パソコンを使用する職場では必須とも言える「Office」(Microsoft Office)ですが、大学生のうちから必要かどうかは気になるところです。Officeと一口に言ってもさまざまソフトがありますが、有名なものにはWord(ワード)・Excel(エクセル)・PowerPoint(パワーポイント/パワポ)などがあります。
本記事では、大学生にOfficeは必要なのか否か、そして大学生がOfficeを無料で使う方法について解説しています。
大学生に「Office」は必要?
基本的に、Officeは大学生にとっても必要と言って差し支えありません。大学生活をする上でパソコンは不可欠なツールで、中でもOfficeの利用頻度は高いです。以下で詳しく見ていきましょう。
Officeとは?
そもそも、OfficeとはアメリカのMicrosoft社が提供するソフトウェアです。「Office」という単体のソフトがあるわけではなく、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Accessなどのさまざまな業務やタスクをこなすためのアプリケーションソフトをまとめて「Office」と呼びます。
Word、Excel、PowerPointは特に事務系の職業では「使えないと仕事にならない」こともあり、社会人の基本スキルと言っても過言ではありません。
ほぼ必須と言ってよい
社会人にとって不可欠なOfficeですが、大学生でも扱えることが求められます。
大学の課題提出や論文作成では通常、WordやExcelを使って文章や表を作成します。また、ゼミではPowerPointを使ってプレゼンテーション資料を作成することもあるでしょう。もちろん、これらのソフト以外のツールを使って対応することも不可能ではありませんが、Officeを活用すればスムーズに作業を進められます。
大学生のうちにOfficeの基本をマスターしておくと、就職した後も役に立つでしょう。
主に講義や課題レポートなど使う機会が多い
大学生活でOfficeを使う主な場面としては、講義の内容まとめや課題レポートなどが挙げられます。講義ではレポートの提出が求められるケースも多く、レポートに調査結果をまとめたり、長文の作成、グラフや図の作成を行ったりする場合に、WordやExcelを使いこなせればスムーズに作業を進められるでしょう。特に論文や課題では提出時の最低条件として文字数制限があるなども考えられますが、Wordであれば文字数カウント機能や、誤字脱字添削機能もあるため、ミスも発見しやすいのがメリットです。このように、WordやExcelを使いこなせているかで、作業効率が大きく変わってくるでしょう。
ゼミや卒論では利用機会がさらに増える
文系・理系を問わず、ゼミや卒論ではWordの使用はもちろん、データを収集して分析したりグラフ化したりすることから、Excelの活用頻度がさらに高まります。ゼミではさまざまなテーマに対する研究を発表する必要があり、卒論をまとめる作業は簡単ではありません。さまざまな資料を読み込み、まとめ、時には実験し、その結果を分かりやすくまとめる必要があります。その際には、WordやExcelなどのOfficeに対するスキルがないと、円滑に進められません。
大学生のうちからWordやExcelに触れ、使い方をマスターしておくことをおすすめします。
Officeを無料で使う方法
通常、家のパソコンでOfficeを使う場合、もともとOfficeがインストールされているパソコンを購入するか、別途Officeのソフトを購入する必要があります。
Officeのソフトを購入する場合は数万円程度、月額課金のサブスクプランでも毎月費用がかかりますので、大学生にとっては決して安い買い物ではないでしょう。
とはいえ、Officeを無料で使う方法もあります。
Microsoft 365 Educationというプランがある
「Microsoft 365 Education」とは、Microsoftが学術機関向けに特別価格で提供しているプランです。Microsoft 365 Educationのプランは複数あり、そのプランによって学生や教職員の利用料金、利用できるソフトなどが変わってきます。
Microsoft 365 Educationはあくまでも学術機関向けのプランですので、個人が購入することはできません。自由に使えるように大学側が学生向けに開放しているケースも多いため、まずは大学に確認してみましょう。
対象となっている大学なら無料で利用できる
Microsoftと契約をしている大学に通う学生は、無料でOfficeを利用できます。自分の大学がMicrosoft 365 Educationの対象かどうかは、公式サイトにアクセスし、メールアドレスを入力することで確認可能です。
また、学生が無料で利用できるかは「大学がどのような契約をしているか」によります。仮にMicrosoft 365 Educationを契約していたとしても、プランによって学生が無料だったり、利用を希望する学生が格安で利用できたりと、条件が異なります。
それでは、Microsoft 365 Educationを利用できる大学を具体的に見ていきましょう。
例1:東京大学
東京大学に通う学生は、申請を通して個人所有するパソコンでOfficeソフトとクラウドサービスを利用できるようになります。具体的にはMicrosoft 365 Apps(旧Office 365 ProPlus)というソフトで、入学時に提供されるUTokyo Accountの初期設定とソフトウェアの利用申請をすれば、利用できるようになります。
利用は無料ですが範囲は定められており、大学に在学する期間に、教育活動、研究活動とその活動に関連した業務に関連する目的にのみ利用できるとされています。なお、定期的に認証が必要で、30日に一度はインターネットに接続しなければなりません。
詳しくは下記ページにて、東京大学のMicrosoft 365 Educationに関する情報を確認できます。
https://www.u-tokyo.ac.jp/adm/dics/ja/mslicense.html
例2:慶應義塾大学
慶応義塾大学の学生も、Microsoft Officeのライセンス申請をすることで、Officeの無料利用が可能になっています。慶應大学が登録しているのも東京大学と同じくMicrosoft 365 Appsで、大規模な企業も利用しているプランです。
Officeはもちろん、クラウドファイルの利用など、さまざまなサービスを利用可能。基本的にはOfficeアプリケーションの最上位として、多岐にわたる機能を活用できるでしょう。ライセンスは年度単位なので、年度ごとに設定する必要があります。
慶應義塾大学に通う学生は、下記ページから利用手続きなどの詳細を確認可能です。
https://www.itc.keio.ac.jp/ja/news_20210315.html
例3:明治大学
明治大学も東京大学や慶應義塾大学と同じくMicrosoft 365 Appsに登録しています。明治大学に通う学生はもちろん、付属の学校へ通う高校生や中学生も利用対象者です。ただし、利用等履修生、聴講生、研究生などは利用できません。
利用方法や注意事項などは、東京大学や慶應義塾大学とほぼ同じです。明治大学でも、下記ページにて利用手順について公開しています。
https://www.meiji.ac.jp/isc/msca/of365.html
詳細は大学ホームページか学生課へ
今回は東京大学、慶應義塾大学、明治大学を紹介しましたが、Microsoft 365 Educationを使える大学は他にもあります。自分の大学は対象なのか、利用方法はどうすればよいかなどは、自分が所属する大学のホームページや学生課で確認しましょう。
その他に無料で使う方法はある?
Microsoft 365 Educationを利用していない場合でも、無料で使う方法はあるのでしょうか。大きく分けると、「大学の備え付けPCを利用する」「GoogleのOffice互換サービスを活用する」という2つの方法があります。
大学備え付けPCならOfficeインストール済み
大学の備え付けPCなら、プリインストール(インストール済み)となっていることが多いでしょう。大学生のうちは備え付けられているPCを無料で使えますので、必要な場合は活用を考えましょう。
しかし、あくまでも大学備え付けPCは学生で共用です。自分が使いたいときにいつでも使えるというわけではありません。テスト期間中などは利用者が多く、使える時間が限られてしまう可能性もあります。理系の学生などは実験でPCを使う場面も多く、備え付けPCでは用途を賄えないケースもあるでしょう。
PCが自宅にあっても、大学で急にWordやExcelの資料を修正したいときなどに役に立つこともあります。大学備え付けPCでも基本的にはOfficeは使えることは覚えておきましょう。
GoogleのOffice互換サービスを活用する
「Googleドキュメント」や「スプレッドシート」など、Googleが開発・提供しているOffice互換サービスを活用することも一つの手段です。基本的にはインターネット(クラウド)上での利用となり、他のユーザーと資料を同時に編集・共有できるという強みがあります。このサービスでは、作成したファイルは自動的にGoogleドライブに保存され、PCだけでなくスマートフォンやタブレットでも表示・編集できます。
また、例えばGoogleドキュメントで作成したファイルをWordで保存する、反対にGoogleドライブに保存しているWordファイルをGoogleドキュメントとして読み込んで編集する、といったように互換性の高さも魅力です。
このように、Officeとの互換性が高いにもかかわらず無料で使えるため、「Officeを使いたいけど出費は抑えたい」という方におすすめです。
Googleドキュメント
GoogleドキュメントはOfficeでいうWordに相当する互換サービスです。通常のWordで使える機能は、ほぼGoogleドキュメントでも使えます。文字の大きさやフォント、色の変更はもちろん、表や図形の作成、画像編集、グラフ作成機能も存在しています。テキストボックスや段落の作成やコメント機能もあり、もちろん印刷も可能です。
ただし、WordにあってGoogleドキュメントにない機能もあります。たとえば、Wordでは文章を自動的に校正する機能がありますが、Googleドキュメントにはありません。
とはいえ、Wordとの互換性が高く、さらに複数人で同時に編集できるといったようにGoogleドキュメントとしての強みもあります。
Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートは、OfficeでいうとExcelに相当する表計算ソフトです。機能もExcelと似ており、Excelと同じように関数を使って数値を自動的に計算したり、グラフを作成できたりします。また、Googleドキュメントと同様に印刷も可能で、Excelとの互換性の高さもメリットです。
Googleスプレッドシートが得意とするのは、複数人による同時編集。Googleドライブに保存されたスプレッドシートは、URLを共有しておけば離れた場所にいる人が一斉にアクセスし、同時に編集できます。チャット機能も存在するため、リアルタイムにGoogleスプレッドシートを見ながら、一つのファイルを作り上げることも可能です。複数の関係者とやり取りをする際などには、Excel以上に使いやすい面もあるでしょう。
Googleスライド
Googleスライドは、OfficeでいうとPowerPointに相当するオンラインスライドショー作成ツールです。こちらも基本的な機能はPowerPointと同様で、同時編集が大きな利点です。
PowerPointの資料はプレゼン目的で作成し、作成目的に合わせてさまざまな人に対して個別に確認を行い、ブラッシュアップしていくことも少なくありません。そういった場合は都度データを送り合いながら編集していきますが、ファイルが分散されると管理が大変です。その点、Googleスライドは一つのファイルで完結することが可能。コメント機能などでコミュニケーションを円滑に取りながら、同時編集を行うのが容易です。
注意:一部機能には互換性がない
OfficeとこれらGoogleが提供するソフトには互換性があるとはいえ、完全ではありません。「Word→Googleドキュメント」「Excel→スプレッドシート」などに変換する際、一部レイアウトが異なったり、崩れたり、表示がうまくされなかったり、対応していない機能があったりすることもあります。
「完璧に互換されない可能性がある」という点は注意しておきましょう。
まとめ
大学生が円滑に講義のまとめやレポート作成、卒論制作をこなしていくために、Officeは必須のツールと言えます。個人のノートPCなどにインストールされている状態が理想ですが、安い買い物ではないため、Microsoft 365 EducationやGoogleが提供するソフトを活用するのも一つの手段です。
Microsoft 365 Educationについては大学次第ですので、気になる方は自身が通う大学に問い合わせてみましょう。
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