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「ガクチカ」でインターンやアルバイトの経験をアピールするコツ


面接やES(エントリーシート)で、必ずと言っていいほど問われる「ガクチカ」(学生時代に力を入れて取り組んだこと)。これまでは留学経験やボランティア経験などをガクチカでアピールする学生も多くいましたが、このコロナ禍で「面接で語れるような華やかな経験がない」と悩む方も多いようです。

しかし、「ガクチカ」は決してエピソードが持つインパクトの大小で優劣がつくわけではありません。企業側は、ガクチカのエピソードを通じて、就活生の人柄や行動原理、モチベーションの源泉を知りたいと考えています。「実績や話のインパクトがすべてである」と考え、どのエピソードを選ぶべきかを決めるのはあまり望ましくないと言えるでしょう。

そこで今回は、ほとんどの大学生が一度は経験したであろう「アルバイト・インターンシップ」に焦点を当てていきます。

「そもそもガクチカのテーマにインターンやアルバイトを使っていいの?」「自己アピールするエピソードはどういった手順で作ればいいの?」「効果的にアピールするためには何が必要?」といった疑問を解消したい方は、ぜひ最後までお読みください。

「ガクチカ」で就業経験をアピールするのは有効?

そもそもガクチカにおいて、アルバイトやインターンといった就業経験は有効なのでしょうか?

インターンとは、職業体験のことを指します。実際に企業で働いてみたり、社会人の方の話を聞いたりすることで、その企業の雰囲気や企業風土を深く知ることができます。

間違いなくアピールとして有効

結論、アピールとしては有効と言えます。もちろん、「長期留学の経験があるので英語が流暢です」「体育会の部活に所属し、全国制覇しました」などのエピソードには、インパクトだけで考えると劣るかもしれません。しかし、アルバイトやインターンの経験を話してもマイナスになることはほとんどありません。

なぜなら採用担当や面接官は、「エピソードの大小ではなく、行動を通じて就活生の人柄を探りたい」と考えているからです。

むしろインターンやアルバイトの経験は、その人の得意・不得意や入社した後のイメージがわきやすいため、アピールとしては効果的と言えるでしょう。

インターンかアルバイトかで大きく差は出ない

では、エピソードを話す際に、「インターンかアルバイトか」で差は生じるのでしょうか。

この点については、大きく差は出ません。先ほどお話しした通り、エピソードの内容ではなく「その経験を通じてあなたが何を考えたか」が大切になるので、どちらが良いかを気にする必要はありません。

経験してきた具体的なエピソードによって左右される

インターンとアルバイト、両方の経験がある就活生はどちらをガクチカに選ぶべきなのでしょうか。

ガクチカを選ぶ際は「どちらのほうが主体的に周囲を巻き込みながら成果を出せたか」を考えましょう。なぜなら、ガクチカにおいては主体性と統率力が特にチェックされているからです。

企業側は「ただ指示された業務内容を黙々とこなすだけの人」よりも「自分なりに現状を分析し、自ら解決に向かって挑戦できる人」のほうを採用したいと考えています。また、社会人においてさまざまな場面で必要になる「人を動かす力」についても備わっている学生が求められます。

このように、「企業側が求める人物像」から逆算して、そこを最大限アピールできるエピソードをガクチカに選ぶようにしましょう。

業務内容によっても変わってくる

注意すべきは、「アピールすべきポイントは業務内容によっても異なる」という点です。

営業職は、顧客の課題を把握してその解決策を提示するのが仕事です。一見するとコミュニケーション能力や人と話すのが好き、というのがアピールになりそうですが、その一方で、相手の潜在的なニーズを把握してそれに応える提案を用意する能力も必要とされます。どちらをアピールするかは、相手先の企業や採用ポジションによって変えましょう。

また、事務職は企業のさまざまな部署においてサポート的な役割を果たします。そのため、知らない人とでもスムーズに連携できるコミュニケーション能力、問題が生じた際に素早く対応できる行動力、素直に謝れる誠実さなどが求められます。

もちろんパソコンスキルやタイピングの速さなども強みにはなりますが、そこだけをアピールしても先述したポイントは訴求できません。あなたの内面や誠実さをアピールできる経験を選ぶようにしましょう。

このように、ガクチカでアピールすべきポイントは業務内容によって大きく異なります。「自分が志望する職種はどういった能力が求められるのか」といった点についてしっかりと考えてから、ガクチカのエピソードを選定しましょう。

インターン・アルバイト経験のエピソード作成手順

ここからは、インターンおよびアルバイト経験のエピソードの作成手順についてご紹介します。

1.経験したインターン・アルバイトをすべて洗い出す

まずは過去を振り返り、経験したインターンやアルバイトの経験をすべて洗い出しましょう。繰り返しにはなりますが、「自慢できるような立派なエピソードがない」と考える必要はありません。エピソードの大小にかかわらず、一度すべての経験を紙やメモ帳に書き出すことから始めてみてください。

過去の経験を記憶頼りですべて辿るのは困難ですので、可能であればコツコツと日記をつけるようにしましょう。日記があれば過去の経験だけでなく、当時の思いまで振り返ることができます。

具体的なエピソードとしては、「バイトリーダーとして複数のアルバイトを統括した経験」「長期間アルバイトを継続した経験」「売上を短期間で伸ばすことができた経験」「インターン先で目標の成果を達成して褒められた経験」などが挙げられます。

2.それぞれの経験期間や内容を書き出す

経験したインターン・アルバイトを洗い出したら、次はそれぞれの経験期間と内容を書き出します。特にエピソードの内容は、ただ起きた事象を述べるのではなく、「自分の内面を言語化する」ことを意識しましょう。

なぜなら企業側がガクチカを問う理由は、就活生の根源にある価値観や考え方、モチベーションの源泉を探るためであり、そこをアピールできなければ面接官に“刺さる”エピソードにならないからです。

「内面を言語化する」というのは、エピソードに対してどのように考えたのか、どういった価値観で行動したのか、当時どのような感情であったのか、などを文章にする工程です。少し難しいかもしれませんが、エピソードに対してひたすら自問自答を繰り返すことで少しずつ当時の思いや価値観が浮かび上がってきます。

このようにして、より詳細なエピソード内容を話せるようにしましょう。

3.学んだこと、成長したことを深堀りする

エピソードの期間と内容を洗い出せたら、次は学んだことや成長したことを深掘りしましょう。エピソードを詳細に書き出し、当時の思いに気付けても、その経験から学びや成長がなければ面接で話す価値がありません。

実際に面接の場では、面接官から「その経験からあなたは何を学びましたか?」と聞かれることも多々あります。なぜなら企業側は「あなたが物事に対してどのように取り組み、成長したかを知ることで、会社でどのように活躍してくれるかを確認したい」と考えているためです。

アルバイトやインターンといった就業経験では、学んだことが多々あると思います。入社後どのような形でそれらの知識や経験を活かすのか、といった点を意識して伝えましょう。

4.STAR法を使ってエピソード化する

これまでの手順を踏めば、抽象的であったエピソードが具体化しつつあると思います。そこで最後に、エピソードをまとめる非常に便利な「STAR法」というフレームワークをご紹介します。

STAR法は、以下の4つの頭文字を取ったものです。

  1. Situation(エピソードの概要)
  2. Target&Task(課題や掲げた目標)
  3. Action(目標達成に向けてとった行動)
  4. Result(成果)

この順番でエピソードを組むことにより、論理的かつ明快に文章を展開することができます。それぞれ簡単に説明していきます。

①Situation(エピソードの概要)

まずは導入部分です。学生時代に力を入れて取り組んだことを簡潔に述べ、エピソードの概要を伝えましょう。ダラダラとエピソードを述べるのではなく、「私は今から○○の経験について述べます」と先に宣言することで、面接官の興味を惹きます。

②Target&Task(課題や掲げた目標)

自分がエピソードの中で抱えていた課題感や目標を伝えましょう。ポイントは「定量的な目標」を伝えることです。「売上150%増」や「毎月10人の新規顧客獲得」など、具体的な数字を出すことで説得力が増します。

③Action(目標達成に向けてとった行動)

次は目標達成に向けてとった具体的な行動を示しましょう。この際、チームで協力した経験や周りを巻き込んで達成できた経験であればなお良いです。

④Result(成果)

最後は成果です。目標を達成できた、できなかったにかかわらず「どのようにすればより良い結果が生まれたのだろうか」を考えるようにしましょう。そうすることで、面接官に「成功してもきちんと内省できる人材」という印象を与えることができます。

エピソードをアピールするコツ

ここからは、エピソードをアピールするコツについてご紹介します。

主体性が伝わるエピソードを採用する

1つ目のコツは、「あなたの主体性が伝わるエピソードを選ぶ」です。

企業側は主体性を持った就活生を強く求めています。なぜなら、常に自ら考えて行動し、早い段階で結果を出してほしいと考えているからです。従って、ガクチカを選ぶ際も「自ら周囲に働きかけ、周りを巻き込んで目標を達成した」といったエピソードが望ましいでしょう。

ただし、主体性という言葉は非常に曖昧で伝わりにくい一面もあります。なので「周囲には、○○というように協力を呼びかけました」など、より具体的に行動したエピソードが求められます。あなたの主体性をしっかりと面接官にアピールできれば、ESや面接の突破率も大幅に向上するでしょう。

自分の強みが経験にどう活かせたかアピールする

2つ目のコツは、「自分の強みがどのように活きたのかをアピールする」です。ガクチカは、ただ事例を述べれば良いという訳ではありません。あなたの強みがにじみ出るようなエピソードが理想です。

例えば「○○というチームの課題があったが、持ち前の傾聴力で一人ひとりの話を聞き、解決に導いた」などです。

このように伝えることで、

  • 集団の中でも強みを発揮できる人材という印象を与える
  • 自己PRの説得力が増す

といった効果があります。ぜひ意識してみましょう。

成長したポイントを明確化する

3つ目のコツは、「成長した点を明確化する」です。

ガクチカにおいて、成長したポイントは抽象的になりやすいのが特徴です。「リーダーシップが身に付きました」と言われても、面接官からすると具体的に何ができるようになったのか分かりません。そうした抽象的な回答が続くと、「実際には何も身に付いてないのではないか?」と面接官は疑うようになります。

従って成長したポイントを述べる際は、具体的に何ができるようになったのか、どのようなスキルが身に付いたのか、再現性はあるのか、を意識しましょう。

結果や成果をできるだけ具体的に話す

4つ目のコツは「できるだけ具体的に話す」です。

ざっくりとした経験を話しても、相手には伝わり切りません。どのような計画を立てて、どのような成果を出せたのか、その要因は何なのか具体的に伝えることを心がけましょう。

また、成果について定量的に伝えるのも具体化の手段として有効です。前年比○%増加、目標人員の●●●名を達成、などです。数値を活用して説明することで、あなたがの挙げた成果や、結果どうなったかが非常に理解しやすくなります。

社会人として経験をどう活かせるか伝える

最後は、「社会人として経験をどう活かせるか伝える」です。いくら素晴らしい学びがあっても、それを活かす場がなければ意味がありません。面接官も「その学びは企業や社会でも活かせるのか?」という点を注視しています。

特にインターンは社会人と関わる機会が多いため、非常に多くの学びがあると思います。そうした学びをどのように活かしていくのか、あらためて考える必要があります。

ひとつの経験だけにとらわれすぎない

選考している企業やポジション、担当者によって、その経験が魅力的に映るかどうかはさまざまです。面接中にも、「その他にエピソードはありますか?」と聞かれるケースも多々あります。事前に複数のエピソードを用意しておき、企業や面接官ごとに使い分けられるようにしましょう。

まとめ

今回は「ガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)でインターンやアルバイト経験をアピールするコツ」というテーマのもと、エピソードの作成手順やアピールするコツについてご紹介しました。

ガクチカはESや面接において必ず聞かれる質問であり、事前の準備は欠かせません。また、他の就活生と差別化できるポイントでもあるため、しっかりとしたエピソードが求められます。採用担当や面接官が何を知りたいのかを理解し、「企業側が求める人物像」から逆算して、アピールしやすいエピソードを選ぶようにしてみてください。

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