短期留学と長期留学の違い
留学は期間の長さによって、短期と長期に分けられます。ここでは、短期留学と長期留学の違いについて解説していきます。
3カ月以内は短期
基本的には留学期間に明確な定義はありませんが、一般的に、短期留学は3カ月以内の留学を指すことが多いようです。最短1週間程度で参加できるプランもあるため、長期休暇を活用したり、長期留学前のお試しとしてチャレンジしたりすることもできます。
半年以上からが長期
一方で、長期留学は半年から1年以上を指すことが多いようです。現地にある大学の学部卒業などを目指す場合は数年間に及ぶ留学になりますが、語学力向上などが目的であれば、1年前後の期間が目安になるでしょう。
短期と長期どっちがおすすめ?
「長期留学と短期留学のどちらがおすすめなの?」といった疑問を持つ人もいるでしょう。ここでは、留学プランを選ぶ際に、参考にすべき項目について解説します。
留学の目的によって変わる
短期留学と長期留学にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、自身の留学の目的と照らし合わせて留学プランを選択する必要があります。
例えば「現地の雰囲気や文化に触れてみたい」という人であれば、短期間の留学で十分でしょう。一方で「現地の言語をマスターしたい」という人であれば、長期間の留学が必要になります。
まずは、短期留学・長期留学を選ぶ理由を確認してみましょう。留学プランを決める際の参考にしてみてください。
短期留学を選ぶ理由
- 長期留学の前のお試し留学
- 夏休み期間を使った留学
- 留学しながら観光・アクティビティ体験もしたい
以上のように、長期留学のお試しやまとまった時間をつくるのが難しい場合などには、短期留学がおすすめです。
長期留学を選ぶ理由
- ネイティブレベルの語学力を身につけたい
- 海外の大学で単位を取りたい
- 海外で就職がしたい
- ワーホリがしたい
語学習得に対する高い熱量を持っている、または海外の大学に通いたいなどの明確な目的がある場合は、長期留学をおすすめします。
かけられる費用によって変わる
長期留学か短期留学かを悩む上で、大きなポイントになるのが留学に必要なコストです。留学中は滞在費や食費などの生活費に加えて、語学学校の授業料などが必要になります。
当然、滞在期間の短い短期留学のほうがコストは抑えられますが、コストパフォーマンスが高いのは長期留学のほうになります。実は、留学に必要な費用は期間が短いほど割高になるのです。
例えば、語学学校にかかる費用は長期割引が使える場合があり、長く通えばお得な学費で授業を受けられることもあるでしょう。それ以外にも、飛行機での移動費や語学学校の入会金など、短期・長期にかかわらず同じだけかかる費用があるため、短期での留学はどうしても割高になってしまう傾向があります。
短期留学のメリット
短期留学・長期留学には、それぞれメリットとデメリットが存在します。それらを理解しておくことで、自身の目的にあった留学プランを決められるようになります。長期か短期かで悩んでいる人は、まずはそれぞれのメリット・デメリットを把握しておきましょう。
短い期間で参加できることから、学生にも人気の高い短期留学。ここでは、短期留学のメリットについて紹介していきます。
費用を抑えられる
短期留学は滞在期間が短いため、その分費用も抑えられます。必要となる費用は滞在する国や語学学校によっても変わりますが、数十万円から参加できる場合が多いようです。経済的に余裕がない学生にとっては、短期留学のほうがチャレンジしやすいといえるでしょう。
しかし、先にも説明したように短期留学は長い目線で見れば割高になりがちです。費用面だけを考えると、短期留学を何度も繰り返すよりは長期留学を選択したほうがいいかもしれません。
長期休みを活用して気軽に行ける
長期休みを活用して挑戦できる点が短期留学の大きな魅力です。大学生であれば長期休暇を利用して、1~2カ月程度の短期留学に行く人が多いでしょう。夏季や冬季などの長期休みを活用した短期留学は授業を休む必要もなく、学業に支障をきたさない範囲で気軽に挑戦できます。
準備が楽
短期留学は長期留学に比べて、圧倒的に準備が楽です。短期であれば、必要な費用や荷物などの準備も比較的少なく済むでしょう。また、住んでいる家の解約や大学の休学手続きなどの必要もなく、旅行と同じような感覚で行くことができます。お試し感覚で留学してみたい人は、面倒な手続きや準備が少ない短期留学がおすすめです。
ビザが不要なことが多い
ビザを申請する必要がなく、パスポートだけで行ける場合が多いのは、短期留学のメリットです。注意すべきポイントは、国ごとの規定によっては短期留学でもビザが必要になる場合があるということ。留学を考えている国のビザ事情を前もってチェックしておく必要があるでしょう。
語学に自信がなくても挑戦しやすい
語学学校であれば最短1週間から受け入れてもらえるため、途中で挫折する心配も少ないといえます。短期留学を通して語学に自信がついたり、さらに興味が湧いたりした場合には、新たに短期・長期留学を計画するのもよいでしょう。語学に自信がない人は、まずは短期留学に挑戦することをおすすめします。
短期留学のデメリット
短期留学には良い面だけでなく、いくつかのデメリットも存在します。一般的には、次のようなデメリットが挙げられます。
飛躍的な語学力向上は期待できない
個人差もありますが、言語の習得には相応の時間が必要になります。そのため、短期留学では「やっと言語に慣れてきたころに留学期間が終わってしまった」ということが多いようです。短期留学を通しての飛躍的な語学力向上は期待できないため、本格的に現地の言語を習得したい人は、留学の期間を慎重に選びましょう。
就活ではあまり有利にならない
就活では留学したという事実ではなく、なぜ留学したのか、留学を通してどれぐらい言語を身につけたのかといった点が重要視されます。しかし、短期留学では語学力の大きな向上は難しく、それほど強いエピソードにはならないというのが現状です。
短期留学の経験を就活で活かしたいのであれば、短期留学を経験した上で帰国後に何かしらの行動を起こすことが必要になるでしょう。
留学先に日本人が多いことも
短期留学では「留学先に行ってみたら日本人が多くいた」ということがよくあるようです。日本人がいると安心するという見方もできますが、留学の目的が語学力向上の場合、目的達成を妨げることになるかもしれません。
語学力向上を目標とする場合は、特定の言語を使わなければならない環境に身を置くことも大切です。留学先に日本人が多く滞在していることで、言葉の通じる日本語に頼ってしまう状況になっては、目的達成に支障をきたすことも。せっかく留学するのであれば、コミュニケーションスキルを向上させるために、留学先がどのような状況でどんな人がいるのかをしっかりと確認しておく必要があります。
長期留学のメリット
長い時間の現地生活を通して、さまざまなチャレンジができる長期留学。短期留学と比べると参加するハードルは高いですが、その分得られる成果も大きくなります。ここでは、長期留学のメリットについて紹介していきます。
語学力の向上が期待できる
長期間にわたって現地の言語を使って生活していれば、確実に語学力は向上していくでしょう。個人差はありますが、日常会話レベルはもちろん、現地特有のスラングやアクセントまで覚えることもできます。言葉をある程度まで扱えるようになると、現地の人との会話が増えてどんどん語学力が向上していくでしょう。
語学力向上を目的とする人であれば、現地の人と長い時間を過ごせる長期留学をおすすめします。
海外にいることが日常になる
長期留学中には生活にも慣れ、いつのまにか海外にいることを当たり前に感じるようになるでしょう。そのような感覚を得られれば、海外に行くことに対する抵抗や不安がなくなり、帰国後もさまざまな国に留学や旅行に行けるようになります。
また、海外にいることが日常になれば、自然と周囲の人との関係性も築けるようになるはずです。そうすれば、残りの留学生活もどんどん楽しいものになっていきます。
自信や度胸がつく
文化が違う国や言葉が通じない環境に飛び込んだ経験は「どんな環境でも自分ならできる」という強い自信へとつながります。また、留学中は自ら新しい友人をつくったり、自分の考えを主張したりする度胸も磨かれていくでしょう。長期留学をやり遂げたことは、帰国後にも大きな自信として残り続けます。
将来の選択肢が増える
長期留学を通して異文化や多様な価値観に触れることで、日本での生活では知ることができなかった世界にまで視野を広げられます。その中で、興味のある活動や分野に出会い、新しい将来のビジョンが見えてくるかもしれません。
長期留学によって得た経験は、自身の視野を広げ将来の選択肢を増やすことにもつながるのです。
就活で有利になる
長期留学の経験は就活で有利に働くことがあります。特にグローバルな仕事に関しては、長期留学で身につけた語学力が大きなアドバンテージになります。また、異文化や物事に対する多様な考え方を理解している人材は、採用側としても魅力的に映るでしょう。
語学力を活かす仕事以外にも、長期留学に挑戦した行動力や度胸、それをやり遂げたという実績があれば、就活に活かせる可能性は高いといえます。
長期留学のデメリット
長期留学は得られる成果が大きい分、かかるコストが大きくなるといったデメリットもあります。ここでは、長期留学のデメリットについて紹介していきます。
費用がかかる
先に述べたように、長期留学は短期留学に比べて長い目で見れば割安ではありますが、大きな費用がかかることは避けられません。そのため、留学前にしっかりと必要な費用を計算し、余裕を持って準備しておくことが大切です。
留学する人の中には、留学用の奨学金や補助金を支給してもらえる制度を活用する人も多いようです。できるだけ費用を抑えて留学するためにも、支援制度について情報収集しておきましょう。
場合によっては、現地でバイトをする必要がある
留学に必要な資金を用意できない場合、現地でバイトをするという選択肢もあります。留学先でのバイトは、生活費を稼ぎながら現地のリアルな日常を体感できる貴重な経験になるでしょう。
しかし、留学中のバイトは働ける期間が限られているため、そもそも探すのが難しいという問題があります。また、言葉が通じない環境で仕事をすることは、想像以上に大きなストレスがかかります。バイトに時間や労力を注ぐあまり、勉強がおろそかになってしまう可能性もあるでしょう。
充実した留学にするためにも、現地でバイトをする場合は本来の目的を見失わないようにすることが大切です。
ビザなどの手続きが大変
長期留学では、ビザなどの複雑な手続きが必要になります。ビザの申請には長くて1カ月程度かかる場合もあるため、余裕を持って準備を進める必要があります。また、発行するビザの種類も多く、しっかりと確認しておかなければなりません。他にも、1人暮らしであれば家財の処理や引き払い、帰国後に再び家を探す手間・時間なども考慮しておきましょう。
まとめ
短期留学・長期留学にはそれぞれメリット・デメリットがあり、留学の目的に沿って最適なプランを選択する必要があります。
もしも、語学をマスターしたいなどの大きな目標や目的がなく、気軽に行ってみたい場合は、短期で費用を抑えつつ留学してみるのがおすすめです。一方で、現地の学校に通いたい、言語を習得したいなど明確な目的があるのであれば、長期留学を前提にしっかりリサーチしつつ準備をするとよいでしょう。
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