新型コロナウィルス感染拡大の影響で、就職活動(以下、就活)の様相は大きく変わりました。会社説明会はもちろん、面接もオンラインで実施するなど、これまでの就活の常識が一瞬のうちにアップデートされたことは、皆さんもご存じのとおりです。
一方、経団連の定めていた「就活ルール」が廃止されたこともあり、昨今は就活の早期化を進めている企業も少なくありません。大学1年生のみなさんの中には、就活に不安や焦りを感じている方も多いと思います。いざ対策を立てて行動しようと思っていても、「どんな準備をすればいいのか分からない」と悩む人も多いでしょう。
そこで今回は、本格的な就活に向けて大学1年生のうちから始められる就活対策や、その際の注意事項についてご紹介していきます。
今後の就活・採用動向はどうなる?今後の傾向について
形骸化した就活ルールが廃止に
経団連が行っていた就活ルールが廃止となったことは記憶に新しく、以降は政府が主導するという方針も発表されています。
しかし、経団連に加盟していない企業も多く、就活ルール自体はこれまでも形骸化していた事実があります。加盟していない企業が優秀な学生を早くから囲い込みを行うといった流れは今までもあり、今後も加速することが見込まれます。
新卒一括採用から通年・インターン採用などの多様化へ
また、政府は専門性の高い学生の就活を前倒しする方針も示しており、26年卒以降の就活スケジュールには変化が起こると予想されています。積極的に就活を行いたい学生や、優秀な学生が動きたいタイミングで就活が可能になるような時代になっていくと考えられるでしょう。
これまでもいくつかの企業で行われている実態があるインターン採用や、通年採用といった採用活動などがますます主流になると考えられ、今後は就活シーズンというもの自体がなくなっていく可能性もあります。
大学1年生から就活準備をしておくべき理由
この記事を読んでいる皆さんの中には、「就活の準備はいつからやっておけばいいのだろう?」と漠然と考えている人たちが多いかもしれません。あるいは、大学1年生から就活準備をするメリットが分からず、準備をするべきか悩んでいる人もいるでしょう。
将来の選択肢が広がる
大学1年から就活準備をする一番のメリットとしては、就活における選択肢が広がる点にあります。大学3年から就活をスタートしたとしても就職することは可能ですが、大学1年から始めていることにより余裕を持って就職活動を行うことができますし、大学3〜4年期間の就活本番までの時間を有効活用できるため、他の就活生よりも有利に立ち回ることが可能になります。
自己分析に時間をたっぷり使い自分の志望する業界や仕事を深く知れたり、企業分析やインターン参加に時間を使うことができます。そうすることで自身の希望する企業と巡り会う確率が高まります。
就活の早期化に対応しやすくなる
21年度以降の「就活ルール」廃止に伴い、昨今の就活事情は早期化が加速している状況です。大学3年生のインターンで事実上の内々定を獲得したり、大学3年生の3月頃から選考や内定が決まっていくなど、企業も優秀な学生を早い段階から囲い込みしたいという理由もあり、今後も就活の早期化は進行していくと考えられます。つまりは、今後はよりいっそう、実力が見込める学生を優先して採用していくということになります。
大学1年から就活準備を行っておくことで、各企業に見あったスキルを身につけ、早期化に対応することが可能になります。
選考で評価される能力をしっかりと身につけられる
企業の人材採用の大きなトレンドとして、「ジョブ型雇用への移行」が起こっています。「総合職」などの大きなくくりで採用し、入社後に配属を決定する従来の雇用方法ではなく、「営業職」「デザイナー職」「企画職」「エンジニア職」といった特定の仕事(ジョブ)を採用段階から決定した上で雇用するやり方へ移行しているのです。
そんな中で強まるとされているのが、実力を重視した採用の傾向です。これまで企業は、比較的短い一定の期間内に学生を採用しなければなりませんでしたが、早期化によって、企業はより余裕を持って採用活動を行えるようになります。
そのため、企業は学生のことを知る機会を多く持つことができ、学生の能力をしっかりと把握した上で、慎重に特定のジョブに適した学生を採用していきます。つまり、新卒でも即戦力につながるような能力が評価されやすいということです。
大学1年生のうちから就活の準備を進めて、仕事で必要とされる能力をしっかりと見極め、それを習得することができれば、他の学生の数歩先を行く就活ができるはずです。
必要なスキルを身につける時間が取れる
大学1年生から就活を始めるということは、それだけ多くの時間が取れるということになります。先述しましたが、実力が問われ始めると考えられる昨今の就活事情では、早い段階から対策を立てて就活を早めに始めておくことが重要になってきます。
- 企業で活躍する資格習得する
- 英語の勉強をする
- インターンシップに参加する
- ボランティアなどに参加する
就活で生かせるスキルとしては簡単に上記の内容が考えられます。エンジニアやプログラミング関連であればIT知識に関する資格を取得したり、グローバルな活躍ができるようになるために英語の勉強を行っておくなどです。他にも、志望する企業の長期インターンシップに参加して実績を残し、企業から採用に関して優遇してもらえることを狙える可能性もあります。
このように、大学1年生から就活準備をすることで、自分の志望する企業へ就職できる可能性を高めることができます。
大学1年生から始められるおすすめ就活対策
就活を有利に進めたいと思い始めた人は、これからご紹介するおすすめ就活対策を実践してみてください。
自己分析をして、自分の価値観や将来のビジョンを明確にする
就活において必須ともいえるのが、自己分析です。自己分析とは、フレームワークや適性診断ツールを使って、自分の強みや弱み、価値観を把握するための方法です。
自己分析の目的は、大きく分けて2つあります。
- 自分の強みや価値観を他者に分かりやすく伝えるため
- 将来のビジョンを持つことで、企業選びの軸を明確にするため
自分の強みや価値観を他者に分かりやすく伝える
多くの就活生がいる中で、就活では、相手の企業にいかに自分のことを知ってもらうかが重要です。
企業は最初、あなたのことを何も知りません。初回の面接やエントリーシートなど、自分をアピールできる場が限られている中、自分のことをしっかりと把握していなければ、自分の強みや価値観をうまく相手に伝えることができません。
自己分析をして初めて、就活のスタートラインに立てるといっても過言ではないです。
就活をやり切るためには、就活の目的をしっかりと意識することが大切です。どんな企業を探せばいいのか、将来何をすればいいのかが分からないままでは、自分が働きがいを感じられる企業を見つけることは難しいでしょう。
将来のビジョンを持つことで、企業選びの軸を明確にするため
自己分析をすると、自分の価値観を洗い出し、将来のビジョンを具体的に描くことができるので、企業を選ぶ基準もおのずから見えてきます。つまり、どのような業界b や職種、企業体制、社風を選びたいか、そして自分自身がどんなキャリアを積んでいきたいかなどを、明確にすることができるのです。
また、企業選びで重要な要素は、エントリーシートや面接でもよく質問されるキーワードでもあります。事前によく考えて準備しておくことで、質問に対してぶれない返答ができ、採用担当者にも好印象を与えることができます。
業界研究・企業研究をして企業への理解を深める
やりたい仕事や気になる企業が出てきた人は、次に業界研究・企業研究をしてみましょう。そもそも、どんな業界や企業があるのかを知りたいという人にとてもおすすめです。
特に大学1年生は、業界や企業の事情について知らない人も多いでしょう。そんな人は自己分析をする前に、まずぞれぞれの業界の種類や特徴を把握してから、業界ごとにより詳しい研究をしていくのがコツです。
とはいえ、手当たり次第に新聞やニュースサイトをチェックすると、あまりの情報量に疲れてしまいます。また、特定の企業ばかりに目を向けていると、企業選びの視野が狭くなってしまいます。
業界全体の構造や動向をざっくりと把握した後で、個別の企業を研究すると、さらに企業への理解が深まるでしょう。
希望する就職先に向けたスキルを身につける
就活の早期化に伴い、企業側も就活生の実力を踏まえて内定を出す傾向が強まっていくと考えられます。そのため、企業が求めるスキルを持っていることは大きなアドバンテージになります。
自己分析や企業分析を経て、希望する業界や職種を見極めることができたら、就職先で活躍できるスキルを身につけましょう。海外事業への参加がしたい場合は英語などの語学力を磨いたり、ITなどの専門知識を身につけるといった具合です。
合同説明会に参加して情報を収集する
就活生に向けて行われている合同説明会に参加することも、情報収集の手段としておすすめです。特に最近の傾向としてオンライン開催しているケースが多いため、移動時間や交通費もかかることがなく手軽に参加できることもメリットでしょう。
合同説明会では多くの企業が集まって開催していることもあり、自分の知らない企業に出会う場合もあり、就活における選択肢や可能性を広げることができます。
インターンシップを通して実務経験を積む
インターンシップ(以下、インターン)とは、企業が学生に向けて実施している一定期間の就業体験制度です。インターンの目的は、学生が自分の適性を把握したり、仕事の内容を理解したりすることです。
近年では、インターンでの実績をもとに優秀な学生を確保する動きをする企業も多く、就活本番のシーズンよりも前に内々定を出していたりなどの囲い込みを行なっていることもあります。そのため、インターンへの参加や、長期インターンで実績を出すことが就活を有利に進めるためのコツとも言えるでしょう。
大学1年生からインターンを経験している人は、まだまだ多くはありません。そんな中で1年生から始めていれば、就活で大きなアピールポイントになります。
大学1年生から利用できる就活サービスに登録しておく
就活では、いち早く情報をキャッチし、行動に移していくことが非常に重要です。その点、大学1年生のうちから就活を考えている皆さんは、すでに同期よりも前進しているといえるでしょう。
そこでさらに前進するために、大学1年生から利用できる就活サービスに登録してみてはいかがでしょうか。
これからご紹介するサイトやサービスは就活に役立つものばかりなので、ぜひ参考にしてください。
インターンシップ求人サイト
インターンの重要性は先にお伝えしたとおりですが、早速始めてみたいと思った方は、まず求人サイトに登録してみましょう。
このような求人サイトは、企業が広報メディアとして活用している側面もあるため、インターン情報だけではなく、現役社員のインタビューを読んだり、各企業の社風を垣間見ることもできます。あるいは、これまで自分の知らなかった企業を見つけられるかもしれません。
特にベンチャー企業の求人が多いので、そういったタイプの企業に興味がある人にもおすすめです。
企業の口コミサイト
業界研究や企業研究で、もっと企業の雰囲気や働き方について詳しく知りたい場合に、口コミサイトがおすすめです。
実際に働いている・働いていた人たちの本音や、志望動機、給与、福利厚生などの実態が分かるので、よりリアルに近い企業イメージがつかめます。
しかし、口コミサイトという特性上、さまざまな内容の書き込みがあるので、すべてをうのみにせず、あくまで参考程度に考えておきましょう。
OB・OG訪問サービス
先輩や社会人との人脈がまだまだ少ない大学1年生にとって、OB・OG訪問サービスはとても役に立ちます。OB・OG訪問は、選考以外で社会人から直接話を聞ける貴重な機会です。
面接を通過するコツなど、説明会では聞けないような話を気軽に聞くことができます。特に大学1年生にとっては、自己分析や企業研究をする上で、有益な情報となるでしょう。また、面接の予行演習にもなるため、進んで活用したいサービスです。
HATARACTION! メンバーシップもおすすめ
『HATARACTION!メンバーシップ』では、就活とキャリア形成に役立つ有益情報発信や、国家資格を取得しているキャリアコンサルティングのプロとの面談を提供しています。無料で登録できますので、就活に向けた情報収集をしている大学生の方はぜひご登録ください。
大学1年生から就活の準備を始める際の注意事項
これまでご紹介したように、大学1年生から就活を始めることは、多くのメリットがあります。その一方で、始める際の注意事項も知っておくと、より充実した大学生活を送ることができるので、ぜひ参考にしてください。
常に最新情報を追っておく
就活の情報は、常にアップデートされています。あなたが同期や先輩から聞いた情報は、すでに古い内容になっている可能性もあります。
どの業界がどのような状況なのか、あるいはどんな就活の方法が便利なのかなど、最新の業界・企業情報や就活のトレンドに目を光らせておきましょう。また、今流行っているサービスや製品、本、注目のテクノロジーなど、経済全体のトレンドを追っておくこともおすすめです。
新しいばかりでなく、きちんと正しい情報を得るためには、自分から積極的に情報を得ようとする姿勢とともに、情報に惑わされずしっかりと本質を見抜く情報リテラシーを養っておくことも、極めて重要です。
学業をおろそかにしない
アルバイトやサークル、そして何よりも学業との両立を考えて、就活の準備をしましょう。
大学1年生という新しい環境で、いろいろなことにチャレンジするのはとても望ましい姿勢です。しかしその一方で、大学での単位取得をはじめとする「学び」をおろそかにしてしまっては、せっかく大学に在籍している意味がありません。
新しい生活リズムに慣れないうちから、ただやみくもにあれこれやってみても、どれも中途半端に終わってしまうことになりかねません。単位が足りずに留年してしまう可能性も十分にあり得ます。
そこで、就活に本腰を入れる時期を見定めて、いつでも切り替えができるようにしっかりと優先事項を決め、大学1年生として最も充実した生活を送れるようなプランを立てましょう。
趣味や友達との時間も大切に
大学生活で趣味を持つことや、友達と過ごす時間はかけがえのないものです。大学時代の友達とのつながりは、社会人になってから思いも寄らぬ場面で役に立つことがありますし、趣味に打ち込めば、就活でのアピールポイントにもなります。
決して閉鎖的にならず、今までやったことのない趣味にチャレンジしてみたり、さまざまな部活、サークル、コミュニティーなどに参加したりして、できるだけ多くの豊かな経験を積んでください。
この先の人生で、あなたが本当に打ち込みたいことは何なのか? 就活という観点以外で、見えてくることがあるかもしれません。
まとめ
今回は、大学1年生から就活の準備をしておくべきメリットやおすすめの対策について、ご紹介しました。この記事を読んで、早速就活の準備を始めたいという方は、まずは自己分析や業界研究から始めてみてください。
特に自己分析の内容は、あなたがこの先、就活をスタートし、面接や入社試験などの本番を迎えるまでに、繰り返しアップデートしていくことになります。その都度、自己分析を振り返ることであなたの成長を実感できる機会となり、就活のモチベーションへとつながるはずです。
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