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ロジカルシンキング(論理思考)のやり方・勉強方法を紹介


大学生でもよく聞くビジネス用語の一つに「ロジカルシンキング」があります。ロジカルシンキングを身につければ、課題レポートや論文の執筆、授業でのディスカッションが楽になるだけでなく、就職活動の際に「論理的で話がわかりやすい学生だな」と人事から高い評価をもらえる可能性も高くなります。

しかし、ロジカルシンキングという言葉を聞いたことはあっても、具体的にどういう意味を持った言葉なのかを説明できる方は多くないのではないでしょうか。意味を説明できたとしても、実践できている大学生は少数派かもしれません。

今回はそんな学生に向けて、「ロジカルシンキングとは」「ロジカルシンキングの勉強方法」について説明します。大学生活の中で論理的思考を身につけたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

ロジカルシンキング(論理思考)とは

まずはロジカルシンキングについて解説します。意味をしっかりと説明できるように、本記事でロジカルシンキングへの理解を深めましょう。

筋が通っている考え方

ロジカルシンキングとは、情報や問題を体系的に整理し筋道を立て、矛盾なく考える思考法です。ロジカルは「論理的な」、シンキングは「思考法」という意味で、日本語に訳すと「論理的思考法」となります。

特に、問題の解決策を考える場面で力を発揮します。学生の場合は講義で発表するプレゼンの資料や、序章・本論・結論の三部構成で書くことが一般的なレポートなどで活用できます。

体系的に整理されており理路整然としている

ロジカルシンキングは体系的に整理されており、理路整然とした説明ができるようになります。ロジカルシンキングを身につけることで、以下のようなメリットを享受できます。

・問題解決能力の向上
・分析力の向上
・提案力の向上
・コミュニケーション能力の向上
・仕事の生産性の向上

社会人にとってはもちろん、大学生にも必須のスキルと言えるでしょう。

ビジネス全般で問題解決の際に活用される

ロジカルシンキングは、ビジネス全般で問題解決の際に活用されます。特に、複雑に絡み合う物事の関係性を整理したり、問題解決の道筋を立てたりするのに役立ちます。

日本においては、ロジカルシンキングはコンサルティング企業、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の方が執筆した『ロジカル・シンキング -理論的な思考と構成のスキル-』によって広まりました。

大学では無意識に活用していることがほとんど

大学でロジカルシンキングを専門的に学ぶ機会は少ないですが、無意識に活用しているケースがほとんどかもしれません。

基本的にロジカルシンキングとは、一つの結論に対していくつかの根拠を提示し、その結論が正しいことを証明する思考法です。つまりレポートで結論を述べるとき、プレゼンの資料を作るとき、友達に自分の好きなYouTubeチャンネルを説明するときなど、実はさまざまな場面で活用されていると言えるでしょう。当然、結論に対して根拠が間違っていたり、あるいは弱かったりするという問題はありますが、専門的に習っていなくてもほとんどの人がロジカルシンキングを無意識のうちに使っているのです。

ロジカルシンキングの考え方

ここからはロジカルシンキングの考え方について解説します。ロジカルシンキングを身につける上で知っておきたい基本的な考え方をチェックしておきましょう。

視野を広く持ち課題の全体像を捉える

ロジカルシンキングは「問題解決にあたり、情報を分類・整理して分かりやすく論理的に解決策を検討すること」です。つまり視野を広く持ち、課題の全体像を捉えることが重要になります。

因果関係を整理する

情報を分類・整理してわかりやすくするため、物事の因果関係の整理を行います。「今日は体調が悪い」と感じた場合、「昨日夜ふかしをしたから」「お酒を飲みすぎて二日酔いになった」といった原因があるはず。こういった因果関係をわかりやすく整理できるのが、ロジカルシンキングの考え方です。

就職活動では「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)を聞かれることがありますが、この質問に対してもロジカルシンキングで対応することが可能です。結論(結果)が「部活動でキャプテンを務め、チームを全国大会ベスト8まで導いた」だとしたら、「練習の参加率を高めた」「チームの目標を一致させた」といった根拠(成功要因)があるはずです。この情報を筋道立てて整理すれば、ロジカルでわかりやすい文章になるでしょう。

「結論」と「根拠」をセットで述べる

ロジカルシンキングは、「結論だけ」「根拠だけ」を発見する思考法ではありません。

・結論に対してどのような根拠があるのか
・いくつかある根拠からどのような結論が導き出されるのか

このような問いに対して限りなく近い答えを見つける方法と言えます。

「ロジカルシンキングを一言で言うと?」と問われると難しいですが、あえて突き詰めると、ロジカルシンキングとは「主張と根拠をそろえて考えられること」「そして十分な数の根拠を提示できること」に尽きます。

・主張を明確にする
・それに対して事実に基づいた根拠を複数そろえる

この二つを基本的な習慣にして、ロジカルシンキングを身につけましょう。

事実(ファクト)をもとに判断する

ロジカルシンキングで根拠を導く際には、事実をもとに判断することが大切です。なぜなら、事実が間違っていたら、誤った結論が導き出されてしまうからです。こうした思考法を「ファクトベース思考」と言います。

ファクトベース思考はロジカルシンキングの基礎となる考えですので、ファクトベース思考も合わせて身につけるべきでしょう。

ゼロベースで考える

ロジカルシンキングはゼロベースで考えることが大切です。ゼロベースとは既存の枠組みにとらわれず、フラットな状態から問題を分析し解決策を考える手法です。既存の枠組みには、ルールや習慣、経緯、事例、体験、前例などが該当します。

変化の早すぎる現代では、過去の成功体験や考え方を踏襲するだけでは生き残っていくのが困難になりました。こうした時代の変化に対応するために、ビジネス領域では新たなアイデアを生み出すためのゼロベース思考が重視されています。

ロジカルシンキングで便利なフレームワーク

ロジカルシンキングにはいくつか便利なフレームワークが存在します。フレームワークを利用することで、正しく、早くロジカルシンキングを身につけることができるでしょう。ぜひ活用してみてください。

ロジックツリー

ロジックツリーは、問題の原因を深堀りしたり、解決策を具体化&特定化したりするときに役立つフレームワークです。決められたテーマをツリー状に分解することで選択肢を広げ、「問題の発生箇所」や「問題を引き起こしている原因」、あるいは「問題解決の方法」を洗い出すのに適しています。

ロジックツリーには、考え得る解決策の優先度をつけやすいというメリットもあります。問題に合わせて柔軟に適したツリーを使うことが大切です。

MECE

MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った言葉で、それぞれの単語の意味は以下のようになります。

・Mutually(お互いに)
・Exclusive(重複せず)
・Collectively(全体に)
・Exhaustive(モレがない)

日本語に置き換えると、「全体集合として、それぞれが重複することなく、モレがない状態で網羅されている」という意味になり、簡単に言うと「モレなく、ダブりなく」となるでしょうか。物事における網羅性を追求するための考え方で、限られた時間の中で最善の解決策を考える際に重要です。

たとえば、「チョコレートの購買ターゲット」というテーマがあったとします。単純にチョコレートの購買ターゲットを分類すると、各要素は次のようになります。

・子供向け
・大人向け
・男性向け
・女性向け

一見すると各要素を細かく分類しており、正しい購買ターゲット分類に見えます。ですが、実際には大人向けの中に男性と女性がいて、女性向けの中にも子供と大人が重複しています。つまりこれだけだと、「モレなく、ダブりなく」分類できているとは言えません。

MECEのルールに則ってチョコレートの購買ターゲットを分類すると、次のようになります。

・男性・子供向け
・男性・大人向け
・女性・子供向け
・女性・大人向け

このように分類することで、適切な分析が可能になります。ビジネスの現場においては時間と資源に限りがあるので、最善の解決策を導くことが大切です。MECEを自然と意識できるようになれば、情報整理力がぐんと増し、効率性・生産性も上がるでしょう。

So What? Why So?

「So What?(つまり何か?)」「Why So?(それはなぜ?)」を繰り返す方法です。

「So what?」は、手持ちの情報を材料に結論を導き出す手法で、「帰納法」とも呼ばれる、ロジカルシンキングにおいて重要な考え方の一つです。例えば、次のように推論するとします。

1.スーパーで牛乳が値上がりした
2.コンビニでミルクティーが値上がりした
3.スターバックスのミルクが値上がりした
4.上記1~3の根拠から、「牛乳の価格が上がっている」と結論づけた

上記の場合、異なる3つの根拠(1~3)から「牛乳」と「価格」という共通点を探し出し、「牛乳の価格が上がっている」と結論を導きます。「So what?」は一つひとつに「つまり何か?」「だからどういうこと?」という問いを投げかけ、結論を導きます。

ただし、問題の本質を見極めることができる一方、

・実例や状況証拠そのものに間違いがある
・共通点を探し出す際に論理の飛躍がある
・共通点から結論を導く道筋に論理の飛躍がある

こうした場合は帰納法そのものが成り立たなくなる可能性があるので、注意が必要です。

ロジカルシンキングの勉強方法

最後に、ロジカルシンキングの勉強方法について解説します。大学でロジカルシンキングを学ぶ機会は少ないですが、身につけることができれば就活やゼミ、レポートなどで役に立ちます。一朝一夕で習得することは難しいですが、勉強する価値は十分あるのでぜひ参考にしてみてください。

1.本を1冊読み込んで練習問題を解く

知識を深め、地道なトレーニングを積むことによって、ロジカルシンキングは習得できます。そのため、体系的に学ぶことが最も有効です。まずは書籍を1冊しっかりと読み込んでインプットすることjから始めましょう。一通りインプットした後に、実際に自分で使ってみること(アウトプット)を心がけてください。

また書籍を選ぶ際は、実践の場を想定したトレーニング用の書籍がおすすめです。練習問題が豊富についている書籍を選びましょう。

2.大学やインターン先でトレーニングする

書籍を読んでインプットが完了したら、大学やインターン先でトレーニングをしましょう。知識を「自分のスキル」に変換するためには、インプット以上にアウトプットが重要です。インプットばかりしていては、あなた自身の能力は上がりません。

レポートや論文、インターンシップでの業務など、ロジカルシンキングを活用できる場はとても多いです。また、友達との会話でもトレーニングは可能です。

例えば、「アルバイト先の店長に怒られた」という笑い話にも、「お客様がいるのに同僚としゃべっていた」「一度注意されたが、特に反省せずしばらく経ったあと再び話し始めた」という根拠(=フリ)があった上で、「アルバイト先の店長に怒られた」という結論(=オチ)に至ったとすると、この話もロジカルシンキング的な思考でまとめることが可能です。

考えようによっては日常のあらゆるシーンがトレーニングになるので、すべての場面で「ロジカルシンキングで考えるとどうやって話す(書く)べきだろう」と考えてみましょう。アウトプットを繰り返すことがスキルを身につける一番の近道です。

まとめ

ロジカルシンキングはビジネスの現場だけでなく、あらゆる場面で活用することが可能です。特に大学生であれば、レポートやプレゼン発表、就活、インターンなど、実践できる場が数多くあります。ぜひ大学生の内にスキルを身につけて、他の大学生に差をつけましょう。

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