【大学生向け】Web4やWeb3とは?Web2.0との違いやWebの歴史変遷について解説


「Web4」や「Web3」といった言葉を見たり聞いたりする機会も増えてきていますが、実際のところどういう意味かよく分からないという方も多いのではないでしょうか。あまり聞きなじみがない言葉だからこそ、正しく理解しておくことで、就職活動などで他の学生より有利に立てる可能性もあるかもしれません。

本記事では「Web4」や「Web3」とは何なのか、「Web2.0」との違いや「Web1.0」からの歴史変遷などと合わせて解説します。

Web4とWeb3とは

現代では「Web3」および「Web4」の時代が到来しています。まずは、Web3やWeb4の意味を理解し、その後でWebの歴史とWeb1.0からWeb4までの進化について詳しく確認しておきましょう。

Web●●とは?

「Web●●」という用語は、インターネットの進化の歴史を示しています。インターネットが広く一般化したのは1990年代半ば以降のことで、古くから存在していたわけではありません。この進化の過程における最初の段階を「Web1.0」と呼び、その後、年代とともにインターネットも進歩し、Web1.0がWeb2.0へ、そして現在はWeb3およびWeb4に至っています。

これらの違いを正確に理解することは、インターネットの歴史を整理し、今日の課題とそれに対する解決策に対する理解を深めるのに役立つでしょう。

Web1.0~4の変遷

それでは具体的にWeb1.0からWeb4までの変遷について見ていきましょう。なお、本記事ではWeb3とWeb4については後ほど詳しく解説しているため、ここでは概要だけ説明します。

Web1.0

「Web1.0」は、インターネットが一般的に普及し始めた初期の段階を指します。当初、Web1.0は主に科学者向けに開発されましたが、その利便性から一般にも広まりました。

この時期では、情報の発信者と受信者は明確に区別されており、発信者が一般ユーザーである受信者への一方向の発信を行う形だったのがWeb1.0です。一般ユーザーにとって、Web1.0では主にニュースサイトやホームページから情報を受け取ることしかできませんでしたが、Web1.0の出現により、情報提供者は世界中の人々に情報を提供でき、同時にユーザーは世界中の情報にアクセスできるようになりました。

Web2.0

「Web2.0」は、2000年代から始まった、双方向コミュニケーションが可能な時代を指します。これまで通りの一方通行の情報提供に加えて、ユーザー同士が積極的に交流できるようになった時代がWeb2.0です。代表的なプラットフォームとして、Twitter、Facebook、YouTubeなどのソーシャルメディアや動画共有サービスが挙げられます。例えば、YouTubeでは誰でも動画を視聴できるだけでなく、自身でも動画を投稿し、他のユーザーと交流することが可能です。

Web2.0では誰もが簡単に情報提供者になれるようになり、画像や動画を共有するプロセスも容易になりました。しかし、これに伴い個人情報とプライバシーの問題が浮上してきます。

Web3

Web1.0は情報提供の一方向の時代であり、Web2.0は双方向の時代でした。そして「分散型の時代」とも呼ばれる「Web3」は、主にブロックチェーン技術に基づく新しい分散型ネットワークの世界を指しますWeb2.0までのWebサイトは特定のサーバーにデータを集中的に格納していましたが、Web3では情報を複数のサーバーに分散して保存し、ブロックチェーン技術を使用してそれらのデータを結び付けます。Web3は国境を越えた自由なインターネットの世界を実現し、同時にセキュリティの向上を実現しています。

Web4

「Web4」では、AIやIoT、メタバースが活用されています。リアルタイムでの情報共有やパーソナライズされた体験を可能とする、いわゆる「次世代の環境」です。

AI技術の進歩により、人間と機械が協力する時代が到来すると考えられています。これらの技術はWeb3までに発展しており、Web4ではさらなる応用が期待されています。たとえば、どこからでもリアルタイムで仮想世界を楽しむことができるようになり、コミュニケーションの促進によるイノベーションや、マーケティングおよびビジネスモデルの変革も見込まれています。

Web3について

「Web3」は、ブロックチェーン技術を活用したインターネットの世界を指します。比較的新しいコンセプトであり、具体的には分散型テクノロジーとブロックチェーン、オープンなプラットフォーム、そしてNFT(非代替性トークン)といった点が特徴です。

Web3では、Web2.0の課題であった特定の大企業に個人情報が集中するプライバシーの問題や、サーバー依存によるセキュリティの問題などの解決に期待が集まっています。それでは、特徴について詳しく見ていきましょう。

分散型テクノロジーとブロックチェーン

Web3はWeb2.0と比較して、分散型テクノロジーとブロックチェーン技術の活用において大きな違いがあります。Web2.0までのアーキテクチャーとは異なり、Web3では情報を複数のサーバーに分散して保存し、さらにブロックチェーン技術を利用して分散したデータを連携させます。

ブロックチェーンは、分散型台帳で取引履歴を保存する技術です。Web3.0では、個人情報はブロックチェーンに記録され、その所有権はユーザーに帰属します。言い換えれば、Web2.0までの「中央集権的なデータ管理」から大きく変化し、ユーザーが主権を取り戻すことが可能です。

例えば、Web2.0ではインターネットで買い物をする際、ECサイトに必要な個人情報をすべて登録する必要があり、それはECサイトごとに必要なプロセスでした。Web3では個人がブロックチェーン技術を使って個人情報を分散管理し、ECサイトがブロックチェーンから情報を取得することで買い物ができるようになります。仕組み上、ECサイトごとに登録・管理される必要のない状態になることがメリットです。

オープンなプラットフォームとデータの所有

Web1.0は主にパソコンを利用するWebサイトや電子メールの世界、Web2.0はSNSが主流の大手プラットフォーマーがデータを囲い込んで「中央集権化」が進んだ世界でした。一方、Web3はオープンなプラットフォームとデータの所有を可能としています

例えばWeb2.0の場合、どれだけフォロワーが多かったとしても、プラットフォーマーに「このユーザーは適切ではない」と判断されればアカウントは停止されてしまう恐れがありました。しかし、Web3のパブリックブロックチェーンの下では管理者が存在しないので、勝手にアカウント停止などの処分をされることはありません。

NFTの登場

NFTとはNon-FungibleToken(非代替性トークン)」の頭文字を取った言葉で、複製不能なデジタルデータのことです。

NFTは画像や動画のような「コンテンツ」ではありません。NFTとはブロックチェーンに書き込まれてあるトークン(データが入っている箱のようなもの)の規格で、トークンの所有者を示したり、トークンの数を確認したりする情報です。NFTの登場により、これまで簡単にコピーできていたデジタルデータが「唯一無二のもの」として証明されるようになりました。

Web4について

Web3が成長を続ける中、これからの世代として注目されているのが「Web4」です。Web4ではAIやIoT、メタバース、VA/VR、ブロックチェーンといった、現在も発展途上の技術が用いられており、現実と仮想世界の融合がよりいっそう進むとされています。そして、AIやメタバースといった技術はWeb3でも頭角を現しており、これらを応用させたものがWeb4とも言えるでしょう。

AIの大幅な発展が鍵

Web4では、ChatGPTをはじめとしたAIの技術競争が激化していきます。AIはユーザーの行動パターンを学習し、個々に最適化されたデータを提供します。AIの発展は人類にさまざまな恩恵を与えるとされており、受け取れるメリットは小さくありません。AIは繰り返し行うような定型業務や単純作業を得意としているため、これまで人が行っていた仕事の一部を代替することが可能と言われています。

また、医療診断、自動車の自動運転制御、学習支援といった分野でもAIは活躍が期待されており、あらゆるシーンで適用できる可能性があります。

IoTの活用

IoTとは「Internet of Things」(モノのインターネット)を略した言葉です。Web1.0の時代、インターネットは自宅や会社のパソコンからつなげるものでした。しかし、今はデジタル技術の急速な発展により、スマートフォンやタブレットに加え、家電や自動車といった「モノ(製品)」もインターネットに接続できるようになっています。IoTの対象となるモノにはセンサーや無線通信などが搭載されており、状態や動きやデータがインターネットを介して人やモノに伝送されます。

IoTの事例としては、外出先から自宅のエアコンの電源を入れたり、電気ポットのON/OFF信号から離れた暮らす家族に安否確認の情報が届いたりといった技術が挙げられます。企業においても、インターネットを活用して製造工程のさまざまなデータを簡単に集計する、といった活用が期待されています。

VR/ARとメタバース

VRやAR、メタバースもWeb4の対象です。

VR(仮想現実)はVRゴーグルやヘッドセットなどの物理デバイスを通じ、仮想空間にアクセスできる技術です。物理的な距離が離れている相手でも、すぐそこにいるように感じることを可能にし、仮想空間内でさまざまな活動や体験ができることが期待されています。

AR(拡張現実)はVRと混同されがちですが、両者は異なる概念です。ARは現実世界にデジタル情報を付加し、現実世界が拡張したかのように見せる技術のこと。例えば、現実の風景をスマートフォン越しに見ると、その風景に画像や文字データを重ねられるといった技術です。

メタバースは、「仮想空間」という意味。現実世界とは異なるデジタルの世界で、利用者は自分の分身(アバター)として行動し、その世界でコミュニケーションを取ったり作業をしたりします。メタバース市場では実際にビジネスが存在しており、仮想空間上で仕事をすることも可能になってきています。

ブロックチェーン技術も引き続き関連

Web3の中心技術だったブロックチェーンは、Web4でも引き続き関連していきます。Web3ではブロックチェーンを活用したユーザー主導のインターネットというコンセプトでしたが、それはWeb4でも基本的には変わりません。Web3で活躍したブロックチェーンを引き継ぎつつ、AIやIoT、メタバースのような技術を駆使した、人間と機械の共生を目指しているのがWeb4と言えるでしょう。

まとめ

インターネットの世界は1990年代の登場以降、急速に進歩し、注目度を高めてきました。Web1.0が始まった当初、今日におけるWeb4までの姿を想像できた人はほとんどいないでしょう。最新技術にはまだ課題があるものの、今後もますます人々の生活をより便利に、そして豊かにする可能性を秘めています。 大学生としても、本記事で解説したWeb1.0からの歴史をしっかりと理解し、就活やその後の有意義な社会人キャリアにつなげていきましょう。

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