パーソルキャリアでは、大学1,2年生を対象としてキャリアや人生を描くために必要な知識と機会を提供しています。その代表例が、「HATARACTION!ゼミ」。少人数のメンバーとゼミ形式で、3か月間にわたって事業開発に必要なインサイト(消費者の欲求や動機)を捉える力を養います。今回は、2023年に実施した「HATARACTION!ゼミ」の1期生である山竹 智瑛さんへインタビューしました。
山竹 智瑛(やまたけ ちえ)
法学部 政治学科2年生
「HATARACTION!ゼミ」第1期参加者
アパレルショップでのアルバイト経験から、ニーズやインサイトの分析に興味を持つ。ゼミへの参加をきっかけとして積極的に行動できるようになり、ビジネスコンテストやスタートアップ企業でのインターンに参加するように。
ゼミへの参加理由は、「一歩踏み出す」ため。
―― 山竹さんは「HATARACTION!ゼミ」の1期生で、現在は大学2年生ですね。まず自己紹介をお願いします!
山竹 現在は法学部で国際関係論のゼミに所属しています。大学に行って、ドラッグストアやアパレルショップでアルバイトをして……といういわゆる「普通の大学生活」を送っていました。しかし、「HATARACTION!ゼミ」への参加をきっかけに、大学生活はガラっと変わりましたね。
―― どのように変わったのでしょうか?
山竹 大学生活の中で何かに熱中したり、積極的に行動したりということがあまりなかったのですが、「HATARACTION!ゼミ」に参加してからは、ビジネスコンテストにも参加しましたし、来月からはスタートアップ企業で長期インターンを始める予定です。
―― そもそも、ゼミへの参加にはどんな背景があったのでしょうか?
山竹 ふたつのきっかけがありました。ひとつは、アルバイトのときにお客さまのニーズをつかむ難しさを感じたこと。本当は何に困っているんだろう、本当は何が欲しいんだろう。そういった疑問をきっかけに、ニーズやインサイトについて学んだり考えたりしてみたいと思うようになりました。そこで、ユーザーインタビューなどを重要視しながら事業創造につなげるこのゼミは自分に適していると考えたんです。
――そうなんですね。もうひとつは何でしょうか?
山竹 就活系アプリに届いていた、「HATARACTION!ゼミ」に関するスカウトメールをたまたま見たことです。さっきも挙げたように、それまでの私は何かに積極的ではなくて。就活や将来の仕事に向き合って行動したことがなかったので、「とりあえずやってみるか!」っていう気持ちだったと思います。
―― そこはいい意味で「軽い気持ち」というか、「とにかく踏み出してみよう」みたいな感じだったんですね。
山竹 はい。この「とにかくやってみよう」とする姿勢は、ゼミ参加後の生活にすごく活きています。いろんなことを経験したいと考えるようになりました。先ほど挙げたビジネスコンテストの参加も、きっかけは「HATARACTION!ゼミ」一期生のメンバーからに「やってみない?」と誘われたから。誘われてパッと行動できるようになると、さまざまな広がりが生まれる気がします。
スキルや知識を学ぶとともに、スタンスにも変化があった
―― 実際に参加してみてどのような学びがあったか、ぜひ聞きたいです!
山竹 まずヒアリングの手法について発見がありました。もともと私がアルバイト時代にしていたヒアリングでは、事前準備として商材の魅力や特徴をインプットした上で、その場の会話で顕在化しているニーズを把握することがメイン。加えて、会話そのものを楽しむことを意識していました。
一方、ゼミで実施したヒアリングにおいては、ニーズが顕在化しているとも限らないので、潜在的な欲求や動機であるインサイトを引き出すことがヒアリングの主たる目的になります。インサイトを引き出すには、課題を見つけるまでのイメージをつけながら、「何をどう聞くか」という事前準備が必要です。そしてインサイトを発見してから解決策を決定するまでのプロセスを、一貫して自分たちで考える必要があります。それが新鮮でしたね。
――ニーズとインサイトの違いや、インサイトをとらえる上でのヒアリング手法を学んだのですね。
山竹 そうですね。加えて「HATARACTION!ゼミ」の後に参加したビジネスコンテストでは、ゼミで学んだ「ワンセンテンスサマリ」を活かすことができました。ビジネスコンテストでのプランニングでは「(誰)の、(どんな問題)を、(どのような提供価値)で、(理想状態)にする手段」という型を用いて、プランの軸や自分たちの考えていることを明確化するために使いました。
――ゼミ参加後に早速学びを活かしているのは素晴らしいですね!
山竹 正直なところ、ゼミで出た課題は難易度が高いと感じていました。でも、社員さんに率直に「難しいと感じています」と言ったら、社員さんから「難しいと思っていいんだよ」と言ってもらったのが印象に残りましたね。「難しい」と感じてしまうことそのものにネガティブなイメージがあったのですが、「難しいと思っていてもいい」と思ったら、考え方がポジティブになりました。難しいと感じる気持ちが原動力になるというか。自分のスタンスに変化を感じましたね。
―― 「難しい」という一見ネガティブな感情を、ポジティブに捉えられるようになったんですね。
山竹 他にも、最後のワークショップを終えた後、社員さんから「山竹さんはフィードバックをきちんと取り入れる姿勢が素敵だね」と言っていただいたことが印象的でした。指摘されたことをきちんと受け止めたり、その後すぐ行動に活かそうとしてみたりする。フィードバックをポジティブに活かすことができていたのだなと思います。
「他人の意見」は自分と違う。気付くことから、学びが始まる。
―― ゼミは少人数のグループワーク形式で行います。その点で、何か学んだことはありましたか?
山竹 対立する意見が出た場合に、どう話し合って納得するかを学びました。大学もバックグラウンドも違う人が協力するのだから、意見が違うのは当然。そこでどう折り合いをつけつつ、きちんとぶつかるかが大事でした。私自身も、自分の意見はきちんと伝えるように意識しました。
――確かに自分の意見を押し通すだけでは、グループの強みを生かせないですよね。
山竹 そうですね。これはグループ内の意見交換のときにも、最終的な構想を発表したときのフィードバックからも学んだことなのですが、「自分の納得するポイントと他人の納得するポイントは違う」と気付けたように思います。違う意見を持つ中で納得した議論をするには、それぞれの納得するポイントを見つけてそこを押さえることが重要です。
―― 良い議論ができたグループだったんですね。
山竹 私のグループは、言うべきことをきちんと言うグループだったと思います。しかし、必要以上に揉めることもなく、全員が納得できるよう話し合いを大事にできたのが良かったですね。この学びも、ビジネスコンテストに参加した際に非常に役立ちました。
―― 他に成長を感じたポイントはありますか?
山竹 周囲を巻き込む行動力が身に付いたと感じています。アルバイトで接客をやっていたこともあり、もともと人とのコミュニケーションは好きなタイプでした。加えて、ゼミを通して「とりあえずやってみよう!」「誰かに聞いてみよう!」と積極的に動き、周囲を巻き込むことができるようになったと思います。
「面白そう」と思えたなら、もうそれは「向いてる」ってこと!
―― 「HATARACTION!ゼミ」に参加してみて、はたらくことや将来のキャリアについての発見はありましたか?
山竹 ゼミのプログラムで、記者からライターへと転職された方にヒアリングをしたのですが、その方は本当に仕事を楽しんでいる雰囲気でした。以前は身近な大学の先輩などから「社会人になるの嫌だなぁ」みたいな話をよく聞いていたので、楽しんで仕事をしている人と話せて新鮮な驚きがありましたね。ちょっとしたことかもしれませんが、自分の中では印象に残っています。
―― この「HATARACTION!ゼミ」はどんな方に勧めたいと考えますか?
山竹 私のように、「大学生活、このままじゃダメかも」「今は何かが足りていない」と思っている人には勧めたいです。大学4年間って、何もしなければ何もないまま、意外とスーって終わっちゃうんだよって伝えたいですね!
―― このままじゃダメだと思っている人の、何かのきっかけに「HATARACTION!ゼミ」は最適なんですね。
山竹 そうですね。劇的な変化は感じなくても、絶対にプラスになる何かは持って帰れると思います。自分以外の参加者から刺激を受けるとか、多様な価値観に触れるとか、そういった経験そのものがとても大事。またヒアリングの手法や事業創造に必要なプロセス、チームでの動き方など、ビジネスに関する知識を大学生活で学ぶ機会はあまりありません。もちろん社会人になってからでも学べることではありますが、知ってから社会人になるか、知らないまま社会人になるか、違いはかなり大きい。だったら今、大学生活において語ることがないなと迷っている人こそ参加してみてほしいと考えています。
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