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MBAプログラムとは?メリット・デメリットも解説


MBAプログラムと聞いて、「難しそう」「エリートがやるもの」といったイメージを持つ方もいるでしょう。「そもそもどんなものか知らない」という方も多いかもしれません。確かに、かつての終身雇用・年功序列の時代は「一握りの人たちだけが取得する学位」という印象がありましたが、現在においては多くのビジネスパーソンにとって有用で、メリットも大きいものとなっています。

本記事ではMBAの定義や種類を見た上で、メリット・デメリットなどについて解説していきます。

MBAとは?

まずは、「MBAとは何なのか」について見ていきましょう。

経営学修士(Master of Business Administration)のこと

MBAとは「Master of Business Administration」を略した言葉で、日本語では「経営学修士」を意味します。つまり、大学院で経営学を修了した人に付与される学位です。

アメリカやイギリスなどでは、実務経験を有する社会人を対象としたビジネススクールで取得できますが、日本では大学院が学位を授与することになっています。税理士や公認会計士といったような資格ではありませんが、MBAを取得していると就職活動の際に高評価が得られ、企業から経営幹部候補として期待されるケースもあるでしょう。

ビジネスの総合的な知識とスキルを習得できる

経営学の修士学位であるMBAでは、カリキュラムを通してビジネスの総合的な知識とスキルを習得できます。具体的には、事業戦略、マネジメント、マーケティング、財務・会計、ロジカルシンキング、統計学、経営学といったように、経営に欠かせない知識やスキルを体系的に学ぶことが可能です。

また、これらの知識やスキルは経営者としてはもちろんのこと、社会人の実務においても大いに活用できます。MBAを取得する過程においては、単なる座学ではなく、実際の会社でも活用できるような実践力を身につけることも重視されるからです。

社会人を経てプログラムに参加することも多い

MBAといえば、社会人経験を経てプログラムに参加する人が多いのも特徴です。もとは大学院にフルタイムで2年間通学しながら取得するものでしたが、近年では仕事をしながらでも学べるようにコースも多様化してきています。

大学の学部卒業後に就職し、その後4~5年経過してから参加することを想定したコースや、さらに上位のプログラムとして、実務経験豊富なベテラン管理職を対象としたプログラムも存在します。

仕事を辞めて留学するケースもある

日本での仕事を退職し、「MBA留学」をするケースもあります。MBA留学とは、MBAを取得するために海外のビジネススクールなどに留学すること。仕事を辞め、MBA取得に一定期間専念するというのが一般的なパターンです。留学先のグローバルな環境で企業経営に必要な知識を習得できるのがメリットで、アメリカやイギリス、オーストラリア、カナダなどが主な留学先となっています。

MBA留学には、より世界標準のビジネススキルを身につけられる、外資系企業への就職がしやすくなる、英語力も磨ける、グローバルな人脈が作れる、といった効果が期待できます。

MBAプログラムの種類

ひとえにMBAと言っても、さまざまなプログラムの種類が存在します。それぞれ特徴がありますので確認しておきましょう。

フルタイムMBA

フルタイムMBAは全日制のプログラムで、最もスタンダードなMBAプログラムです。受講している期間は平日の昼夜間に通うという全日制のスタイルなので、仕事との両立は現実的には困難です。

最近は減少傾向にありますが、在学中に海外提携校に留学できたり、MBA取得に集中できたりするメリットがあります。また、学習に十分な時間が取れるので、経営学全般に関して網羅的に知識を身につけることが可能です。ちなみに、アメリカのプログラムに在籍する日本人留学生は学生ビザでの入国となり、必ずフルタイムMBAに在籍しなければなりません。

パートタイムMBA

パートタイムMBAは、社会人向けに平日夜や休日にまとめて講義を受講するプログラムです。パートタイムMBAは社会人が対象のため、実務経験が入学条件となっている大学院も少なくありません。「働きながら通える」というメリットからフルタイムMBAより利用する方が多く、入学者も増加傾向にあります。

パートタイムMBAは基本的には働きながら学ぶので、学習したことをすぐに実践することが可能です。例えば、営業職の方がマーケティングについて授業で得た知識や分析方法を、顧客への提案時に応用できる場合もあります。ただ、フルタイムMBAより学ぶ時間は少なくなるため、すべての科目を完璧に勉強できるケースは多くないかもしれません。

オンラインMBA

近年は講義全体、または一部をオンライン化しているMBAプログラムもあります。オンラインで収録動画を視聴する場合や、双方向でリアルタイムに通信したり、教員やクラスメイトと交流したりしながら学ぶスタイルのものもあります。

オンラインMBAでは通学の負担がないため、多忙な社会人でも無理なく講義に参加できます。録画スタイルの場合、通勤や休憩時間などの隙間時間を活用することも可能でしょう。また、MBAプログラムを開講しているのは東京などの大都市圏が主です。地方在住者が都市圏のMBAに通おうと思ったら、引っ越しや単身赴任などを検討しなければなりません。オンラインMBAであれば、地方在住者でも環境を変えずに受講できるでしょう。

エグゼクティブMBA

エグゼクティブMBAはその名の通り、エグゼクティブ向けのMBAです。主に経験豊富な経営幹部、起業家、マネージャーなどを教育するためのプログラムとなっており、価格が高いのも特徴です。また、通常のMBAプログラムは4~5年程度の実務経験を参加資格とするのが通例ですが、エグゼクティブMBAでは15年以上としているプログラムも多く、かなり実務経験豊富なビジネスパーソンが対象となります。

MBA以上に全社的視点に基づく管理能力や経営力などを習得できることから、よりレベルの高いMBAという位置づけになっています。

MBAプログラムのメリット

MBAプログラムを修了するのは一筋縄ではいきませんが、その分、修了できた際のメリットは大きいと言えます。主なものをいくつか見ていきましょう。

就活のとき有利になりやすい

MBAを保有する人は「MBAホルダー」と呼ばれ、保有していることが一種のステータスになっています。そのため、MBAを保有していると就活で有利になりやすいでしょう。就活において、企業は「自社の利益創出につながる優秀な人材を採用したい」と考えているからです。

MBAでは企業経営に必要な経営戦略、財務・会計、マーケティングといったように幅広い知識を習得できます。なかなか新卒でMBAを保有している人は少ないですし、その知識や取得までの経験が自社でも役に立つと考える企業は多いでしょう宇。

キャリアアップに役立つ

MBAは、取得するために一時的に仕事を辞める人もいるくらい、価値のある学位です。MBAのためにいったんキャリアをストップしたとしても、結果としてその後のキャリアアップが早まる場合もあるでしょう。実際、多くのMBA修了者が「MBAを保有した後に年収がアップした」と答えています。

また、MBAを取得することで自身の市場価値が高まれば、会社を離れたとしても自分の力で生き抜いていけるかもしれません。それほど、MBAは大きなメリットとなり得ます。

人脈を構築できる

MBAを学習する過程において、MBAプログラムの同期受講者や講師との人脈が構築されます。MBAを取得するには、多大な労力と費用が必要です。そして、MBAを取得しようとする方たちは、基本的には仕事ができ、仕事に対する意識も高い人たちが多いと言えます。レベルが高い中で切磋琢磨し、同じ環境で努力する仲間として、広く人脈を構築することも期待できます。

そうした中で構築された人脈は、非常に大きな財産となります。自分が起業したときにサポートしてくれたり、仕事を請け負ってくれたりと、「単なる仲間」を超えた関係性を築ける場合も多いでしょう。

経営知識を習得できる

MBAでは、汎用的な経営知識を習得できます。経営者としては、もちろん現場の経験が重要です。しかし一方で、座学で得る知識もまた欠かせません。MBAプログラムの中ではまさに第一線で必要な知識を座学で身につけられるため、経営者や、経営者を支える立場の人にとって重要な機会になるでしょう。

ビジネスプランを練る機会がある

MBAプログラムでは座学だけでなく、実際にワークを行うことも多くあります。そして、多くのワークではビジネスプランを練る機会があります。自分が経営者となった際、発生した課題に対してどうアクションすればよいか、課題の本質は何か、再発防止のためにはどうすべきかなど、リアルな検討を重ねていく時間です。

そういった座学の中でのワークは、実践のシミュレーションにもなるでしょう。

MBAプログラムのデメリット

メリットが大きいMBAプログラムですが、デメリットにも目を向ける必要があります。

費用が高い

MBAプログラムは日本の国公立大学ならまだしも、私立や海外MBAだと費用が高くなります。卒業までに必要な金額は、人気の国公立大学で100~150万円程度、人気の私立大学では300~400万円程度がかかります。海外の大学だとさらに金額が高くなります。

将来的には十分取り返せるかもしれませんが、修了までにかかる費用が高い点はきちんと頭に入れておきましょう。

時間や労力がかかる

MBAの取得には、相応の時間がかかります。予習・復習や日常のレポート、ディスカッションや発表などは現役の学生ならまだしも、社会人だと時間のやりくりが大変です。働きながらの場合、ちょっとした資格を取るのとは比較にならないほどMBAの学習範囲は幅広く、難易度も高いです。

時間や労力が自身の負担になり得ることは覚悟しておきましょう。

覚えることが多くこなすのがハード

MBAでは経営に関係する知識をすべて学ぶことになるため、学習範囲がとにかく広いです。内容も事業戦略、マネジメント、マーケティング、財務・会計といったように簡単ではなく、かつある程度深いところまで知識を得なければなりません。

覚えることが多く、実際に自分の血肉にしていくのはハードだと言えるでしょう。

MBAプログラムの選び方

MBAを保有しようと思ったら、次は「どこの大学院でどういったプログラムに参加するべきか」が気になるところでしょう。以下では、どういう基準で選べばよいのかを解説していきます。

目的に合わせてプログラムを選ぶ

まずは、自分の目的に合ったプログラムを学べるかどうか。MBAのプログラムはある程度共通する箇所もありますが、大学院によって独自性があります。例えば、自分がマーケティングを特に学びたい場合はマーケティングに定評のある大学を選ぶべきです。また、就活で優位になりたいのであれば、卒業後の進路も気になるところでしょう。

MBAを保有する目的に合わせて、プログラムを選びましょう。

学校の評判を調べる

学ぼうとしている学校の評判も参考にしましょう。「講師の質は良いか、自分が学びたいことは学べるのか」など、これまで学校を卒業した人たちの口コミや評判を確認していきます。いろいろな学校を比較していく中で、希望に近い学校も見えてくるでしょう。

カリキュラムや教育内容を確認する

実際に学べるカリキュラムや教育内容を確認するのも大切です。仮に学べる内容が同じだとしても、教育方法が異なるケースもあります。講義型がメインなのか、ディスカッション型の授業が多いのかといったように、内容もよく確認しておきましょう。

卒業生の実績を調べる

MBAプログラムを受けた卒業生が、実際にどのように活躍しているかを調べてみるのも有効です。大学院のホームページや大学院情報をまとめているWebサイト、パンフレットや書籍などで確認できる卒業生のコメントをチェックしてみましょう。

もしかすると、今の自分の現状と希望、例えば「技術職からコンサルタントを目指したい」といった目標と同じような転身事例が見つかるかもしれません。大学院に直接問い合わせてみてもよいでしょう。

費用や奨学金の有無を確認する

費用については先述しましたが、MBAプログラムを終了するまでには数百万円ほどかかります。国立か私立かでもだいぶ異なるので、入学前に費用については入念に確認しておく必要があります。

また、すぐに支払うことが困難な場合は、奨学金を利用するのも一つの手段です。日本学生支援機構が実施するもの、大学が独自に設けているもの、地方自治体などが用意しているものなどがありますので、幅広く情報収集しておきましょう。

まとめ

MBAプログラムを修了するまでにはそれなりの費用や労力が必要ですが、就活やキャリアアップなどに大いに役立つ学位と言って間違いないでしょう。しっかりと情報を集め、理想とする将来像に近づけるようなMBAプログラムを選択しましょう。

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