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大学の課題レポートの書き方|おすすめの本も紹介

この記事では、レポートを初めて書く人や、評価されるレポートについて知りたい人に向けて、レポートを書くコツやレポートに関するおすすめの本をご紹介します。ぜひ参考にしてください。


課題レポートとは

テストの代わりの評価指標として、課題レポートの提出を求められることがあります。レポートでは「事実や根拠に基づいて、論理的に自分の主張が記述されているか」をチェックされることが多いようです。また、課題レポートにはいくつか種類があります。代表的なものを3つ、確認しておきましょう。

課題レポートの種類

自由記述レポート

自由記述レポートとは、その名のとおりテンプレートがなく、課題に対して自由に記述するレポートです。決まった形式がないため、最も取り組みにくいと感じられるかもしれません。基本的には、後述する「課題レポートの大まかな構成」を参考に、章付けして記述することをおすすめします。まずは与えられた課題を吟味して、記述する内容を考えるとよいでしょう。

例えば「教育のDXについてあなたの考えを述べてください」という課題であれば、資料を参考にして自分の主張をまとめる必要があります。重要な点としては、絶対的な答えは存在せず、読者(この場合は課題を出した先生)を意識し、「なぜこの課題を出したのか?」「期待されている事柄は何か?」と仮説を立てた後に書き始めることです。このように自由記述形式では見切り発車ではなく、求められている水準をどうすれば超えられるか、理論的な仮定をまとめてから着手しましょう。

論考レポート

論考レポートとは、特定のテーマや問題について事実や根拠に基づいた、自分の主張を論理的に記述するレポートのことです。レポートの中では最も一般的な形式だといえます。論考レポートで重要なのは、自分の主張に対するエビデンスを用意し、その主張をより確実で適切なものであると示すことです。統計などのデータや具体例を参考に説明しつつ、自分の主張が正しいものであるという結論付けができる構成だとよいでしょう。

実験レポート

実験結果の考察を交えながら記述するのが実験レポートです。これは構成がはっきり決まっているため、記述する順番を迷うことはないでしょう。しかし、大学によって採用している基準が異なることもあるので、書き方は事前に確認しておきましょう。一般的には、表紙、概要、目次、実験目的、理論、実験方法、実験結果、考察、結論、参考文献、謝辞の順番で記述します。実験レポートの文章の割合は事実が多く、実験結果を定量的に分析して考察を記述していきます。

課題レポートの大まかな構成

表紙

基本的には、以下の内容を含めて表紙を付けます。表紙の指定がない場合や、付けるかどうか不明な場合は、付けておいて問題ないでしょう。レポート用紙にタイトルや授業名などを記載する箇所があれば、そのとおりに記述します。

  • 提出年月日
  • 授業名・クラス名・担当教授
  • タイトル
  • 学部・学籍番号・氏名

序論

本論の前置き、導入部分にあたるものが序論です。レポートの本論で取り上げているテーマについて、あなたがどのような立ち位置から主張するのか、また、なぜそのテーマで問題提起したのかなどの背景を記述します。

本論

取り上げたテーマの問題や課題解決のために、参考文献を活用しながら論理的に文章を組み立てていきます。注意点としては、テーマに対する自身の主張が本論になっているかどうかです。参考資料やデータを並べるだけではなく、そのようなデータからなぜその主張が正しいものであるかを説いていく必要があります。また、本論のボリュームは、レポートの主体になるため、全体の80%を目安にしましょう。

結論

結論は、レポートの総括になります。自身の言いたいことを要約して記述しましょう。また、今後の課題を提起することも重要です。本論で取り上げた主張で、将来的に新たな課題にぶつかる可能性があれば、その要因についても触れておきましょう。主張する持論の将来的に起こる課題を認識していることで、より生産性の高いレポートに仕上がります

参考文献

本論で引用した参考文献を余すところなく記述します。書籍の場合は著者(編者)、タイトル、書籍(雑誌)名、発行年、出版社、掲載ページを記述。Webサイトの場合は、著者(管理者)、タイトル、サイト名、情報公開日、リンク、参照日を書きます。

課題レポートの進め方

①課題の内容と期限を理解して、スケジュールを考える

課題レポートの進め方は、まず課題の内容と期限を把握します。内容の把握には先生が期待していることを想像します。もし不安があれば、「私はこのような認識でレポートを書こうとしていますが、正しいでしょうか?」などと、尋ねてみましょう。課題の内容を理解できたら、次の②~⑧の工程を期限から逆算して、スケジュールに組み込みます。

②レポートに必要な情報を収集する

参考文献を収集する工程です。該当するページやURLなどは記録しておいたり、あらかじめレポートの参考文献の欄に記述しておいたりすると、手戻りや記述の忘れを防止できるのでおすすめです。

③集めた情報を整理して、レポートの構成を考える

次に参考文献と自分の主張を整理して、レポートの構成を考えます。いきなりレポートを書き始めるのではなく、まずは下書きとして序論、本論、結論に記述する内容を箇条書きなどで簡単にまとめましょう。話の論理展開が正しいものになっているか確認することも忘れずに。

④構成に沿って、書き始める

構成が完成したら、それに沿ってレポートを書いていきます。一文の長さは少ないほうが読者は読みやすいでしょう。1つの文章には1つの主張を記述するようにすると、分かりやすい文章になるので、参考にしてください。

⑤文章を推敲(すいこう)する

一通りレポートが書けたら、文章の推敲をします。この際にも読者の視点に立って、論理の飛躍がないか、分かりやすい表現で文章が書けているかを確認しましょう。論理の飛躍がないかチェックする際には、「空雨傘」という論法がおすすめです。「空雨傘」とは「空:空が曇っている(事実)」→「雨:雨が降りそうだ(解釈)」→「傘:傘を持って行こう(行動)」という順番で話を展開することです。これらの事実、解釈、行動を明確に分けて記述し、そして過不足なく盛り込みましょう。すると読者は「なぜ?」と思うことが少なくなり、伝わりやすい文章が書けるようになります。

⑥誤字脱字などの見直しをする

文章の推敲が完了したら、誤字脱字や表記揺れがないか確認します。ワードなどのパソコンソフトを使用している場合は「校正・校閲機能」を活用できます。また「Ctrl+F」で言葉を検索することで、表記揺れを確認することもおすすめです。例えば「ユーザー」と「ユーザ」を検索することで、表記揺れが起きていないかの確認ができます。

⑦表紙や参考文献を書いて仕上げる

最後に表紙や参考文献に必要事項が記述されているか確認します。参考文献はまとめて記述すると、手戻りや記述漏れが発生するリスクがあるため、本論の記述とともに書いておくことをおすすめします。この工程では、参考文献が本論と対応しているか、最終確認をしましょう。

⑧指定された方法で、期日までに提出する

レポートが完成したら提出しますが、指定された提出方法を守れているか確認しましょう。紙面で提出するなら、ホチキス留めの位置や提出する場所、Web上で提出するなら、ファイル形式(docx、pdfなどの拡張子)や添付方法など。正しく提出できなければ、良い内容だとしても評価されません。最後まで気を抜かずに対応しましょう。

課題レポートを書くコツ

PREP法を用いる

論理的な文章を書く方法の一つとしてPREP法があります。これは「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)」の流れで文章を構成するものです。PREP法を用いるメリットは大きく分けて3つあり、説得力が増す、短時間で伝わる、文章が書きやすくなることが挙げられます。初めに結論を記述し、理由と具体例で補足し、再び結論を伝えることで、読者は短時間で納得できるようになります。PREP法をベースにすると論法が固定されるため、書きたいことを当てはめていくだけで文章が素早く書けるようになるでしょう。

②主張に対して明確な根拠を示す

主張を伝える際は、なぜそのような主張をするに至ったのかを明確に示す必要があります。先述の「空雨傘」の例を挙げると、「傘を持って行こう」という主張だけでは当然読者は「なぜ?」と感じます。このような論理の飛躍を避けるために、主張を裏付ける根拠や考え方の過程を適切に記述しましょう。

③客観的なデータを根拠として取り入れる

客観的なデータ、つまり定量表現は必ず一意に定まる要素であるため、強力な根拠となります。例えば「全国の大学入学率の推移」を論じたければ、グラフで示すことで誰もが変化を共通の認識として持つことができます。客観的なデータはあなたの主張を捕捉する有用な根拠となるので、積極的に取り入れましょう。

④オリジナルな着眼点や主張を盛り込む

参考文献に対して、あなたがどのように解釈したのかを記述します。これは読者が最も読みたいことといえるでしょう。独自の着眼点や主張を盛り込むコツは、あなたが抱いた違和感を言語化することです。参考文献の主張に対して完全に納得することはまれです。そこでなぜ納得していないのか、その違和感を深掘りしていくことで、あなた独自の着眼点や主張が見えてきます。

課題レポートを書く際の注意点

①話し言葉を避ける

話し言葉をレポートには記述しないようにしましょう。特に副詞、接続詞、助詞や助動詞が注意するポイントになります。例えば「すごく」「でも」→「非常に」「しかし」など。

②あいまいな表現は避ける

根拠や主張を述べる際はあいまいな表現を避けましょう。例えば「大きい」「少し」「しばらく」などがあいまいな表現の一例です。これらの表現だけで文章を完結せず、「どのように大きいのか?」「どれぐらいの量を少しとする?」「しばらくっていつまで?」などを考えて、具体的な表現を心がけてください。

③誤字脱字に気をつける

文章の内容だけでなく、単語の誤字脱字にも注意しましょう。誤字脱字を防ぐ工夫としては、目で文章を追うのみでは飛ばし読みをしてしまう可能性があるため、書いた文章を音読するとよいでしょう。特段大きな声で読む必要はまったくありませんので、誤字脱字が心配な人は試してみることをおすすめします。

④当然、盗用をしない

盗用、盗作は不正行為として処分されます。絶対にしないようにしましょう。引用する際には、著作権法などによって定められた要件を満たしていることを十分に確認してください。

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②論文・レポートの基本

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「テーマの見つけ方」や「問いの立て方」の手引を解説しています。ただレポートを書くのではなく、分かりやすく書くことを追求した一冊です。読者がどのような評価軸で、レポートや論文を読んでいるのか知りたい人に特におすすめです。

まとめ

大学の課題レポートの書き方とコツ、おすすめの本をご紹介しました。大学生になって初めてレポートを書く人は、何から始めればよいか分からないことも多いでしょう。この記事で取り上げた「空雨傘」や「PREP法」のように、分かりやすい文章を書くフレームワークを活用して、説得力のあるレポートを書けるようになりましょう。

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