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起業とは何なのか?個人事業主やフリーランスとの違いを大学生向けに分かりやすく解説

IT社会の発展にともない、個人が発信する力や情報収集する力は以前より大きくなり、はたらき方の多様化が進んでいます。昨今は起業をするハードルもぐんと下がり、大学生でも自分でビジネスをしている人は少なくありません。しかし「起業とは具体的に何なのか」「よく聞く個人事業主やフリーランスとは違うの?」と疑問に思う人もいるでしょう。この記事では、起業の概要について、個人事業主やフリーランスとの違いを大学生向けに分かりやすく解説します。それぞれのメリット・デメリットもあわせて確認しましょう。


そもそも起業とは?

起業とは「新しく事業を起こす」ことを指します。お金を払ってでもユーザーが解決したいことに注目して、サービスや製品を新たな事業として生み出していくことが起業です。この場合、事業規模や法人、個人事業主などの事業形態は問いません。また、起業した人のことを「起業家」といいます。現在の企業や事業は自然と生まれたわけではなく、起業家によって生み出されています。社会に存在するあらゆるサービスや製品のおかげで暮らしが豊かになっていることからも、起業家は社会に貢献している存在だといえるでしょう。

起業に似た言葉との違い

開業

開業は、法人ではなく個人が新しく事業を始める場合に使う言葉です。特に医師や弁護士、コンサルタントなど、資格やスキルを持つ人が自分の病院や事務所を開く場合や、飲食店や古着店などの店舗を新しく構える場合に使います。この呼び方は、個人が事業を始める際に税務署に提出する「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」にゆえんがあるようです。

独立

独立とは、勤めていた会社を退職して、どこにも属していない状態を指します。必ずしも独立イコール起業とはならず、独立した先の選択肢の一つとして起業があります。

創業

創業は起業と同じく新しく事業を始めることを指すため、意味するところは同じです。ただし、言葉として利用するシーンに違いがあります。例えば「創業〇周年」などの表現は聞いたことがあるのではないでしょうか。一方で「来年創業する」とは表現せず「来年起業する」というのが一般的です。意味としては同じでも、使い方が異なるという点だけ覚えておきましょう。

起業と個人事業主の違い

個人事業主は起業する方法の一つ

起業する際には「個人事業主」と「法人」のどちらで事業を行うかを決定します。ここからは個人事業主の特徴とメリット・デメリットを解説します。

違い①:法人かどうか

個人事業主で起業をすると非法人となります。ちなみに法人とは「法律によって人と同じ権利や義務を認められた組織」のことです。個人事業主は株式会社や合同会社ではないので、ビジネスで得た利益を社員や株主などに分配することはなく、IPO(新規株式公開)や資金調達を経験することはありません。

違い②:規模感の違い

個人事業主は「個人」で「事業」を行っている人のことで、事業の関係者は起業した当事者のみとなります。組織のように行動することは少ないので、事業の成長に合わせて新しく人を雇用したり、資金調達をしたりして事業規模を大きくすることも多くありません。ただし、ここでいう個人とは「一人」という意味ではなく、あくまで法人の対義としての個人となるため、従業員を雇用することもできます。

個人事業主になる方法

個人事業主になるには、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を所轄の税務署へ原則として提出する必要があります。これにより、個人事業主として申告・納税することを税務署に知らせることができます。基本的には開業届さえ税務署に提出してしまえば個人事業主となれるため、ハードルがそれほど高くないことが特徴です。

一方で、個人事業主になったと同時に、年金や健康保険などの手続き、確定申告といったものの準備を行っておく必要があります。個人事業主としての手続きが簡単でも、自分で管理する範囲は一般的な会社員よりも多くなるため注意が必要です。

個人事業主のメリット

手続きが簡単

個人事業主は法人設立に比べて開業手続きが簡単です。開業するだけなら開業届を税務署に提出するのみです。なお、開業日から1カ月以内に提出することが求められているので、早めに提出するようにしましょう。

初期費用がかからない

個人事業主の開業にかかる初期費用は0円です。開業に必要な開業届等の書類は国税庁のホームページからダウンロードできます。一方、法人の場合は法定費用と資本金を合わせて、株式会社なら約25万円、合同会社なら約10万円の初期費用が必要になります。さらに事業を廃止する際も、個人事業主は廃業等届出書などを提出するだけで費用はかかりません。

一定の所得まで税額が低い

個人事業主が支払う税金は全部で4種類あり、所得税、消費税、住民税、個人事業税です。このうち、消費税と個人事業税は、特定の人のみが納付し、所得税と住民税はすべての人が支払う対象となります。対して法人では、法人税、消費税、法人住民税、法人事業税を納めることになります。個人事業主は法人と比べて、税率の違いから一定の所得まで税額が低くなることがポイントです。ここでは詳細は省きますが、気になる方はぜひ調べてみてください。

個人事業主のデメリット

信用度が低い

個人事業主は法人と比べて手続きが簡単などのメリットがありますが、その半面、社会的な信用は法人よりも劣るといえます。中には、社内手続きの煩雑さから個人事業主との取引を避ける企業もあります。また、クレジットカードを作成したりローンを組んだりする場合、定期収入のある会社員と比べて個人事業主は審査のハードルが高くなることにも注意が必要です。少しでも信用を得るためには、開業届を提出する際に、屋号(社名に相当する名前)を付けることなどが考えられます。屋号があれば、その名称で銀行口座をつくれるようになるので、個人名義の口座よりも取引相手の信頼は得やすいでしょう。

経費にできる範囲が狭い

経費とは事業上で要した費用のことを指します。経費に含まれる費用が多いほど、事業所得の計算で所得に対してかかる税金を抑えられるようになります。経費として扱える範囲は、個人事業主のほうが法人と比べて狭いようです。というのも、個人事業主の場合は事業用かプライベート用かの判断がつきにくく、経費として認められないことがあるからです。例えば、個人事業主がパソコンを購入して仕事とプライベートの両方で使用すると、パソコンの購入費は全額ではなく一部のみが経費に計上されます。一方、法人の経営者は、必ず利益を獲得しなければならない立場であるという前提のため、基本的に仕事で使用するものは経費として認められやすくなります。

利益が増えると税負担も増える

先述のとおり、個人事業主には累進課税として所得税が課されます。これは所得が増えるほど税額が大きくなる制度で、税率は最大で45%となります。ほかにも消費税、住民税、個人事業税などがあり、所得が増えると税負担も増します。一方、法人には法人税が課されますが、累進課税制度は適用されていないため、税率はほぼ一定となります。そのため、会計上の損益分岐点を考慮して、個人事業主から法人化する人も少なくありません。

起業とフリーランスの違い

フリーランスは「はたらき方」を指す言葉

フリーランスとは、企業や組織に所属せずに仕事に応じて契約するはたらき方のことを指します。よって、フリーランスには個人事業主だけでなく法人も含まれます。法律(税法)による区分ではないので注意しましょう。

フリーランスとは

フリーランスと個人事業主の違い

フリーランスははたらき方を意味するので、個人事業主でもフリーランスとして仕事は行えます。逆に個人事業主ではない、つまり開業届を提出していないけれども、どこにも所属せずに仕事をしている人のこともフリーランスといえるでしょう。

フリーランスのメリット

仕事を自分で選べる

仕事を自分で選べることは、多くのフリーランスにとってメリットになります。サラリーマンは会社から与えられた仕事をして給与を得ますが、中にはモチベーションの上がらない仕事もあるでしょう。その点フリーランスは、不得意な仕事や気が乗らない仕事はやる必要がなく、大幅にストレスを抑えることができるでしょう

はたらく場所や時間が自由

基本的にフリーランスはタスクやプロジェクトごとに契約して仕事をするので、品質や納期さえ満たせばどのようにはたらいても構いません。例えばパソコン作業であれば、自宅やカフェなどで、朝でも深夜でも好きなようにはたらくことができます。

成果をそのまま収入にできる

サラリーマンは基本的に毎月定額の給料を得ることが多いですが、フリーランスは成果が所得に直結します。はたらいた分だけ収入が増えるフロー型としても、はたらかない間も収入を得られるストック型としても、自由自在に収入を得られる可能性があります。収入が自分次第で決まることはフリーランスのメリットとして挙げられるでしょう。

人やチームの管理が必要ない

フリーランスは企業や組織に所属していません。よって、チームで仕事をすることはあまりなく、他者をマネジメントする必要もありません。サラリーマンとしてやりたい仕事ができているのに、人間関係が原因で転職する人が少なくないことを考えると、人やチームの管理が必要ないことは、フリーランスならではの利点といえるかもしれません。

フリーランスのデメリット

収入が不安定

フリーランスのメリットは成果がそのまま収入になることですが、一方ではデメリットにもなるといえます。例えば、体調を崩して仕事ができなくなれば、その分収入は減少します。また、計画どおり仕事を受注し続けられる保証もないため、サラリーマンと比べると収入が不安定になるでしょう。

社会的信用が不安定

フリーランスは収入が不安定で保証されていないことに加え、社会的信用も不安定だといえます。対してサラリーマンは社会的信用が安定している傾向にありますが、これは安定的な収入があるからです。社会的信用が必要な場面には、ローンを組んだりクレジットカードを発行したり、企業と取引したりする際などが考えられます。社会的信用を高めるためには、確定申告書の控えを残し、預金額を増やしておくなどの対策が必要です。

まとめ

この記事では、起業とはどのようなものか、個人事業主やフリーランスとの違いを交えながら解説しました。大学生にとってはあまりなじみのない起業の概要ですが、新しく事業を起こしたいと考えている方は、ぜひこの記事で理解を深め、自身のビジネスの参考にしてください。

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