就職活動で内定を得るために、避けては通れないのが面接です。面接では、面接官に対して志望動機や自己PRなどを分かりやすく説明し、質問に対して的確に答える必要があります。話す内容はもちろん、対面面接では適切なマナーや服装、話し方を押さえておくことも重要なポイントです。
本記事では対面面接の概要や入退室のマナー、適切な服装や態度について解説します。
対面面接とは?
面接には大きく、「対面面接」と「オンライン面接」の2種類があります。それぞれの特徴や違いを理解することは、効果的な面接の準備に役立ちます。
対面面接とオンライン面接がある
対面面接とオンライン面接、まずはそれぞれの概要を確認しておきましょう。
対面面接
対面面接は、応募者と面接官が直接向かい合って行う面接形式です。表情や身振りなどをリアルタイムで感じながらコミュニケーションできるため、企業側としても応募者の雰囲気(自信や緊張など)を直感的につかむことができます。応募者も同様に企業や面接官の雰囲気を肌で感じられるため、双方のミスマッチを少なくできる点がメリットです。
直接相手と目を合わせることから、マナーや服装、態度などの所作がもたらす印象がより強調され、オンライン面接よりも細部まで注意が求められます。
オンライン面接
オンライン面接は、面接官とビデオ通話などのオンラインツールを使って行われる面接形式です。質問内容は対面面接と同じことも多いですが、画面越しのコミュニケーションなので互いの表情や感情、身振り手振りのニュアンスが伝わりにくいという側面があります。
一方、オンライン面接には対面よりも気軽に行える、コストがかからない、スケジュールの融通が利く、といったメリットもあります。
アフターコロナで対面に戻す会社が増えている
コロナ禍の影響で、オンライン面接を実施する企業が増加しました。しかし、アフターコロナの現在は、再び対面面接を復活させる流れが目立っています。そのため、就活生は対面面接に備えて準備をすることが重要です。
オンラインとは異なる点が多い
コロナ禍においては、オンライン面接の対策を重視してきた学生も少なくないでしょう。しかし感染症を取り巻く状況が変化した今、再び対面面接にも備える必要があります。対面面接とオンライン面接の違いを理解し、しっかりと対面面接の対策を講じましょう。
距離感が異なる
オンライン面接と対面面接では、面接官との距離感に違いがあります。オンラインでは音声と映像を通じてコミュニケーションを取りますが、対面面接のように声のトーンや空気感、表情などがダイレクトに伝わるわけではありません。
オンライン面接の場合、不具合が生じてもある程度の工夫で“ごまかす”ことも可能です。一方、直接コミュニケーションが行われる対面面接では距離感が近く、細かなニュアンスまで伝わります。
「カンペ」が使えない
オンライン面接では「カンペ」を使用することも可能ですが、対面面接ではカンペを頼りにすることはできません。そのため、志望動機や質問に合わせて用意した回答をしっかりと覚えておく必要があります。面接官と直接向き合うことで、即座の対応力も求められることに留意しておきましょう。
メモを取れないことも多い
オンライン面接では画面外でメモを取ることができますが、対面ではメモを取ることが難しい場合もあります。一次面接でやり取りした内容を以降の面接で深掘りされるケースもあるため、話した内容を確できるかぎり記憶しておくことが重要です。
対面に慣れるため練習が必須
対面面接はオンライン面接とは環境が異なるため、これまで紹介した特有のポイントに注意しなければなりません。現代の学生は授業などでオンラインコミュニケーションに慣れているかもしれませんが、対面面接ではまた違った対応力が求められます。
質問内容や回答は同じでも、対面とオンラインでは異なる側面が多く存在します。リラックスして全力を発揮するには、対面面接の練習が不可欠です。自信を持って臨むために、十分な練習を心がけましょう。
入退室のマナー
どれだけ面接の回答が完璧でも、マナーが悪ければ高評価は期待できません。入退室のマナーについてどうすればよいのか、解説していきます。
国内企業ならノックは3回
面接室に入る際には、「3回」ドアをノックするのが一般的なマナーです。日本国内企業の面接に向かう際は、必ずドアを3回ノックすると覚えておきましょう。
ドアをノックすると、室内から「どうぞ」などと声をかけられます。そうしたら「失礼します」と言ってから入室し、入室の際には面接官に向けて一礼しましょう。
外資系企業ならノックは4回が無難
ノックには「プロトコールマナー」と呼ばれる国際的なマナーも存在します。国際標準では「ノックは4回」がマナーとされているため、外資系企業に面接に行く場合などは4回ノックをするのが無難です。
プロトコールマナーでは、ノック3回は親しい間柄、ノック2回はお手洗いの空室確認の意味合いになります。
適切な挨拶の仕方
入室後はすぐに座るのではなく、「○○と申します。本日は面接の機会をいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます」などとしっかり挨拶し、お辞儀をしてから着席します。着席は、面接官から指示された後に行うようにしましょう。
面接前の挨拶は、第一印象を決める重要なポイントです。「笑顔で明るく」を心がけましょう。
面接官との適切な距離感
面接が進行する中で、会話が盛り上がることも考えられます。しかし、いかに和やかな雰囲気であっても、適切な距離感を保つことが肝心です。礼儀正しい言葉遣いと行動を心がけ、過度なくだけた態度にならないよう留意しましょう。
ただし、面接官もあなたの本来の姿を知りたいと思っています。緊張しすぎず、自然体で臨むことも大切です。
退室時のポイント
面接が終了したら、まずは着席したまま面接の時間を割いてもらったことに感謝の意を示しましょう。その後、面接官に向かって「失礼します」と軽くお辞儀をしたうえで部屋から出ます。
面接官が出口やエレベーターまで送ってくれた場合は、面接官と別れるタイミングであらためてお礼を述べるようにしましょう。
面接時の服装
対面面接においては、服装にも気をつけなければなりません。ここでは基本的な面接時の服装と、どの程度個性を出していいのか、「よくあるNG例」について解説します。
基本的な面接服装
面接時の服装は、基本的にはリクルートスーツを着ておけば間違いはありません。また、会社によってはビジネスカジュアル、オフィスカジュアル、私服といった指定があるケースもあります。それぞれどのような服装で臨むのがよいのか、確認しておきましょう。
リクルートスーツ
スーツやフォーマルな格好を指定された場合は、リクルートスーツを着ていきましょう。リクルートスーツは、無地でダークカラー(黒に近い色)のものが無難です。
サイズは小さすぎず大きすぎず、自分の体形にちょうど合うものを選びましょう。
ビジネスカジュアル
ビジネスカジュアルは、リクルートスーツよりはラフで、オフィスカジュアルよりもビジネス寄りなスタイルです。一般的には従来のビジネスウェアと、よりリラックスした服装が融合された「失礼のない程度にカジュアルな服装」を指します。
具体的には、ジャケットに襟付きのシャツ、パンツにノーネクタイといったスタイルがビジネスカジュアルに当てはまります。
オフィスカジュアル
オフィスカジュアルとは、ジャケット・パンツスタイルがメインで、スーツをカジュアルダウンした服装です。ビジネスカジュアルが取引先に訪問しても失礼にならない程度のフォーマルさを保つ格好であるのに対し、オフィスカジュアルはデスクワークや社内ミーティングなど、主に社内での仕事に向いています。
私服
最近では、面接の服装について「私服でお越しください」と言われるケースも増えてきています。リクルートスーツを着る必要はありませんが、過度な露出などあまりにカジュアルすぎる服装は避けるようにしましょう。
公式サイトや採用サイトの社員インタビューを確認しておく
服装や社風について、一般的な常識を踏まえることは大切ですが、各社における考え方や「カジュアルさ」には差があります。公式サイトや採用サイトの社員インタビューなどを見ると、社員がどういった服装・雰囲気かを大まかに把握できるため、事前に確認しておくと安心です。
服装の「自分らしさ」はどの程度必要?
現代では、個人の個性が重視される傾向があります。ただし、個性を表現する度合いは職種や業界によって異なります。不安がある場合は個性が強すぎる服装を避け、無難なコーディネートを選びましょう。
一概には言えませんが、個性が求められる職種や業種でない限りは、自分らしさを強調せず無難なコーデにしておいたほうがリスクは低いと言えます。突飛な格好で面接に臨むと、「個性的」ではなく「常識外れ」と認識されてしまうかもしれません。
よくあるNG例
服装について、「よくあるNG例」を見ていきましょう。
私服を指定されたのにスーツを来ていく
私服を指定されているにもかかわらず、スーツを着ていくのは望ましくありません。周囲がオフィスカジュアルなのに自分だけスーツだと悪目立ちする可能性が高く、「協調性がない」「人の話を聞かない」と認識されてしまいます。私服で指定された場合は、ビジネスの場にふさわしい私服、つまりオフィスカジュアルにしましょう。
カジュアルすぎる私服を来ていく
私服指定の場合であっても、カジュアル過ぎる私服を着ていくのはNGです。例えば、ミニスカートやショートパンツなどの露出が多い服装も避けるべきです。
話し方・態度
就活に限った話ではありませんが、相手と話す際には話し方や態度に気を付けましょう。以下、具体的なポイントを解説していきます。
声の大きさやトーン
声の大きさやトーンは面接官に内容を伝えるだけでなく、好印象を与えるためにも重要です。
声の大きさ
声は少し大きめに、ボソボソとしゃべらないようにします。はっきりとした声で話し、面接官が正確に聞き取れるくらいの大きさで話すことで、自信がある印象を与えられます。
声のトーン
声は抑揚をつけつつ、聞き取りやすさに気をつけましょう。いくらいいことを話していても、聞き取りづらいトーンだと面接官にいい印象は与えられません。聞き取りやすいトーンを心がけましょう。
質問への答え方のポイント
質問への答え方についてもポイントがあります。しっかりとポイントを押さえておきましょう。
質問内容に沿って端的に話す
「聞かれた内容からズレた回答をしない」のは面接の基本です。事前に話したいことを準備していて、その点をアピールしたい気持ちはあるかもしれませんが、質問内容から外れてしまう回答はNGです。
結論ファーストで話す
質問に対しては、最初に結論を話すようにします。そのうえで、結論にいたった背景や理由を補足していくことで、論理的で分かりやすく伝えることができます。相手にとっての分かりやすさを考慮し、「結論ファースト」で話しましょう。
相手の意図を汲み取る
相手がどういった意図で質問しているかを想像し、必要に応じて回答を補足することも必要です。相手が質問をしている理由はなにか、どういう答えが期待されているかを的確にとらえ、回答を外さないよう気をつけましょう。
目線やジェスチャーの効果的な使い方
話し方や態度に関しては、目線やジェスチャーの要素も無視できません。目線やジェスチャーの効果的な使い方を見ていきます。
目線は話す相手の顔へ
適切な目線で話すことは、相手とのコミュニケーションにおいて重要です。相手の目を見て話すことで、信頼性や誠実さを伝えることができます。また、相手の目を見て話すというのは、就活対策以前に「人としてのマナー」とも言える部分です。
普段から相手の目を見て話すのが苦手なら、練習を繰り返してしっかり目線を話す相手の方へ向けるようにしましょう。
面接官が複数の場合は全員に対してバランスよく
面接は1対1の場合もありますが、相手が複数のケースも少なくありません。相手が複数いる面接では1人のみに集中するのではなく、できるだけバランスよく全員に対して目線を向けるよう意識することが大切です。
しつこすぎない程度にジェスチャーを混ぜる
適度にジェスチャーを使いながら話すと、淡々と話すよりも相手に思いが伝わりやすくなります。話している内容に合った動きをすることで、聞く人の視覚に訴えかけ、より理解を促すことができるようになります。
とはいえ、過度なジェスチャーは大げさに見えたり、目障りととらえられたりして逆効果となりかねません。適度な範囲を心がけましょう。
まとめ
対面面接では、話の内容に加えてマナーや服装、話し方なども重要な選考ポイントになります。本記事で解説した内容をチェックしたうえで、しっかり準備して本番に臨みましょう。
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