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「ホワイト企業」とは?特徴や探し方について解説


これから社会に出て働くにあたり、就職活動で最初に選択する企業はとても大切になります。一概には言えませんが、「ホワイト企業」と呼ばれる企業に就職すれば仕事に大きなやりがいを感じ、より楽しく働くことができるかもしれません。

とはいえ、ホワイト企業について具体的なイメージを持っている学生は多くないのではないでしょうか。ホワイト企業に就職するには、まず具体的な特徴を把握しておく必要があります。本記事では、ホワイト企業の特徴やホワイト企業の探し方について解説します。

「ホワイト企業」とは

就活をしている中で「ホワイト企業」という単語を聞く機会は多いかと思いますが、「どんな企業がホワイト企業にあたるのか」を解説・説明できる人はさほど多くないでしょう。ホワイト企業に就職したいのであれば、具体的に知っておく必要があります。

優良企業を指す名称

ホワイト企業とは、一般的に働きやすい企業という意味で使われることが多い言葉です。「優良企業」と言い換えてもよいでしょう。

従業員にとって働きやすい環境が整っている

ホワイト企業は従業員にとって、働きやすい環境が整っているのが特徴です。

  • パワハラをする上司がいない
  • 残業時間が少ない
  • 有給を取得しやすい
  • 離職率が低い
  • 強制参加の飲み会がない

例えば、上記のような企業は一般的に「働きやすい環境」と言えます。このような環境を一個人の力で作るのは難しく、全社的に取り組まなければ実現することはできません。 つまり従業員が働きやすい環境を提供している企業は、ホワイト企業である可能性が高いでしょう。

明確に定義が決まっているわけではない

ホワイト企業の特徴については後ほど解説しますが、定義が明確に決まっているわけではありません。パワハラやセクハラをしてくる上司がいなかったとしても、月の残業時間が100時間を超えていればホワイト企業とは言いがたいでしょう。

また、「残業ゼロ」を掲げているものも、実際には「家に持ち帰らないと仕事が終わらない」といった企業もあります。ホワイト企業を探す際はひとつの点だけでなく、複数の点をチェックするように心がけましょう。

対義語は「ブラック企業」

「ホワイト企業」の対義語は、「ブラック企業」です。2013年、ユーキャン新語・流行語大賞のトップテンに選ばれたことで話題となりました。ブラック企業はホワイト企業と真逆で、「残業時間が多い」「長時間労働なのに給料が少ない」「人間関係がギスギスしていて働きづらい」といった特徴を持つ企業を指します。

ブラック企業に入社してしまうと、長時間労働で精神的・肉体的に追い込まれ、心身を病んでしまうことも珍しくありません。ブラック企業に就職しなくて済むように、しっかりと就職したい会社を見極めましょう。

ホワイト企業の特徴

この章では、ホワイト企業の特徴をご紹介します。ただし、ここで紹介することがすべてではありません。また、以下の特徴を持っているからといって、必ずしもホワイト企業というわけではありません。大切なのは、総合的に見て自身で判断することです。

  1. 福利厚生が充実している
  2. 給与水準が高め
  3. 残業時間が少ない
  4. 休暇を取得しやすい
  5. 離職率が低い
  6. 従業員の健康維持に対する取り組みが充実している
  7. 女性が働きやすい環境が整っている
  8. ダイバーシティに対して積極的に取り組んでいる
  9. 業績が好調で財務基盤が安定している

1.福利厚生が充実している

ホワイト企業の特徴として、福利厚生の充実が挙げられます。福利厚生には雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金保険など、法で義務付けられている「法定福利厚生」と、社員やその家族の健康・生活向上のために企業が任意で提供している「法定外福利厚生」があります。

例えば、住宅手当や育児支援、宿泊施設の割引制度などは後者にあたります。任意だからこそ、法定外福利厚生が充実している企業は、ホワイト企業である可能性が高いと言えます。産前産後休暇や育児休暇など、社員のライフステージに応じた休暇制度がある企業だと、働く女性からの支持も大きいでしょう。

ホワイト企業が用意している福利厚生の例を下に乗せているので、参考にしてみてください。

  • 住宅手当・家賃補助
  • 食堂・昼食補助
  • 育児休暇・産後産休休暇
  • 余暇施設・宿泊施設・レジャー施設などの割引制度
  • 資格取得にかかる費用の補助

2.給与水準が高め

2つ目の特徴は、給与水準の高さです。当然、激務がゆえに高給な企業は存在しますが、効率的に業務をこなし、高い利益を出しているホワイト企業も存在します。こういった企業は利益をしっかり社員に還元しているので、給与水準が高い傾向があります。

基本給が高いのはその企業の業績が安定していて、業績悪化や倒産といったリスクが少ないから。お金があれば幸せになれるわけではないので、年収だけ見て企業を選ぶのはおすすめしませんが、お金が生活を豊かにしてくれることも確かです。一つの目安として、給与水準も参考にしてみましょう。

上場企業であれば、ホームページや採用サイトで社員の平均年収を公開している企業も多いので、気になる方は調べてみてください。

3.残業時間が少ない

残業時間が少ないのもホワイト企業の特徴です。2019年4月から施行された働き方改革関連法では、従来の労働基準法をふまえ、従業員の労働時間や有給休暇の取得について新たに制定されました。1カ月の労働時間に上限が設けられたため、上限を超える時間外労働を強いた企業には労働基準法違反として罰則が科せられます。

このような背景から、残業時間が多い場合はブラック企業として認知されやすくなります。生きるためには仕事も大事ですが、働きすぎはよくありません。ワークライフバランスを充実させたいなら、残業時間が少ない企業を選ぶのも手です。

4.休暇を取得しやすい

他の企業と比べて有給休暇が取りやすいのも、ホワイト企業の特徴と言えるでしょう。有給休暇は労働基準法によって義務付けられた、労働者なら誰でも取得できる権利です。しかし、企業は社員が労働しなくても報酬を払わなければならないため、有給休暇を嫌がる場合もあります。

そのため休むことをとがめられたり、ネチネチと嫌味を言われたりする企業も存在します。こういった企業では「休む=悪」という風潮があるため、ブラックな可能性が高いと言えます。有給休暇取得率の高さを調べるとある程度推測することが可能ですので、就活時にぜひチェックしておきましょう。

5.離職率が低い

離職率が低いということは、「働きやすい環境」「働いていて楽しい環境」であることがうかがえます。つまり、ホワイト企業の可能性が高いと言えるでしょう。就活の際は離職率にも目を通しておくことが大切です。

離職率については一般に公開されているわけではないので、『就職四季報』で確認するのがよいでしょう。参考にしたいのは、『就職四季報』にある「新卒入社3年後離職率」という項目です。新卒入社した社員のうち3年以内に退職する社員の割合は平均で約30%と言われているので、30%を下回る企業であれば離職率は低いと言えそうです。

6.従業員の健康維持に対する取り組みが充実している

会社は従業員の働きによって成り立っています。つまりそのことを十分に理解し、従業員の健康を大切にしている企業は、ホワイト企業と言えるでしょう。特に、経済産業省が企業の健康経営の取り組みを促進するために創立した「健康経営優良法人認定制度」に認定されている企業は、従業員の健康維持に対する取り組みが充実していると考えられます。

健康な体があってこそ企業成長に貢献できるもの。従業員の健康維持にしっかりと取り組んでくれる会社を見極めましょう。

7.女性が働きやすい環境が整っている

ライフステージの変化が激しい女性が働きやすい環境作りをしている企業は、ホワイト企業であると言えます。女性は出産・育児などがあるため、男性に比べて働き方に柔軟性が必要です。例えば「子どもの体調が悪くなったので病院に連れていく必要が生じた」といった場合でも、仕事が滞らないように業務量をコントロールしやすい体制を整えている企業もあります。

  • 育休・産休制度
  • 託児施設
  • テレワーク
  • 時短勤務
  • フレックス

上記のような制度や取り組みを積極的に実施している企業は、女性が働きやすいホワイト企業の可能性が高いです。就活の際はぜひ確認してみてください。

8.ダイバーシティに対して積極的に取り組んでいる

ダイバーシティは「多様性」という意味の英語で、さまざまな人材を活用するという意味があります。多様な人材を活用することによっていろんな価値観や考え方をビジネスに活かせるため、企業にとって大きな相乗効果を生み出せるという特徴があります。

ダイバーシティに対して積極的に取り組んでいる企業は、ホワイト企業である可能性が高いです。多様性を受け入れるということは、個々の意見や価値観が尊重される、柔軟な職場環境であるということ。つまり、あなたらしく楽しく働ける可能性が高いと言えるでしょう。

9.業績が好調で財務基盤が安定している

業績が好調で財務基盤が安定している企業は、ホワイト企業だと言えるでしょう。たとえ待遇面や人間関係が良好だったとしても、財務基盤に不安要素があればリストラ、倒産のリスクを含むため、ホワイト企業とは言えません。

どれだけ社員を大切にし、働きやすい環境を作っていても、財務基盤が安定していなければ企業の成長・発展は見込めません。就活の際には、福利厚生や給与水準だけでなく、財務状況も確認しておきましょう。上場企業の場合は決算資料が公表されているため、そちらで確認できます。

ホワイト企業の探し方

続いて、ホワイト企業の探し方について解説します。ホワイト企業に入社したいなら、そのためにしっかりと準備することが大切です。ブラック企業に入社して疲弊しないためにも、ぜひこれから紹介する方法を参考にして「入社したい」と思えるホワイト企業を探してみてください。

決算資料を読み込む

決算資料を読み込むことで、ホワイト企業かどうかをある程度見極めることができます。直近の財務状況から、企業がどのようなものに投資しているか、あるいは経営状況などのデータを見ることで、おおよそ理解できるでしょう。

自己資本比率、純利益、中期経営計画などを通して、企業の財務状況が健全かどうかを判断できます。中期経営計画資料は一般の投資家なども利用するため、分かりやすく書かれています。

在籍している社員から情報収集する

ホワイト企業がどうかを探るには、実際に働いている社員から話を聞くのが一番です。OB・OG訪問や企業説明会、セミナーなどを活用して、社員の方に働き方について聞いてみましょう。また企業の文化や社員のマインドは選考時にも表れます。面接官の様子から会社の雰囲気を探るのもおすすめです。

その他では、オフィスの様子や社内の雰囲気なども参考にできます。オフィスに行く機会があればぜひチェックしてみましょう。

先輩や就活仲間と情報交換する

すでに社会人として働いている先輩や、就活仲間などから情報をもらうという手もあります。一人でいくつもの企業を調べるのは限界があります。面接を受ける前に情報収集だけで疲弊してしまっては、元も子もありません。

先輩や友人と協力して、効率的にホワイト企業を探してみましょう。

「ホワイト企業認定」された企業を探す

日本には厚生労働省が定める「安全衛生優良企業(ホワイトマーク)」や、通称ホワイト財団が運営する「ホワイト企業認定」という制度があります。いくつかの基準を突破した企業が認定を受けることができ、一覧に名前が載るため、各ホームページで認定された企業を探すのも手段の一つです。

注意したい点としては、実態に即していないというケースも「ゼロではない」というところです。認定を受けた際と現在では環境が異なる場合もあるため、他の情報と複合的に判断することをおすすめします。

口コミサイトを参考にする

客観的な意見を知るために、口コミサイトを参考にする方法もあります。もちろん個人の意見なのですべての情報を鵜呑みにするのはよくありませんが、あまりにも口コミが悪い場合は警戒する必要があります。

自分にとって重視すべきポイントを決めるのが重要

将来の安定や仕事へのやりがいなどを考えれば、「ホワイト企業で働きたい」「なるべく優良企業に入社したい」と思うのは当然です。しかし、あくまで大切なのは、「あなたにとって重視すべきポイント」をしっかり見極めること。

「仕事内容より人間関係を重視したい」という方であれば、実際にオフィスに出向いたり、OB・OG訪問で先輩社員に話を聞いたりしてみましょう。「若いうちから成長したい」という方なら多少の残業時間は我慢できると思いますので、どのような環境やプロジェクトで働けるのかを人事担当者や面接官に質問するのがおすすめです。

ホワイト企業に入社することが就活のすべてではありません。自己分析などを通して、自分がどんな会社で働きたいのかをできるだけ明確にしておきましょう

まとめ

ホワイト企業を見つけるためには給与水準や福利厚生、離職率など様々な角度から見極める必要があります。ネットの情報や口コミだけでなく、社員に直接話を聞いたり、実際にオフィスを見学するなどして、魅力的な企業を見つけてください。

また繰り返しになりますが、大切なのは「あなたにとって重要なポイント」を把握することです。「なんとなくホワイト企業っぽいから」といった理由でエントリーするのではなく、あなたが本当に仕事をしたいと思える環境かどうかを重視しましょう。

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