学生起業家が必要とするビジネススキルと学び方


大学生にとって、起業は自分の夢を追い求める選択肢のひとつです。しかし、起業にはさまざまなビジネススキルが求められます。

本記事では、学生起業家に必要なビジネススキルやその学び方、直面する課題と対処法について解説します。これから起業を考えている学生や、すでに企業の準備を始めている学生にとって、ビジネススキルの向上や課題解決のヒントになれば幸いです。

ビジネススキルとは?

ビジネススキルとは、仕事や経営において効率的に、かつ効果的な結果を生み出すために必要な一連の知識や技能を指す言葉です。高度なビジネススキルには、マーケティング、財務管理、経営戦略、人事戦略などがあります。これらのスキルは企業や組織での成功を目指すすべてのビジネスパーソンにとって重要ですが、特に学生起業家にとっては、新しいアイデアから事業を立ち上げ、市場の競争を勝ち抜くために欠かせない要素です。

ただし、高度なビジネススキルを習得する前に、基礎となるビジネススキルを身につけておかなければなりません。学生起業家にとって特に重要な要素としては、プレゼンテーション能力、リーダーシップ、創造性、ロジカルシンキング、問題解決力、対応力、新しい情報技術への理解などが挙げられるでしょう。これらがチームビルディングやプロダクト・サービス開発のカギとなります。

学生起業家に必要なビジネススキ

学生起業家には、将来的なビジネスの成功に向けて特に重要となるビジネススキルがいくつか存在します。以下では、学生起業家が備えておくべきビジネススキルを7つ紹介します。

プレゼンテーション能力

起業家には、アイデアやビジネスプランを魅力的に伝えるプレゼンテーション能力が求められます。投資家や顧客、開発パートナーなどに対して自分のビジネスをわかりやすく説明できれば、関心や賛同を集めやすくなります。プレゼンスキルはチーム内でのコミュニケーションにも有効なため、ビジネスの推進に役立ちます。

リーダーシップ

自分のビジョンを実現するため、チームメンバーやパートナーをゴールまで導くリーダーシップも必要です。リーダーとしてメンバーの意欲や能力を引き出し、目標に向かってチームをまとめ上げる力が欠かせません。また、プロジェクトに問題が発生した際は、チーム全体の責任を負って適切な判断を下す能力も求められます。

ロジカルシンキング

学生であっても、起業家には論理的思考力が求められます。ロジカルシンキングは、ビジネスプランの策定や問題解決の過程で、客観的かつ効率的な意思決定を行う力です。また、自分の意見やアイデアを第三者に説明する際にも、論理的な思考が効果的なコミュニケーションの役に立ちます。

問題解決力

起業家はさまざまな問題に対処しなければならないため、問題解決力が不可欠です。早期の段階で問題を発見し、迅速に解決策を提案できることは、ビジネスの発展を助けるでしょう。このスキルは、状況を正確に把握し、複数の解決策を検討し、最適な選択肢を見極めることで養われます。

創造性

学生起業家には、新しいアイデアや革新的なビジネスモデルを生み出すための創造性が必要です。市場で戦える競争力を身につけるには、従来の方法や固定観念にとらわれない独自のアプローチや斬新な発想が求められます。創造性は、自身の考え方や視点を広げ、異なる分野やアイデアからインスピレーションを得ることで向上します。

幅広い対応力

ビジネスのあらゆる面に関わるため、多様な業務に対応できる柔軟性が求められます。特に事業が軌道に乗るまでの初期段階では、マーケティングや財務管理など、さまざまな分野において自ら手を動かすことが多くなります。幅広い対応力は、新しい知識やスキルを迅速に習得し、状況に応じて適切な行動を取る能力です。このスキルは経験を積み重ねることで向上し、ビジネスへの理解を深めるのに役立ちます。

新しい情報技術への理解

学生起業家は、新しい技術やトレンドに敏感であることが求められます。新しい技術を使ってビジネスの効率化やイノベーションを促進すれば、市場で競争力を獲得できるでしょう。また、将来の市場動向を予測し、戦略的な判断を下す力も重要です。この能力は、継続的に業界の最新情報をキャッチアップし、自身の知識をアップデートする作業の中で養われます。

起業後に重要なビジネススキル

起業は、「ビジネスを立ち上げて終わり」ではありません。重要なのは、立ち上げたビジネスを継続的に成長させること。そのために、起業後も重要となるビジネススキルがいくつかあります。以下、主要な4つの項目におけるスキルを紹介します。

マーケティング

ビジネスを成長させるには、顧客のニーズを把握し、適切なプロモーション戦略を立てるためのマーケティングスキルが欠かせません。SNSやウェブサイト、各種インターネット広告を駆使したデジタルマーケティングは、特に現代の学生起業家には必須のスキルと言えるでしょう。顧客とのコミュニケーションスピードや、適切なターゲットに効果的なメッセージを発信するアプローチがビジネスを成功へ導きます。

経営戦略

ビジネスを継続的に発展させるには、そのためのシナリオ、つまり経営戦略の策定が必要です。実行するには、市場環境や競合他社の動向を分析し、自社の強みを活かした戦略を立てる能力が欠かせません。学生起業家は、自分たちのビジネスがどのように成長し、誰に対してどのような価値を提供できるのかを明確にし、それを実現するための戦略を考えなければなりません。

財務管理

ビジネスを維持・拡大するには、適切な財務管理が欠かせません。予算の立て方や資金の使い道、キャッシュフローの管理など、学生起業家も把握しておくべき基本的な財務知識があります。財務状況を適切に分析することに加え、将来の投資や採算性を考慮した意思決定も求められます。

人事

起業家には、組織の成長に伴い、適切な人事戦略や組織マネジメントが求められます。学生起業家は身近な仲間や先輩から学ぶ機会も多いため、人材の発掘や育成に重点を置くのも有効です。また、組織文化の醸成やはたらき方の整備も、社員のモチベーションやチームの一体感に大きく影響します。このスキルは、他者と協力してはたらく経験や、先輩起業家のアドバイスを活かそうとするマインドから養われます。

ビジネススキルの学び方

ビジネススクールやオンライン講座で学ぶ

学生起業家に必要なビジネススキルは、ビジネススクールやオンライン講座を通じて学ぶことができます。多くの大学では、経営学部やビジネススクールで起業や経営に関するカリキュラムが提供されており、学生はそこで基本的なビジネス知識やスキルを身につけることが可能です。専門的な知識が必要な場合は、大学院やMBAプログラムでの学びも検討しましょう。

近年ではオンライン講座の選択肢が増えており、大学生でも手軽にビジネススキルを学ぶことができます。インターネットを活用し、国内外の一流講師から直接べばモチベーションも高まるでしょう。オンライン講座ではビジネスに関する幅広いトピックがカバーされており、必要なスキルや知識を効率的に学べるのが魅力です。

インターンシップで実践する

インターンシップは、学生起業家にとってビジネススキルを身につける好機です。実際の企業ではたらく過程で、実践的な知識や経験を得られます。インターンシップでは、プロジェクト管理、チームワーク、ビジネスコミュニケーションなど、起業に必要なさまざまなスキルを習得する手がかりを得られるでしょう。

大学生は、夏休みや春休みなどの長期休暇を利用して、インターンシップに参加するケースが一般的です。また、「1Day」や「2Day」といった短期のインターンシップや週末限定のものもあるため、学業と両立しながらビジネススキルを学ぶことが可能です。

インターンシップを選ぶ際には、自分が学びたいスキルや興味のある業界を意識して選ぶことが重要です。また、インターンシップ先の企業規模も考慮しましょう。大企業では組織運営やマネジメントスキルを学べるケースが多い一方、経営者との距離が近いスタートアップ企業では起業家精神や柔軟な発想が身につくことが期待できます。

インターンシップ中に築いた人間関係も貴重な資源になります。上司のアドバイスや先輩社員からのフィードバックを真摯に受け止め、自分の成長に活かしましょう。インターンシップ先で培った人脈は、将来的にビジネスパートナーや顧客として役立つこともあります。

メンターや先輩起業家にアドバイスを仰ぐ

起業を目指す学生にとって、経験豊富なメンターや先輩起業家からのアドバイスは非常に貴重です。彼らは成功や失敗を繰り返しながら培った知識やスキルを持っており、それを教えてもらうことで自分のビジネスに活かすことができます。

「人脈やつながりがない」という場合は、まずメンターや先輩起業家と出会うために、学内の起業支援センターや地域の起業家向けイベントに参加しましょう。SNSやオンラインコミュニティを活用して、同じ目標を持つ仲間や情報交換ができる場を見つけることも有効です。

学生起業家が直面する課題とその対処法

資金調達や人材確保などの課題

資金調達

学生起業家が直面する主な課題のひとつに、資金調達があります。いくらアイデアや技術が優れていても、事業を立ち上げるには一定の資金が必要です。学生起業家はまだ社会的信用が低く、銀行からの融資や投資家からの支援を受けにくい状況にあります。また、周囲からの借金もしづらいことが考えられるため、多額の初期投資が必要な事業は難しい傾向にあります。

人材確保

もう一つの大きな課題が、人材確保です。学生起業家は経験やスキルが不足しているため、優秀な人材を集めることが難しいという側面があります。基本的には資本もあまり多くないため、採用費をかけることも難しいでしょう。学生同士でチームを組もうとすると専門知識や技術が偏ってしまう懸念があり、バランスの良いチームを作りたいという学生にとって、人材を確保しづらいというのは非常にネックです。

課題解決のための具体的な対処法

クラウドファンディングを活用する

クラウドファンディングとは、インターネットを利用して多くの人々から小額の出資を募ることで、資金を調達する方法です。起業家が自身のビジネスアイデアやプロジェクトをプラットフォーム上で紹介し、資金提供者は賛同したプロジェクトに対して出資します。資金提供者には、リターンが用意されていることも。また、資金調達だけでなく、需要調査や商品開発のための意見集めにも有効なため、多くの起業家にとって重要な手段のひとつと言えます。

ビジネスプランコンテストに参加する

ビジネスプランコンテストは、起業家やアイデアを持つ学生などが独自のビジネスプランを審査員にプレゼンテーションするコンテストです。審査員はプレゼンテーション内容やビジネスプランの内容、市場性などを評価し、優秀なプランには賞金や資金調達の機会などが与えられます。

コンテストに参加すると、ビジネスプランの改善や発展に向けた専門家の具体的なフィードバックを受けたりすることができるため、起業家にとって貴重な機会です。多くのビジネスプランコンテストは大学や地域の経済団体などが主催しており、学生起業家にとって参加しやすい環境と言えるでしょう。

学生向け起業イベント

学生向け起業イベントは、学生起業家が集まり、アイデアの共有や交流を通じて起業家精神を育むことを目的としたイベントなどを指します。イベントでは、起業家や投資家の講演や、成功事例の紹介、ビジネスプランコンテストなどが行われます。また、学生起業家同士の交流や、ビジネスマッチングの場が提供されることもあります。

このようなイベントを通じて、学生起業家は自分のアイデアを評価してもらい、ビジネススキルの向上を図ることができます。投資家やベンチャーキャピタリストと出会えれば、資金調達につながるかもしれません。

インターンシップ

実際の現場ではたらくことでビジネススキルや知識を身につけられるインターンシップは、起業家としての素養を磨く上でも有用です。同様の目的でインターンシップに参加する学生も多いため、マインドやスキルの面で気になったインターン参加者がいれば、声をかけることもできるでしょう

まとめ

本記事では、学生起業家が必要とするビジネススキル、学び方、そして直面する課題と対処法について紹介しました。学生起業家として成功するには、ビジネススキルの習得が不可欠です。大学生活を通じて、ビジネススクールに通ったり、オンライン講座を受けたり、インターンシップに参加したり、メンターや先輩起業家からアドバイスを受けたりしながら、自身のビジネススキルを高めていきましょう。資金調達や人材確保といった課題に直面したら、クラウドファンディングやビジネスプランコンテスト、学生向け起業イベントなどの活用を検討してみてください。

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