皆さんは「ユニコーン企業」をご存知でしょうか?経済界やビジネスの世界ではよく耳にする言葉ですが、その正確な定義や特徴、また代表的なユニコーン企業について詳しく知っている方は少ないかもしれません。この記事では、ユニコーン企業について詳しく解説します。
ユニコーン企業とは?
評価額が10億ドル以上の未上場企業のこと
ユニコーン企業とは、評価額が10億ドル以上の未上場企業のことです。日本円に換算すると、なんと1,400億円以上(※2023年8月時点、1ドル=141円)の価値があることになります。幻の存在(ユニコーン)のように思えることから、その名が付けられました。
4つの条件を満たすと該当
しかし、ただ評価額が10億ドル以上あればユニコーン企業を名乗れるというわけではありません。ある4つの条件を満たす必要があります。
1.創業10年以内
1つ目は、創業10年以内であること。ユニコーン企業は、新興企業が多いという特徴があります。彼らは古い常識や制約に縛られることなく、自由なアイデアで新しい価値を創出しています。創業10年以内という条件は、その柔軟性とスピードを評価するための基準と言えるでしょう。
2.企業の評価額が10億ドル以上
2つ目が先に触れた、企業の評価額が10億ドル以上であることです。これはユニコーン企業の基本的な定義であり、その巨大な規模感が窺えます。10億ドルという数値は事業の成功と将来性を示すだけでなく、社会的に多大な影響力を持つ企業であることを意味しています。
3.未上場
3つ目の条件は、未上場であること。これは、企業がまだ公開市場で株式を取引していないことを意味します。未上場というのは、企業が自由に戦略を立て、事業を展開できるということ。つまり、ユニコーン企業は自己のビジョンに基づいて、市場や顧客のニーズに対応しながら大胆なイノベーションを進めることが可能なのです。
4.テクノロジー企業
最後に4つ目、ユニコーン企業はテクノロジー企業であることが求められます。これは、今日の急速な経済成長と社会変革を牽引しているのがテクノロジー産業であるという現状を反映したものです。ユニコーン企業は、そのようなテクノロジーのパワーを用いて従来の産業構造を変革し、新たな価値を生み出しています。
日本には数社しか存在しない
2023年8月時点で、世界には1,400社以上のユニコーンが存在すると言われていますが、日本には数社しか存在しません。日本にユニコーン企業が少ない背景にはさまざまな要因が考えられますが、起業文化の未熟さやリスク回避の傾向、そして資金調達の難しさなどが主な理由として挙げられます。
しかし、最近では国や自治体がベンチャー企業を支援する政策を打ち出すなど、取り巻く環境は少しずつ変わりつつあります。今後は日本でも、ユニコーン企業が増えることを期待したいところです。
代表的なユニコーン企業
1.ByteDance
「ByteDance」は中国に本拠を置くテクノロジー企業で、評価額はなんと2,200億ドルにものぼります。同社は2012年に設立され、そこから短期間で急速に成長を遂げました。特に有名なサービスが、短時間動画共有アプリ「TikTok」。TikTokは世界中で爆発的な人気を誇り、その新鮮なコンテンツとユーザーの創造性が評価されています。
しかしByteDanceの成功は、ただ一つのアプリに依存しているわけではありません。同社は機械学習や人工知能を駆使し、自社のプラットフォームを次々と進化させています。それによってユーザー体験を向上させるだけでなく、新たなビジネスチャンスをつかんでいます。
2.Ant Group
「Ant Group」は中国のアリババグループ傘下にある大手フィンテック企業で、評価額は1,500億ドルを超えています。同社が運営する「Alipay(アリペイ)」は、中国を中心に広く利用されているデジタル決済サービス。しかしそれ以外にも同社は、金融商品の販売やクレジット評価システムの提供など、金融サービス全般にわたる事業を展開しています。データとテクノロジーを駆使したその事業モデルは、金融業界に大きな変革をもたらしました。
3.SpaceX
「SpaceX」はアメリカの宇宙開発企業で、評価額は約1,200億ドルとなっています。創業者であるイーロン・マスク氏のビジョンのもと、再利用可能なロケットの開発や人間の火星移住など、野心的なプロジェクトを推進しています。特に、同社が開発した「Falcon」シリーズのロケットは、そのコストの低さと高い信頼性で商業宇宙飛行の新しいスタンダードを作り出しています。
4.Shein
中国に本拠を置く「Shein」は、若者を中心に全世界で支持を集めるファッションブランドです。Sheinはファストファッションの新たなる形を体現し、評価額は約660億ドルとされています。製品のデザインから製造、そして販売までを一貫して行い、そのスピーディな商品展開と手頃な価格が評価されています。また、SNSを効果的に活用して顧客とコミュニケーションを取ることで、時代の最先端を行くスタイルを提供しています。
5.Stripe
アイルランドに本社を構える「Stripe」は、決済プラットフォームを提供する企業です。評価額は約500億ドルとされ、世界的なユニコーン企業集団の一角を担っています。Stripeのプラットフォームは、ウェブサイトやアプリでの決済をシンプルに行えるよう設計されているのが特徴。その使いやすさとセキュリティの高さから、中小企業から大手企業まで幅広い規模のビジネスに利用されています。
6.Canva
「Canva」はオーストラリア生まれの企業で、デザインツールと印刷サービスを提供し、グラフィックデザインを身近に感じることができるプラットフォームを構築しています。その評価額は400億ドルとも言われており、初心者でも使いやすく、一方でプロフェッショナルレベルのクオリティも確保できるツールを使えば、スライド、ポスター、Webサイトなどを手軽に作成できます。
7.Epic Games
「Epic Games」はアメリカの企業で、人気ゲーム「フォートナイト」の開発元として広く知られています。一部の人気ゲームを開発・提供するだけでなく、ゲーム開発プラットフォーム「Unreal Engine」も手がけています。Unreal Engineの登場により、他のゲーム開発者も高品質なゲームをつくり出すことが可能になりました。
8.OpenAI
「OpenAI」は、数多くの科学者やテクノロジー専門家によって設立されたAIテクノロジー企業です。最近大きなトレンドにもなった「ChatGPT」をはじめとしたAI関連サービスを提供しており、Microsoftなどのビッグテックと提携するなど、AIのリーディングカンパニーとして急速に頭角を現しています。
9.SmartNews
「SmartNews」は、AIを用いてニュース記事を配信するアプリを開発・運営している日本企業です。SmartNewsのAIは、ユーザーの閲覧履歴や好みに基づいて、自動的に最適なニュース記事を選択・提供しています。それだけでなく、信頼性のある多数のニュースソースから情報を収集し、それらを一覧できる機能もあります。こうした特長から、SmartNewsは国内外で広く利用され、多大な支持を得ています。
10.SmartHR
「SmartHR」は、人事・労務管理を効率化するクラウドサービスを提供している日本企業です。給与計算、社会保険手続き、就業規則の作成など、人事業務の多くを簡素化・自動化することで、人事部門の負担軽減に寄与しています。また、使いやすいUI(ユーザーインターフェース)と高いカスタマイズ性により、多くの企業から支持を得ています。
※上記時価総額は2023年8月時点のCrunchbaseを参照しています
まとめ
ユニコーン企業は、創業10年以内、評価額10億ドル以上、未上場、そしてテクノロジー企業という条件を満たす企業のことです。ご紹介したように、日本でもSmartNewsやSmartHRといった、世界から注目されるユニコーン企業が複数存在します。
ユニコーン企業は、それぞれが革新的な発想と先見性、そしてテクノロジーを活用して、社会や経済に大きな影響を与える存在となっています。そのアイデアや働きかけによって新たな価値が生み出され、私たちの生活や社会はより豊かになっていくでしょう。
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