今日、私たちの生活はIT技術によって大きく変わりつつあります。インターネットの普及、スマートフォンの進化、そして人工知能の発展など、その背後には数々の巨大IT企業が存在しています。こうした企業群を一般に「ビッグテック」と呼んでいますが、その特徴や代表的な企業については皆さんもよく耳にすることでしょう。
ビッグテック企業は、世界中で影響力を持ち、我々の生活を豊かにし、時には社会問題をも引き起こすことがあります。アメリカ企業が中心となっている一方で、近年では急成長する中国企業も現れております。この記事では、ビッグテックとは何か、その特徴や代表的な企業について紹介していきます。
ビッグテックとは?
世界で影響力が大きい巨大IT企業
ビッグテックとは、多くの人々の生活に深く関与している巨大IT企業を指します。最先端の技術を駆使し、私たちの日常生活に欠かせないサービスを提供している企業たちは、全世界で影響力を持っているのが特徴です。
アメリカ企業が中心となっている
ビッグテックは、アメリカ企業が中心となっています。この分野ではアメリカがリーダーシップをとっており、国際的なビジネスを展開していることから、彼らの影響力はとても大きいのです。世界中で使われるスマートフォン、SNS、オンラインショッピングなど、私たちの身近なものはほとんどが、このアメリカの巨大IT企業によって支えられているのですね。
近年では急成長する中国企業も
ビッグテックといえば、一般にアメリカ企業が中心であるとされますが、近年では中国企業も急成長しています。BATとして知られるBaidu, Alibaba, Tencentなど、これらの企業は国内外で大きな市場を築いております。
中国政府の強力な支援や、国内市場の広さなど、中国の独自の状況が、ビッグテック企業の成長を後押ししているようです。今後は、中国のビッグテック企業がさらに影響力を増していくことが予想されますので、世界のビジネスの動向を把握する上で注目すべきポイントとなるでしょう。
ビッグテックのその他の呼び方
ビッグテックという言葉だけではなく、いくつかの異なる名称でこの巨大IT企業のグループを指すことがあります。それらの呼び方にはそれぞれ特徴があるので、ここで簡単にご紹介いたします。
FANG
FANGは、Facebook, Amazon, Netflix, Googleの頭文字を取ったものです。主にアメリカの大手IT企業を指します。
FAANG
FAANGは、FANGにAppleを加えた形で、さらに代表的な企業をカバーしています。
MAMAA
Microsoft, Amazon, Apple, Meta (Facebookの親会社), Alphabet (Googleの親会社) の頭文字を取ります。
BAT
BATは、中国の巨大IT企業であるBaidu, Alibaba, Tencentを指します。
G-MAFIA BAT
Google, Microsoft, Amazon, Facebook, IBM, Appleの頭文字に、中国のBATを組み合わせたもので、世界の主要IT企業を総称しています。
ビッグテック(GAFAM)の主要企業
1.Google(Alphabet)
Googleは、世界で最も有名な検索エンジンを提供する企業で、親会社はAlphabetとなっています。Googleの検索エンジンは、情報を求める人々にとって欠かせない存在です。
Googleは検索エンジンだけでなく、YouTubeやGoogle Maps、Gmailなど、多岐にわたるサービスを提供しています。また、人工知能や自動運転車の開発など、最先端の技術にも積極的に取り組んでいます。
企業文化も注目されるところで、自由な発想が尊重され、多様性を大切にした経営が行われているとされます。世界中にその影響力を広げているGoogleですが、そのサービスの進化には今後も目が離せません。
2.Apple
Appleは、iPhoneやMac、iPadなどの製品で世界中にその名を知られている企業です。特にiPhoneは、スマートフォン市場を牽引しており、そのデザインと機能は多くの人々から支持されています。
スティーブ・ジョブズのリーダーシップ下で革新的な製品を次々と生み出し、世界のテクノロジー業界に大きな影響を与えてきました。美しいデザインと使いやすいインターフェイスが特徴で、製品の一つ一つが丁寧に設計されていると言えるでしょう。
また、エコシステムの構築にも成功しており、各製品がシームレスに連携することで、ユーザーにとっての利便性を高めています。Appleの製品は、それ自体がアートのような美しさを持ち合わせており、今後の新製品発表にも常に世界中の注目が集まります。
3.Facebook(Meta)
Facebookは、2004年に創業されたソーシャルネットワーキングサービスの先駆けで、その後はMetaとして、新しい時代に向けた戦略を展開しています。
Facebook自体は、友人や家族とのコミュニケーションを促進するプラットフォームとして、世界中で利用されています。その他にもInstagramやWhatsAppなど、人々のつながりを深めるサービスを提供しています。
近年では、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)に注力し、人々のコミュニケーションのあり方を革新しようとしています。その技術開発の一環として、会社名をMetaへ変更したことも話題となりました。今後のMetaの取り組みは、新しい時代のコミュニケーションのスタンダードを築くかもしれません。
4.Amazon
Amazonは、世界最大のオンラインショッピングモールで、その業務の幅は日々拡大しています。創業者であるジェフ・ベゾスの「お客様第一」の理念のもと、購買体験の向上に努めています。
本から始まった事業は、現在では衣料品、食品、家電など、あらゆる商品の取り扱いがあります。また、Amazon Primeという会員制サービスでは、映画や音楽のストリーミング提供も行っています。
さらには、クラウドコンピューティングの分野であるAmazon Web Services(AWS)も展開。ITインフラストラクチャの提供を通じて、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援しております。
5.MicroSoft
Microsoftは、1975年にビル・ゲイツとポール・アレンによって創業されました。パーソナルコンピュータの時代の到来とともに、その操作システムであるWindowsを提供しています。また、OfficeソフトウェアであるWordやExcelも、ビジネスや学生の皆さんの日常に欠かせないものとなっています。
近年では、クラウドサービスのAzureを強化し、企業向けのソリューションを提供しております。その他、AIやIoTの分野にも力を入れています。
その他のビッグテック企業
IBM
IBMは、アメリカの多国籍テクノロジー企業です。創業は1911年と、IT業界の中でも非常に歴史のある企業と言えます。
コンピュータの黎明期から、常に業界の先頭を走り、多くのイノベーションを起こしてきました。メインフレームの提供から始まり、現在ではクラウドコンピューティングやAIの分野でのリーダーシップも見せています。
また、IBMは、研究開発にも力を入れており、毎年多くの特許を取得しています。その知識と技術力は、新しい技術トレンドの形成に貢献しています。
Netflix
Netflixは、1997年にアメリカで設立された、オンライン動画ストリーミングサービスの企業です。初めはDVDのレンタルサービスとしてスタートしましたが、その後、ストリーミングサービスへとシフトしています。
最近では、オリジナルコンテンツの制作にも力を入れています。ドラマや映画、アニメなど多岐にわたり、多くの人々に楽しまれている作品を提供しています。
Netflixのサービスは、今や190ヶ国以上で利用されており、世界中で人気となっています。視聴者の好みに合わせたコンテンツ推薦など、AI技術を活用したサービス展開も注目されています。
Twitter(X)
Twitterは、2006年にアメリカで誕生したソーシャルネットワーキングサービスです。140文字以内の短いメッセージで、リアルタイムに情報共有ができる点が特徴となっています。
政治家や有名人、一般ユーザーなど、多岐にわたる人々が利用しております。短い文字数で情報を発信することで、瞬時に世界中に伝えることが可能となっています。
また、ハッシュタグ機能を用いて、特定のトピックやイベントについてのつぶやきを一元化することもできます。これにより、特定のテーマについて意見を交換したり、最新の情報を得ることができます。
2022年には起業家のイーロン・マスクが買収し、2023年7月24日には名称を「X」へと変更しています。
NVIDIA
NVIDIAは、1993年にアメリカで設立された、グラフィックスプロセッサや人工知能(AI)関連技術の開発を行う企業です。特に、ゲーム用のグラフィックカードでその名を知られております。
この企業が提供するGPU(Graphics Processing Unit)は、ゲーム業界だけでなく、最先端の科学計算や人工知能研究などでも活用されています。AIの分野では、ディープラーニングの計算に用いられることが多く、その高い演算能力が評価されています。
Adobe
Adobeは、1982年にアメリカで創業された、ソフトウェア開発企業です。特に、クリエイティブなデザインや映像編集を行うためのソフトウェアで世界的に知られています。
その代表的な製品であるAdobe PhotoshopやAdobe Illustratorは、デザイナーやクリエイターにとって欠かせないツールとなっています。これらのソフトウェアを通じて、デジタルメディアの表現が飛躍的に向上しました。
Adobeは、クラウドサービスの提供にも力を入れています。ユーザーがどこからでもアクセスできるようにすることで、より柔軟なクリエイティブ活動を支援しています。
百度(Baidu)
百度(Baidu)は、中国の北京に本社を置くインターネット関連企業です。2000年に創業され、主に検索エンジンの提供で知られています。
百度の検索エンジンは、中国国内において非常に高いシェアを誇ります。そのため、中国のインターネット利用者にとって欠かせないサービスとなっています。
また、最近では、人工知能の研究開発にも力を入れています。自動運転技術や音声認識技術など、多岐にわたる分野で先端技術を展開しています。
Bytedance
Bytedanceは、2012年に中国で創業されたテクノロジー企業です。同社が開発した「TikTok」は、若者を中心に世界中で大人気の動画共有アプリとなっています。
TikTokの特徴は、短い動画を気軽に楽しめる点で、それが多くのユーザーに支持される理由となっています。また、AI技術を活用した個人化されたフィードは、使用者に合わせたコンテンツを提供し、さらなるエンゲージメントを生み出しております。
アリババ
アリババは、中国の浙江省杭州市に本社を構えるEC企業です。1999年に創業され、その後急速に成長して、アジア最大のECプラットフォームとなりました。
アリババは、B2B(企業間取引)からB2C(企業から個人への取引)、C2C(個人間取引)に至るまで、多岐にわたる電子商取引サービスを提供しております。その手軽さと多様性は、中国国内外の多くの消費者と事業者に利用されています。
さらに、フィンテック分野への展開や人工知能技術の研究も進めており、多岐にわたる事業展開が進行中です。アリババの今後の活躍が期待される分野は、電子商取引に留まらず、広がりを見せているのです。
テンセント
テンセントは、中国の深センに本社を置く、インターネット関連のサービス企業です。1998年の創業以来、ゲームやSNS、オンライン決済など、様々な分野で事業を展開しています。
特に「WeChat」は、中国国内で非常に人気のあるメッセージングアプリで、生活に密接に結びついた多岐にわたるサービスが提供されています。友人とのチャットから、食事の注文、タクシーの手配、支払いまで、1つのアプリで完結することができます。
まとめ
ビッグテックとは、世界で影響力が大きい巨大IT企業のことを指し、彼らの技術とサービスが私たちの生活のあらゆる面に浸透しております。Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftなどの米国企業を中心に、NetflixやNVIDIAなどの先鋭的な企業、さらには中国のアリババ、テンセントなどの企業がこのカテゴリーに含まれます。今後も、ビッグテック企業の動向や彼らが果たす役割は、私たちの生活や経済、社会にとって重要なテーマとなります。技術の進化は日進月歩ですから、彼らの動向をしっかりと追いかけておきましょう。
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