語学のスキルが身に付いたり、視野が広がって人生観が変わったり、多様な文化について理解できたり、就活で有利になったりと、多くのメリットがある海外留学。「大学生のうちに海外留学したい」と考えている方も多いのではないでしょうか?
海外留学では、まずどの国に行くかを決める必要があります。国によって、有名大学の数や物価、扱う言語などが異なるため、慎重に検討しなければなりません。
本記事では、大学生の海外留学の代表的な種類・パターンについて説明した上で、大学生におすすめの留学先を6か国解説しています。海外留学に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
大学生の海外留学について
海外留学と一口に言っても、さまざまな種類・パターンがあります。それぞれの特徴をしっかりと把握し、自身の目指す目標や海外留学をする目的と照らし合わせ、適切な方法を選択しましょう。
交換留学
交換留学とは、在籍する大学が「学術交流協定」を結んでいる海外の大学へ留学することです。「交換」という名称から海外の大学と自分の大学が同人数の留学生を交換し合うイメージを持つ方もいるかもしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。
交換留学では、留学中に取得した単位が、所属大学の単位として認定される場合があります。また、留学中の学費は日本で在籍している大学の分のみを支払うので、費用面を抑えられるというメリットもあります。
なお、交換留学には学内選考や留学先の指定などがあり、「誰でもOK」というわけではない分、自由度は低めです。とはいえ、例えば通常は合格が難しい海外の難関に通うチャンスがあったり、選考があるからこそ就活などで企業から高評価を得られたりすることがあります。
認定留学
認定留学とは、交換留学のように「学術交流協定」を結んでいるわけではない留学先を含め、大学が承認してから海外留学を行う制度です。
交換留学と同様に単位認定されることが多いですが、学費は自分持ち、つまり日本の大学の授業料も留学先の大学の授業料も、両方発生するケースが一般的と言えます。ただし、学費の一部が免除になる大学もあるようです。
交換留学とは異なり、特定の留学先以外の選択肢もあります。交換留学よりは認定の選考が緩いため、留学先の自由度は高めと言えるでしょう。
一般留学(休学留学)
休学留学とは、日本で在籍する大学を休学し、その間に海外の大学へ留学することを指します。留学先で学んだ内容は、日本で在籍する大学では単位認定されないケースが一般的。日本在籍分は休学扱いのため免除される場合が多いものの、施設利用料などが一部発生し続ける大学もあるようです。
留学先は自身が所属する大学が協定を結んでいる大学に限らず、自分の意思により自由に選択できます。自分の目的や希望に沿った留学先や、プログラムを選べることはメリットと言えるでしょう。
一方、大学では留学の手続きに対応してくれないため、自分で留学エージェントを通して情報を得るなど、主体的に動く必要があります。
語学留学
語学留学は、語学力向上を目的として行う海外留学です。学生に限らず、社会人も多くの方が語学留学に行っており、基本的には海外の語学センターや語学学校へ留学します。
期間は最短で1週間程度、長くて1年くらいが一般的であり、大学生であれば主に長期休みの期間を利用して参加することが多いでしょう。
語学学校では、現地の言語をまったく話せない入門レベルから、高いレベルまで、自身のレベルに合ったクラスに入学することとなります。言語については、国や地域によっては「なまり」があります。自身が学びたいと思っている言語がきちんと話されているか、事前に確認をしておいたほうがよいでしょう。
その他、さまざまな留学プログラムが存在
ここまで、代表的な海外留学の種類・パターンについて解説してきました。ただし、実際は大学によって、他にもさまざまな海外留学を取り扱っています。例えば、第二外国語として勉強している言語を公用語とする地域に留学する「クロス留学」や、日本にいながら海外の大学の授業をオンラインで受講する「オンライン留学(バーチャル留学)」といったものが挙げられます。
留学を検討している学生は、自身が所属する大学がどのような留学を扱っているのか、留学センターなどに問い合わせてみてください。
大学生におすすめの留学先6選
「留学したいけど、どこの国がおすすめなのか知りたい」という方も多いでしょう。調べれば調べるほどどの国も魅力的に見えてきて、一つに絞るのも大変です。
以下ではおすすめできる留学先を6カ国挙げ、それぞれの特徴について解説していきます。
1.アメリカ
現在もさまざまな面で世界を牽引するアメリカは、留学先としてもおすすめです。国土が広く、大都会から自然豊かな郊外まで、多様な選択肢があります。
アメリカをおすすめする大きなポイントが、有名大学の多さです。教育ランキングの世界的権威として知られる、U.S.News&World Reportによる2022年の「世界のベスト大学ランキング」には最多の271大学が入っており、総合ランキングのトップ10の8校、トップ4校がいずれもアメリカです。ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、コロンビア大学など、一度は聞いたことがある有名校に通うチャンスがあるのは、大きな魅力です。
アメリカの公用語はアメリカ英語で、世界中でも最も多く使われている言語です。国や地域によって訛りがある英語ですが、どの国の人が相手でも聞き取りやすく、伝わりやすい英語が身に付くのがアメリカ留学のメリットと言えます。
アメリカへの留学で気をつけたいのが、物価と治安です。物価は州によってかなり異なり、最大で2倍程度の差があります。留学先として人気のニューヨークやカリフォルニアなどは特に高いので、注意しておきましょう。
治安については、アメリカは銃社会です。銃を持っているのが一般的なため、思わぬ事件に巻き込まれる可能性もゼロとは言えません。もちろんアメリカの中でも州や地域によって差はあり、先に「物価が高い」と述べたニューヨークやカリフォルニアは比較的治安が良好です。とはいえ、日本ほど安定してはいないので、しっかりと自分の身は自分で守るよう、「夜間の外出を避ける」「一人で極力行動しない」といった防衛策を講じましょう。
2.カナダ
カナダは留学先として非常に人気が高い国です。広大な国土に美しい大自然が広がる環境もそうですが、人気の理由には、治安のよさ、生活のしやすさ、そして標準的な英語が学べることなどが挙げられます。
カナダ人は穏やかな国民性として知られ、また移民も多いため多人種も快く迎えてくれます。治安も日本と比べて遜色ないレベル。日本と同じく四季があり、温暖な地域もあれば、冬は氷点下20度を下回るような地域も存在します。
公用語は英語ですが、国の歴史からもわかる通りアメリカ英語とイギリス英語の混合発音になっており、きれいで聞き取りやすいのが特徴です。語学学校の種類も多く、学生寮やシェアハウス、ホームステイといった留学スタイルも多くあるので、自身に合った方法を選択できます。
アメリカほどではないですが、カナダにも有名大学が多数あり、ヴィクトリア大学やトロント大学は優れた学習環境から留学先として人気を集めています。
最後に物価ですが、カナダの物価は日本と比較して驚くほど高いということはありません。バンクーバーなどの都市部は高い傾向にありますが、そこまで大きな地域差はないでしょう。
3.オーストラリア
南半球に位置するオーストラリアは日本と季節が反対ですが、温帯~熱帯に属しているためあたたかく、過ごしやすい国です。広大な国土があり、雄大な大自然が魅力であると同時に、近代的な都市も存在します。
教育のレベルも高い上、留学生を守る法律が存在することから、留学先として安心できる環境が整っています。世界的に有名な大学というのはあまりありませんが、モナッシュ大学、ニューサウスウェールズ大学などは教育内容と留学生のサポートが充実しています。
オーストラリアは治安も比較的よく、留学先としておすすめです。しかしその一方、英語の勉強と物価については懸念があります。
公用語は英語ですが、人によっては「訛り」と捉えられる独特なイントネーションに触れることもあるでしょう。ただし、発音に関してはアメリカ国内であっても地域差があるため、一概に「オースラリアがよくない」という訳ではありません。一般的なコミュニケーションを目的とした語学習得であれば、大きな影響はないでしょう。
物価については、全体的に高い傾向にあります。都市による差もあり、シドニーは高い一方で、同じく大都市であるブリスベンやメルボルンは比較的安めです。
4.イギリス
イギリスは高緯度に位置する割には過ごしやすく、近隣のヨーロッパ諸国へのアクセスも良好なことから海外留学に人気の国となっています。治安もヨーロッパの中ではよいほうなので、注意して生活していればそれほど身の危険を感じることはないでしょう。
教育については公立大学が多く、教育の質が高く保たれており、2022年「世界のベスト大学ランキング」では89校がランクインしています。オックスフォード大学やケンブリッジ大学といった世界的に有名な大学はもちろん、他の大学でもレベルの高い教育を受けることができます。
英語の勉強にも適していますが、日本で一般的に習得するアメリカ英語に対し、イギリスではイギリス英語が使われています。文法などは基本的に同じですが、使用する単語や発音が異なる場合があるので注意が必要です。
イギリスの物価は、総合的に日本より高いと言えます。イギリスをはじめ西欧諸国は日本に比べて物価の高い国が多いため、資金計画はしっかりと立てるようにしましょう。
5.フィリピン
リゾート地もある温暖な気候で、また比較的安い費用で留学できる点が魅力のフィリピン。物価は日本よりかなり安いため、お金に余裕を持って留学生活を送れるのは嬉しいポイントです。
学校ごとに、多くの種類の留学コースがあります。世界的な有名校はあまりありませんが、自分の目的に沿った学校を選ぶことができるでしょう。
フィリピンでは公用語に英語が使われており、英語の語学学校にも多くの講師がいます。ただし、フィリピンで使われている英語はネイティブのアメリカ英語とは違いがあり、きれいなアメリカ英語を完璧に発音できるフィリピン人講師はそこまで多くありません。ネイティブなアメリカ英語を学びたいなら、より入念な下調べが必要です。
フィリピン留学で気をつけたいもう一つのポイントは、治安です。首都のマニラは危険度が高いため、特に注意が必要。その他、留学先として人気のセブはマニラよりはよいものの、中心エリアを少しでも出ると街の様子が変わってくるので覚えておきましょう。
6.シンガポール
シンガポールは国土が東京23区と同じくらいと狭い中、多岐に渡るルーツの方が暮らす他民族国家です。国を挙げて起業家育成に取り組んでおり、優秀な会社や企業が続々と集まってきています。今まで挙げた5か国と比べて特別人気が高いわけではありませんが、年々留学生や外国人移住者が暮らしやすい環境が整備されています。
また、シンガポールは非常に治安がいい国として知られています。実際、犯罪発生率は日本よりも低く、2021年の世界平和度指数ランキングでも11位とアジア最高位です。(日本は12位)
公用語が英語含め4種類あり、語学留学の際には英語はもちろん、中国語も学ぶことができます。教育水準も高く、2022年「世界のベスト大学ランキング」では、アジアのトップ3にシンガポール国立大学と南洋工科大学の2校が入りました。なお、語学学校の講師は大丈夫ですが、現地のシンガポール人はアメリカのネイティブ英語と異なる、シンガポール特有のなまりを使用することがあります。
また、シンガポールは物価が日本よりも高い傾向にあります。特に家賃については、土地が狭い分高額になりがち。留学する場合は学生寮を選択肢に入れるなど、うまくやりくりできるようにしましょう。
まとめ
本記事では、海外留学先として人気の6カ国についてご紹介しました。コロナウイルス感染症による渡航制限についても徐々に緩和されてきており、数年ぶりに留学が活発に行われるようになってくると思われます。留学を検討している方の参考になれば幸いです。
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