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レポートの引用・出典・参考文献の書き方と注意点


大学生になると、必修科目以外に自分の興味のある講義を受講するという方式に変わります。そして、受講方式だけでなく他にも大きく変わるポイントがあり、それが「課題レポート」です。

高校生までは、授業の習熟度確認や成績をつけるために筆記試験をするのが一般的でした。一部科目では実技や論述などもあったかもしれませんが、大部分は100点を満点とする筆記試験だったのではないでしょうか。それが大学生になると、課題レポートの提出によって評価される講義が多くなります。

本記事では、大学生がレポート書く際につまずきやすいポイントである「引用」と「出典・参考文献」の書き方について解説していきます。

レポートの引用とは?

レポートでは著作物から一部参考にすることがある

レポートを作成する際、自分の意見を裏付けたり、新しい知識を得たりするために、書籍・論文・インターネット記事などの著作物を参考にすることがあるかと思います。その際、自分が書いている文章の中で、著作物から一部を参考にすることがあります。これが「引用」です。例えば、レポートの中で他の論文の主張を紹介するようなケースで用いられます。

しかし、引用には著作権法に基づくルールが存在するため、ルールを遵守しなければなりません。また、引用する際には、その引用が適切であることを示すために「引用元」を明記する必要があります。

一部なら文章をそのまま使っても問題ない

レポート内で引用する場合、一部であれば文章をそのまま使っても問題ありません。しかし、その場合でも引用元は明示する必要があります。レポートを読んだ人が引用内容を正しく把握・確認できるよう、引用の範囲や引用元の著者名、出版年、ページ番号を指定することが望ましいとされています。

主・従の関係に気をつける

引用する際には、引用部分がレポートの文章の中で「主」ではなく「従」の関係になるように気をつける必要があります。つまり、引用部分がメインにならないようにするすることが重要です。あくまで、引用部分は自身の主張の裏付けをするために加える「補足」であって、レポート内容の主たる部分ではありません。

主・従の関係になっていないと引用の要件を満たさないため、レポートを書く際は気をつけるようにしましょう。

引用の書き方

1.短い文章の場合

短い文章の場合は、該当箇所を引用元の文章そのままに引用し、「」(カギカッコ)でくくります。そのまま引用することを直接引用と呼び、引用元の文章は変更しないことがルールとなっています。

引用の例

○○の著者である山田太郎は、「■■■■■■■■」であると主張している。

2.長い文章の場合

長い文章の場合、「ブロック引用」と「間接引用」という2つの選択肢があります。まずは長い文章をブロック引用するケースについて解説します。

長い文章をブロック引用する際は、「」(カギカッコ)ではなく、上下1行ずつ余白を設けて1~2文字下げて引用部分を記載します。

引用の例

○○の著者である山田太郎は、

 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■

であると主張している。

3.長い文章を要約する場合

次に、長い文章を要約して引用する間接引用について解説します。

間接引用の場合は「」でくくらずに、自身の文章にそのまま続けて記載をします。自分の言葉で要約するものの、引用元の主張を改変してしまうと引用の要件を満たさなくなるため注意しましょう。

引用の例

○○の著者である山田太郎は、■■■■■■■■であると述べている。

4.数値データやグラフの場合

数値データやグラフを引用したい場合、書籍に載っている画像やグラフをスキャンして掲載してはいけません。「無断転載」にあたり、引用の要件を満たさなくなってしまうからです。

著作物の数値データやグラフを引用する際は、Excelやスプレッドシートに自身でデータを打ち込んでグラフ化した上でレポートへ添付しましょう。ただし、自身でグラフなどを作ったからといって、引用元の記載が必要なくなるというわけではありません。

引用するときの注意点

主・従の関係になるようにする

冒頭でも説明しましたが、引用をする際は、自身の主張と引用元の主張が主・従の関係になるように構成する必要があります。引用元の内容のほうがレポートの主となってしまうと、それは引用の要件から大きく外れて「盗用」になってしまう恐れがあります。

大学生の課題レポートが法的な問題につながることは少ないですが、評価者である教授は「レポートの内容が大部分引用である」ということに気付きます。その場合は低評価、または単位取り消しなどになってしまうこともあります。

必然性がある場合のみOK

引用をする際に気をつけておくべき点として、「必然性の有無」も挙げられます。引用は自身の主張の裏付けとして有効である一方、本当にその引用が必要だったのかを常に意識する必要があります。

「とりあえず引用をしておけば便利だから」といった考えや、脈絡なく引用をして文字数を稼ぐといった行為は決してしないようにしましょう。

原文を改変しないようにする

直接引用やブロック引用をする際は、基本的に原文をそのまま記載する必要があります。これは、原文に誤字などがあった場合も同様です。間接引用の際は原文を要約しても問題ありませんが、原文の主張について間違った解釈をしたり、都合のよい改変をしたりすることは避けましょう。

もちろん、原文に解釈の余地が大きい場合は間違った解釈をしてしまうこともあるかもしれないため、絶対禁止というわけではありません。しかし、原文の意図と異なる要約をしたと解釈された場合は低評価となることもあるため、引用をする際はしっかりと原文を読み込み、主張を理解しておくことが大切です。不安なのであれば、直接引用やブロック引用を使うのも有効です。

引用であることが分かるように記載する

さまざまな著作物の主張を取り入れられる引用は非常に有用である一方で、記載ルールをしっかり守らないとトラブルの原因になります。過去にも、著作権や引用要件を満たさないためにさまざまなトラブルが発生しているため、レポートを書く際は記載ルールについて事前にインプットしておきましょう。

出典・参考文献の書き方

最後に、出典・参考文献の書き方の一例を3つのパターンに分けて紹介していきます。なお、レポートの出典・参考文献の書き方は学問によってルールが異なるため、詳しくは教授や教員に確認することを推奨します。

1.書籍の場合

レポートを書く上で参照することが多い、「書籍を参考文献とする場合の書き方」は以下のルールとなっていることが多いです。著者や書籍名だけではなく、総ページ数の記載も必要になります。

著者/書籍名/出版社/出版年/総ページ数

2.論文の場合

論文の初出は雑誌であることが多いため、著者やタイトルに加えて雑誌名や号数、論文の開始ページ・終了ページの記載も必要になります。

著者/タイトル/雑誌名/出版年/号数/開始ページ・終了ページ

3.Webページの場合

近年では、Webサイトのニュースや新聞記事を引用元とするケースも増えてきました。Webサイトの場合は、記事の更新日時のほか、自身がいつ該当記事を閲覧したのかという意味での参照年月日も必要になります。

著者/Webページのタイトル/Webサイトの名称/更新日付/URL/参照年月日

まとめ

ここまで「引用」と「出典・参考文献」の書き方について解説してきました。大学生はレポートを書く機会が多いため、1年生のうちから書き方やルールをしっかり覚えておくようにしましょう。

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