プレエントリーとは?
就活生が一番気になるポイントは、まず「本エントリーとどんな点が異なるのか」だと思います。そこでまずは、プレエントリーと本エントリーの違いについて説明し、プレエントリーの開始時期やエントリー方法をご紹介していきます。
プレエントリーと本エントリーとの違い
プレエントリーとは、特定の企業に個人情報を登録し、就職活動に関する資料を請求すること。つまり、その企業に対して「私は興味があります」と意志表示をすることです。企業について興味があり、請求した資料を元に選考のラインに乗るかどうか検討したい、という場面で利用します。企業の本選考に進むためにプレエントリーが必要な企業もあるため、事前に調べておきましょう。
一方、本エントリーは企業の採用選考に対し、申し込みをすることです。そのため、エントリーシートの記入や、履歴書の送付といった作業が必要になります。本エントリーからが、本格的な就職活動と言えます。
プレエントリーの開始時期
これまでの経団連による「就活ルール」は廃止され、政府主導で新たなルール策定の議論が進められています。しかし、急激なルール変更は就活生の混乱を招きかねないという理由から、2023年卒の就活ルール(解禁日)は現行日程である「3月から会社説明会(採用情報が解禁)、6月から選考開始」を踏襲しています。
しかし、採用手法が多様化していることもあり、上記スケジュールにのっとらずに会社説明会や選考を実施する企業もあります。業界や企業によってもバラつきがあるので、情報収集を進めておくことが大事です。
プレエントリーをする方法
プレエントリーの方法には大きく、企業ホームページ、就活サイト、大学のキャリアセンターという3つのルートがあります。就活の進め方によって変わりますので、3つの方法を使い分け、自分に合った進め方を探すことをオススメします。
企業ホームページから
自身が特に強く志望する企業などは、細かくホームページをチェックするでしょう。その流れで、ホームページからプレエントリーを行うことができます。企業によっては就活サイトなどでプレエントリーを受け付けておらず、「企業のホームページのみ」というケースもあるので注意が必要です。特に気になっている企業はホームページを確認し、そこからプレエントリーするのが確実と言えます。
ただし、直接プレエントリーしたからといって、「本選考で有利になる」ということはありません。
就活サイトから
多くの就活生は、就活サイトからプレエントリーすることが多いと思います。就活を始めた段階でまだ企業選びの軸が明確でない場合は、視野を狭めないためにも、たくさんの企業の採用情報が集まる就活サイトを利用しましょう。就活サイトであれば、多くの企業へプレエントリーするにあたって個人情報を登録する手間が減らせるのもメリットです。
プレエントリー数に上限や制限はないですが、むやみに申請するのではなく、まずはしっかりと自分のイメージする将来像に合った企業を探しましょう。
大学のキャリアセンターから
大学のキャリアセンターに企業を紹介してもらい、プレエントリーすることも可能です。キャリアカウンセラーに相談しながら就活を進めたいという方にはオススメです。また、自分の力だけではカバーしきれない範囲でも、キャリアセンターに相談すれば解消できることもあるので、プレエントリーに限らず困っていることがあれば相談してみると良いでしょう。
プレエントリーの重要性とは
ここからはプレエントリーの重要性や、プレエントリーが就活においてどのような意味を持つのかを解説します。
プレエントリーはあくまで興味があることの意思表示
プレエントリーはその企業に対し、興味があるので採用に関する情報を教えてほしい、という意思表示になります。プレエントリーをしたからといって、選考で有利になるといったことはありません。
しかし、意志表示をするかしないかで、その後の就活スケジュールの立てやすさが変わります。企業の選考開始時期のお知らせやエントリーシート締め切りに関するリマインダーが届くなど、知らなかったことで機会を逃してしまうようなリスクを減らせるのがメリットです。
プレエントリーが必須の企業もある
プレエントリーを逃してしまうと、本エントリーができなくなる企業もあります。プレエントリーが必須かどうかは、しっかり情報収集しておきましょう。興味がある企業があるなら、プレエントリーが解禁されるまでに情報を集めておき、チャンスを逃さないようにしてください。
企業の情報を効率良く集める手段でもある
先程も触れましたが、プレエントリーをすることで、企業から採用に関するさまざまな情報を受け取ることができます。会社説明会や座談会などの情報がメールなどでいち早く手元に届くため、効率良く志望企業の情報を集めるにはプレエントリーが欠かせません。
また、面接の予約ができるなど、就活を効率良く進めるための使い方もできます。首尾よく就職活動が行えるように、有効活用していきたいところです。
プレエントリーまでにやっておきたいこと
続いては、プレエントリーをするまでに何を準備しておいたら良いか、について解説していきます。
自己分析
自己分析は、プレエントリーにおいても重要な作業です。どういった職業に適性があるか、興味があるかといった適性診断をすることで、自然とどの企業や業界に進めば良いのかが見えてきます。仮にあなたが、まるで興味のない企業にプレエントリーしてしまうと、不要な情報まで引き寄せてしまうことになり、結果的に必要な情報を精査しにくくなってしまうでしょう。プレエントリー自体に数の制限はありませんが、やはり方向性はある程度決めてから進めるほうが良いと言えます。
また、3年生になる年度の学生などを対象に始まるインターンシップにも、プレエントリーの期間が設けられている場合もあります。特に長期インターンは将来的な内定にも関係する機会なので、自己分析を早くから行うことに越したことはありません。
企業研究
自己分析を通して自身の価値観や適性を明確にできたら、次はそれに合う企業を探すステップに移ります。その企業選びを進める第一歩が、企業研究です。企業研究が進むほど、プレエントリーするべき企業についても見えてくるでしょう。
企業ホームページを読む
最も手軽に始められる企業研究は、企業ホームページを読むことです。説明会に行かずとも、大体の企業情報を得ることができます。ただし、ホームページに掲載されている情報は、就活生向けにまとめられた内容ではありません。各業界に深い知見を持たない就活生には理解しづらい内容もありますので、ホームページで分からない点・気になった点をまとめてみましょう。まとめた質問は、OB・OG訪問や企業説明会で質問して解決するのが効率的です。
OB・OG訪問
OB・OG訪問は、それぞれの企業で働く先輩社員に会い、生の声を聞くことができる機会です。ホームページには載っていないような、現場ならではのやりがいや難しさなど、貴重な情報をもらえるでしょう。もし自分の志望する業界に先輩が入社しているなら、大学のキャリアセンターやゼミなどのつながりを頼って訪問依頼をしてみることをオススメします。
ただし、相手はすでに社会人であり忙しいと考えられるので、聞くべき質問はあらかじめしっかり準備しておきましょう。また、企業ホームページなどから得られる情報などは必ず目を通しておき、企業や業界に対する基礎知識は備えておくようにしましょう。
インターンシップ・説明会への参加
インターンシップや説明会への参加も、企業研究の有効な手段です。インターンシップでは、他の就活生と一緒にグループワークに取り組んだり、インターン中に開催される懇親会などで他の学生と業界や企業に関する情報交換ができたりします。
説明会では企業の人事担当者や事業部の社員が、丁寧に分かりやすく説明してくれます。ホームページでは分からないことが理解できたり、質問することでより理解を深めたりすることができるでしょう。
就活サイトのまとめ記事・コラムを読む
就活サイトは、読み手が就活生であることを想定して記事が書かれています。企業研究だけでなく、業界研究に関する記事が掲載されている就活サイトも多いので、個別の企業だけでなく、他の企業と比較しながら検討することもできます。ただし、一部の就活サイトには信憑性の低い情報も散見されるので、情報の取り扱いには注意が必要です。
四季報を読む
株式投資家が購入する「四季報」という本も、企業研究にオススメです。四季報は投資家の目線で、投資判断に必要な情報が分かりやすく記載されています。投資家は、今後成長する見込みがある企業や優良企業に投資したいと考えます。就活生にも、「せっかく入社するなら優良な企業、将来性のある企業がいい」という人は多いでしょう。
就活は、人生においてファーストキャリアを選択する重要なイベントです。四季報を読むことで、今後成長する企業かどうかという視点も踏まえながら、就活を進めることができます。
就活の軸を考える
就活の軸をプレエントリーまでに固めておくと、スムーズに就活を進めることができます。就活の軸とは、「大企業に勤めたい」「こんなキャリアを歩みたい」といった自身のなりたい姿や、企業に求めたいものを具体化したビジョンです。そうした就活の軸に自己分析や企業分析を組み合わせると、自分がどのような業界や企業を志望すれば良いかが鮮明に見えてくるでしょう。
プレエントリーのポイント
興味がある会社はとりあえず登録しておく
就活初期は、まだ確固たる「就活の軸」が固まっていないと思います。まずは、少しでも興味のある会社にはプレエントリーしておきましょう。就活生にとって一番避けたいのは、将来の可能性を狭めてしまうこと。就活を進める中で興味が湧く業界・企業があるかもしれませんので、最初の受け口はできるだけ広くし、情報収集をすることをオススメします。
必ずしも本エントリーに進む必要はない
プレエントリーをしたからと言って、必ずしも本エントリーしなければならないということではありません。本エントリーせずに就活に支障が出ることもありませんし、不必要に本エントリーしたことで面接の日程などがバッティングしてしまう恐れもあります。
また、プレエントリーの有無に関係なく本エントリーできる会社も多くあります。プレエントリーを本エントリーの条件としている会社も一部ありますが、基本的にはプレエントリーしていなくても選考に進めるので過度に心配する必要はないでしょう。
まとめ
プレエントリーは、志望する企業の採用情報を素早くキャッチしたり、比較して自己分析などに役立てたりといった、就活の質を高めるのに有効な手段です。
興味のある企業について入念に調べておくことに、デメリットはいっさいありません。あなたの就活をより円滑に進めるためにも、プレエントリーを有効活用していきましょう。
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