就職活動において、テストセンターの存在は避けて通れません。多くの企業がこのシステムを採用し、応募者の適性を測る指標として活用しているからです。
本記事では、テストセンターの概要から、受験の流れ、必要な持ち物、注意点までを詳しく解説していきます。これから就職活動に臨む方々にとって、テストセンターでのSPI受験を成功させるための参考になれば幸いです。
テストセンターとは
SPIを受験する会場のこと
テストセンターは、就職活動の適性検査であるSPIを受験する会場です。多くの企業が採用プロセスの一環としてSPIを活用しており、テストセンターはその受験の場として機能しています。
テストセンターは全国各地に設置されており、受験者が最寄りの会場を選んで受験できるようになっています。これにより、遠方の企業を受験する際も、自宅や学校から比較的近い場所でSPIを受けることができ、受験者の負担軽減に役立っています。
近年では、リアル会場だけではなく、自宅などのオンライン環境からWebカメラを接続して受験する方式も導入されています。
筆記ではなくパソコン(PC)で受験する
テストセンターの大きな特徴として、従来の紙ベースの筆記試験ではなく、パソコン(PC)を使用して受験できることが挙げられます。
PCを使用した受験に慣れていない方もいるかもしれませんが、テストセンターでは、操作方法や注意事項について説明が行われます。また、実際の試験前に練習問題を解く時間が設けられることもあります。安心して受験に臨めるでしょう。
テストセンター受験の流れ
1.企業から案内メールが届く
通常、テストセンターでの受験は志望企業からの案内メールから始まります。エントリーや書類選考を通過した後、企業の人事担当者から受験案内のメールが届きます。
具体的には、受験期間、受験可能な会場のリスト、予約方法、受験に必要な情報(受験ID、パスワードなど)が含まれています。また、当日の持ち物や注意事項についても記載されていることが多いです。
このメールを受け取ったら、まずは内容をよく確認しましょう。特に、受験期間には注意が必要です。企業によって設定される受験期間は異なり、短い場合もあるので早めに予約を行うことが重要です。
2.テストセンターの会場を予約する
案内メールを受け取ったら、次はテストセンターの会場を予約します。予約方法は、専用のWebサイトを通じて行います。メールに記載されているURLにアクセスし、指示に従って予約手続きを進めましょう。
予約の際は、まず希望する会場を選択します。地域や最寄り駅から検索できるシステムになっていることが多いので、自分にとって最も便利な会場を選びましょう。次に、希望する日時を選びます。会場や時期にもよりますが、平日の夕方や土日に設定されていることが多いと言えます。
希望の会場と日時を選んだら、必要事項を入力して予約を確定します。この際、企業から指定された受験IDやパスワードが必要になる場合があるので、案内メールの内容をしっかり確認しておきましょう。
予約が完了すると、予約確認メールが届きます。このメールには、予約した会場の詳細な住所や、当日の注意事項が記載されています。必ず内容を確認し、大切に保管しておきましょう。
3.事前にWeb性格検査を受ける
多くの企業では、テストセンターでのSPI受験に加えて、性格検査をWeb上で受けることを求めています。この性格検査は、企業が応募者の性格特性や行動傾向を把握するために実施するものです。
Web性格検査は、通常、テストセンター受験の前に自宅や学校のPCから受験します。企業から送られてくる案内メールに、性格検査のURLとログイン情報が記載されているので、確認しておきましょう。
性格検査の内容は、仕事に対する姿勢や価値観、対人関係でのコミュニケーションスタイルなどに関する質問が中心となります。正解や不正解はありませんが、自分の考えや行動を正直に回答することが大切です。
4 .テストセンターで受験する(リアル会場の場合)
予約した日時になったら、テストセンターの会場に向かいます。会場には、予約時間の10分から15分前には到着するようにしましょう。余裕を持って行動することで、落ち着いて受験に臨めます。
会場に到着したら、受付で予約の確認を行います。この際、受験票や本人確認書類の提示を求められるので、忘れずに持参しましょう。受付を済ませたら、係員の指示に従って試験室に向かいます。
試験室に入ったら、指定された席に着きます。席には通常、パソコンが設置されています。試験開始まで、係員の指示をよく聞いて準備しておきましょう。この間に、パソコンの操作方法や注意事項の説明が行われることもあります。
試験が始まったら、画面の指示に従って問題に回答していきます。SPIは通常、言語能力、非言語能力(数学的思考力)で構成されています。各セクションには制限時間が設けられているので、時間配分に注意しながら解答を進めましょう。
5 .受験環境を自身で用意して受験する(オンライン会場の場合)
最近ではオンラインのテストセンター受験も増えています。オンライン受験の場合、自宅や学校など、自分で受験環境を整える必要があります。
まず、安定したインターネット接続が必要です。有線LANを使用するか、Wi-Fiの電波が強い場所で受験しましょう。また、パソコンのバッテリー残量にも注意が必要です。長時間の試験に耐えられるよう、充電しておくか電源に接続した状態で受験することをおすすめします。
受験する部屋は、静かで集中できる環境を選びましょう。家族や友人に事前に協力を求め、受験中は邪魔されないようにしておくことが大切です。また、部屋の明るさにも注意し、画面が見やすい環境を整えましょう。
オンライン受験では、本人確認のために顔や部屋の投影を求められることがあります。カメラ付きのパソコンを用意し、事前に動作確認をしておくと安心です。
試験開始時間になったら、指定されたURLにアクセスし、ログインします。その後は画面の指示に従って受験を進めます。リアル会場での受験と同様に、時間配分に注意しながら問題に取り組みましょう。
オンライン受験の場合も、不正行為は厳しく禁止されています。カンニングや他人の助けを借りることは絶対にやめましょう。システムが不正を検知するようになっているため、発覚した場合は厳しい処分を受ける懸念があります。
テストセンターの持ち物
受験票
テストセンターを受験する際、最も重要な持ち物が受験票です。通常、受験票は企業からの案内メールに添付されているか、専用のWebサイトからダウンロードする形で入手します。この受験票には、受験者の氏名、受験日時、会場情報、受験番号などの重要な情報が記載されています。
受験票は、テストセンターの受付で本人確認や受験資格の確認に使用されます。そのため、必ず印刷して持参しましょう。スマートフォンなどの電子デバイスでの提示は認められないことが多いので、紙での持参をおすすめします。
顔写真付きの本人確認証
テストセンターでは、本人確認が行われます。そのため、顔写真付きの本人確認証の持参が必須となります。最も一般的な本人確認証は、運転免許証です。運転免許証を持っていない場合は、パスポートや学生証(顔写真付きのもの)、マイナンバーカードなどが使用できます。
本人確認証は、受付時に提示を求められます。係員が写真と本人を照合し、名前や生年月日などの情報を確認します。
また、本人確認証は1種類だけでなく、念のため2種類以上持参することをおすすめします。万が一、主たる本人確認証を忘れてしまった場合や、何らかの理由で受け付けられなかった場合の備えになります。
(オンラインの場合)筆記用具
オンラインでテストセンターを受験する場合、筆記用具を用意する必要があります。リアルの会場では筆記用具が提供されることが一般的ですが、オンライン受験の場合は自身で準備しなければなりません。
筆記用具は、主に計算問題や図形問題を解く際に使用します。HBや2Bの鉛筆、シャープペンシルなどを用意しましょう。消しゴムも忘れずに準備してください。ボールペンも用意しておくと良いでしょう。署名や記入が必要な場面で使用できます。
(オンラインの場合)A4のメモ用紙2枚
オンライン受験の場合、A4サイズのメモ用紙を2枚まで使用することが許可されていることが多いです。このメモ用紙は、主に計算問題や図形問題を解く際の作業スペースとして活用します。
メモ用紙は必ず白紙のものを用意しましょう。罫線入りや方眼のものは使用できないことがあります。また、3枚以上の使用は不正行為とみなされる懸念があるので、指定された枚数を守ることが重要です。
メモ用紙の使用にあたっては、カメラに映るように配置することが求められます。試験開始前に、メモ用紙を机上に置いた状態でカメラに映るか確認しておくと良いでしょう。また、試験終了時にはメモ用紙を破棄するよう指示されることがあるので、その際は必ず従ってください。
テストセンターの注意点
受験は1企業あたり1回まで
テストセンターでのSPI受験には、注意点があります。それは、1企業につき受験できるのは1回限りだということです。
そのため、テストセンターでの受験に臨む際は、本番だという意識を持つことが大切です。事前にSPIの対策をしっかりと行い、ベストコンディションで受験に臨むようにしましょう。
また、複数の企業にエントリーしている場合、それぞれの企業で1回ずつ受験することができます。結果は使い回すことができるため、最も手応えがあったものを活用するのが良いでしょう。
結果は本人に通知されない
テストセンターでのSPI受験において、もう一つ重要な注意点があります。それは、試験結果が受験者本人には直接通知されないということです。
SPIの結果は、受験を依頼した企業に直接送られます。企業は、この結果を採用選考の判断材料の一つとして使用します。つまり、受験者は自分のスコアや詳細な結果を知ることなく、次の選考に進めるかどうかを企業からの連絡で知ることになります。
このシステムには、いくつかの理由があります。まず、SPIは単独で合否を決めるものではなく、ほかの要素(書類選考、面接など)と合わせて総合的に評価されるためです。また、結果を開示することで受験者間の不必要な競争や比較を防ぐ意図もあります。
不正があった場合、企業担当者へ通知される
テストセンターでのSPI受験において、不正行為は厳重に禁止されています。万が一不正行為が発覚した場合、その情報は企業の担当者に通知されます。
不正行為にはさまざまな形があります。カンニング、替え玉受験、許可されていない資料の持ち込みなどが代表的です。特にオンライン受験の場合、他者と相談したり、インターネットで解答を調べたりすることも不正行為に該当します。
不正行為が発覚した場合、即座に試験が無効となり企業に報告されます。これにより、当該企業の選考から除外されるだけでなく、場合によってはほかの企業の選考にも影響が及ぶことも考えられます。つまり、就職活動全体に大きな支障をきたす危険があるのです。
まとめ
本記事では、テストセンターの基本的な概要から、受験の流れ、必要な持ち物、注意すべき点まで解説しました。テストセンターを初めて利用する方も、事前準備を徹底すれば実力を発揮できるでしょう。就職活動を控えている大学生の皆さんの参考になれば幸いです。
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