からないという方も多いのではないでしょうか?
本記事では、ビジネスカジュアルの定義や、同じものと考えてしまいがちなオフィスカジュアルとの違い、ビジネスカジュアルを男性・女性別に具体例と合わせて解説しています。
ビジネスカジュアルとは?
ビジネスカジュアルについて、明確な定義はありません。しかし、Tシャツにジーンズでもよいかというと、決してそうではありません。会社内で仕事する際はもちろん、他の企業に訪問しても失礼にあたらない服装であるかが、ビジネスカジュアルにおいて重要です。
まずは、ビジネスカジュアルがどのような服装なのかを見ていきましょう。
別の企業へ往訪するのに適した服装
ビジネスカジュアルでは、取引先に往訪するのに適した服装であることが大事です。スーツよりはリラックスできるものの、大切な取引先に対して失礼でない服装というのが前提となります。
往訪に適しているというのは、「社外の人と会うのにふさわしい服装」と言い換えることができます。社内であれば、多少ラフすぎても大きな問題となるケースは少ないでしょう。しかし、社外の人に会うなら清潔感や「無礼ではないか」といったポイントを意識しなければなりません。相手が不快に感じるような服装であれば、自社の常識やモラルを疑われてしまうことにもなりかねません。
「取引先の相手と会っても問題がない服装」というのが、ビジネスカジュアルの一つの基準と言えます。
シンプルかつ清潔感が重要
派手な服装は、ビジネスカジュアルにふさわしくありません。派手な服装に対して「問題ないのでは?」と思う方もいるかと思いますが、不快に思う方や場に適していないと感じる方は一定数いると考えられます。大きなフリルのついたブラウスや華やかな色使いのコーディネート、特徴的な形の服装などは避け、シンプルなものをチョイスするようにしましょう。
また、就活にかかわらず、社会人となってからのマナーとしても身だしなみの清潔感は重要です。清潔感がないと相手に不快感を与えたり、だらしない印象を与えてしまったりする可能性が高くなると言えます。シワだらけのシャツを着ていないか、服に不快なにおいが付いていないかなどをチェックしておき、清潔感には細心の注意を払いましょう。
スーツよりはカジュアルでOK
きっちりとした印象を与えるスーツより、少し崩したものをビジネスカジュアルと定義することもできます。男性の場合は、ジャケットとスラックスを別の色・素材にする、ネクタイは締めないがシャツを着用する、カジュアルなデザインの革靴を履くなど、適度に崩すことで「硬すぎないイメージ」を持ってもらいやすくなります。
カジュアル過ぎるのはNG
スーツより親しみやすい雰囲気を与えられるとはいえ、カジュアル過ぎる服装はNGです。カジュアルさが度を越してしまうと、信頼性に欠ける、軽薄、品がないといったイメージを与えてしまうかもしれません。寝間着のような服装やサンダル、ダメージ加工のジーンズといったようなものはNGです。
ビジネスカジュアルでは、「ビジネス」と「カジュアル」のバランスをうまく保ち、硬すぎずくだけすぎずというバランスが重要と言えるでしょう。
オフィスカジュアルとの違い
最近はビジネスカジュアルだけでなく、「オフィスカジュアル」で勤務できる企業も増えてきました。就活をしていても、「オフィスカジュアルでの勤務可能」といった文言を見かけることがあるでしょう。
しかし、ビジネスカジュアルとの違いについて答えられない方も多いかもしれません。ビジネスカジュアルへの理解を深める意味も含め、オフィスカジュアルについても確認しておきましょう。
オフィスカジュアルは社内向けの服装
ビジネスカジュアルが往訪向けのややかしこまった服装だとしたら、オフィスカジュアルは社内向けのややかしこまった服装です。社内向けなので、「仕事をする上で最低限の礼儀を確保した服装」とも言えます。基本的には同じ会社の中で働く同僚や上司、他部署の人と接する際、相手に不快感を与えないことを心がける必要があります。
また、社内向けとはいえ、突然、取引先の担当者が訪れるかもしれません。オフィスカジュアルは、社内で同僚や周りの人と一緒に勤務するのに適した服装でありつつ、突然の来訪があっても失礼にならない服装が望ましいと言えるでしょう。
ビジネスカジュアルよりはラフな雰囲気
ビジネスカジュアルの具体的な服装例は後述しますが、やはりジャケットに襟付きシャツ、革靴など、ある程度具体的なフォーマットに沿ったほうが間違いがありません。
一方のオフィスカジュアルは、襟付きシャツがマストではなく、革靴である必要もないなど、ビジネスカジュアルに比べてラフなのが特徴です。業種・企業によっては、ポロシャツやこぎれいなTシャツなどでも問題はありません。ビジネスカジュアルより普段着っぽさが強くてもよいと言えるでしょう。
しかし、社内とはいえあくまでもビジネスの場です。仕事にふさわしくない服装、例えばでかでかと文字や写真を主張するTシャツや穴の開いたジーンズなど、カジュアル過ぎるスタイルは避けたほうが無難でしょう。
ビジネスカジュアルの具体的な服装例
ここまでビジネスカジュアルの定義や、オフィスカジュアルとの違いを解説してきました。ビジネスカジュアルは上下セットアップのスーツにネクタイではなく、ややリラックスした服装となります。
ここからは、具体的にビジネスカジュアルの具体的な服装例について男女別に見ていきましょう。
トップス:ジャケットに襟付きシャツ
男女ともに | ジャケット |
色味 | ネイビー・ベージュ・グレー |
ビジネスカジュアルのトップスとしては、ジャケットに襟付きシャツが定番で、はずれがありません。ジャケットは季節に応じ、暖かい時期は軽めのもの、冬は厚手のものを選びましょう。ジャケットの色については、ネイビー、ベージュ、グレーなどの色が、派手過ぎず、かといってブラックのようにフォーマル感が強すぎないのでおすすめです。
真夏などは、襟付きシャツだけでも問題はありません。とはいえ、ビジネスカジュアルの中でも相手によってはよりビジネス向けの服装を意識する必要があります。そういった際には、ジャケットを羽織ることで「きちんとしている感」を演出しましょう。
ボトムス:チノパンやスカート
男性 | チノパン |
女性 | スカート(膝下丈) |
ボトムスについては、チノパンやスカートが無難です。カジュアルといえばジーンズを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、ラフなイメージが強いため、ビジネスシーンで着用するボトムスとしてはふさわしくありません。
チノパンはカジュアルなシーンでも着用されますが、ビジネスカジュアルにも適合できます。つくりも丈夫なので、移動が多い方などにもおすすめです。なお、よりビジネス感を強く意識する必要がある場面では、スラックスも検討しましょう。
女性はスカートの丈が短すぎるものは避け、膝が隠れるくらいのものを選びましょう。
靴:革靴やパンプス
男性 | 革靴 |
女性 | パンプス(ヒール3~5cm) |
靴の基本は男性なら革靴、女性ならパンプスです。
革靴には靴紐を通す部分が靴と一体となっている「内羽根式」と、甲の外に縫い付けられている「外羽根式」がありますが、ビジネスカジュアルでは「外羽根式」が適しています。
パンプスの場合、ヒールの高さに注意する必要があります。3~5センチくらいを中心に、あまり高くなり過ぎないように気を付けましょう。
なお、男女ともスニーカーは避けたほうが無難です。企業の雰囲気にもよりますが、就活でも基本的には革靴やパンプスをおすすめします。ビジネス度が低いスタイルではスニーカーが許されることもありますが、その場合もスポーティなタイプは避けましょう。
かばん:ビジネスバッグが理想
男女ともに | ビジネスバッグ |
色味 | 黒・茶 |
かばんについては手持ちタイプのビジネスバッグが理想です。特によりしっかりとした大人な雰囲気を出したい場合は、レザー素材のバックがよいでしょう。とはいえ、レザー素材は値段が高い傾向があるため、ナイロン素材のものも検討するのも手です。
色についてはジャケットなどとの相性も考慮し、やはり黒や茶など、落ち着いた色合いがベターです。金具が多かったり、ロゴが大きくプリントされていたりすると、カジュアル過ぎる印象になるので、装飾には注意しましょう。また、防水、撥水加工があるかばんを選ぶと、急な雨などがあっても安心です。
企業が面接でビジネスカジュアルを指定する理由
最後に、企業が面接でビジネスカジュアルを指定する理由について解説します。理由を知ることで、どのような服装を着ればよいのか理解できるでしょう。
従業員がビジネスカジュアルを基本としている
従業員の勤務中の服装がビジネスカジュアルであるため、それに合わせて指定している場合があります。
ビジネスカジュアルは、スーツよりもリラックスしながら業務に取り組めるなどのメリットがあります。堅苦しさから解放されることで、仕事に前向きになったり、新たな発想が生まれたりすることが期待できるかもしれません。ファッションが好きな人にとっては、仕事でも服装に退屈せず、おしゃれを楽しめるでしょう。
また、日本ではまだまだスーツスタイルが主流です。ビジネスカジュアルを取り入れていると、「他とは違う」「一歩先を行っている」というイメージを持ってもらいやすくなります。MetaやGoogleといった世界的な企業がビジネスカジュアルを採用していることもあり、トレンドに敏感な印象を持ってもらいやすいでしょう。ビジネスカジュアルを採用することで、自由な社風をアピールしたいという目的もあるかもしれません。
かしこまり過ぎずに面接に臨んでほしい
リクルートスーツだとかしこまった雰囲気になりがちなので、そうならないようにリラックスして臨んでほしいと考えている場合もあります。リラックスした普段の状態の学生を見て、企業に合っているかを判断したいということです。
企業説明会や面接では、いつもより重い雰囲気や緊張感に包まれてしまいがちです。そういった中で選考を行っても、本来の良いところをうまく見極められないかもしれません。
採用する側としても、やはり学生自身が本来持っている雰囲気や個性が十分に出せる環境を整え、自社のカルチャーに合った学生を採用したいと考えています。
ビジネスの場で適切な服装ができるか確認したい
スーツだと選択肢の幅が狭いため、決められた形を選んでおけば問題はないでしょう。一方、ビジネスカジュアルはスーツより自由度が高くなるため、その中で適切な服装を選べるかを見ている可能性もあります。
ビジネスの場では、空気を読んだり、上司や他部署のメンバーがしてほしいことを察して対応したりすることが求められるケースも多いです。ビジネスでは指示された内容についてきちんと意図や目的を理解し、結果を出さなければなりません。
「ビジネスカジュアルで」と言われて適切な服装で来られる学生は、求められたことを正しく理解し、対応できるだろうと企業側は期待します。
まとめ
スーツよりも選択の自由度が高いため、ビジネスカジュアルは正解が分かりづらいかもしれません。しかし、目的や最低限の基準を理解しておくことで、面接などの重要な場面で間違うリスクは大きく減らせます。今回解説してきた内容を参考にしながらポイントと注意点を押さえておけば、企業の担当者などにも好印象を与えることが期待できます。かしこまりすぎず、楽しく服装を選ぶようにしてみるとよいでしょう。
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